ステファニー・ランドのレビュー一覧
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本書の最たる特徴は、自由の国アメリカのシングルマザーの底辺の生活もさることなが、それでも失わない著者の向上心かと。
私だったら娘第一で、ここまでハードな生活の中で自分の学業をまっとうしたいとは思わなくなりそう。
幼い我が子を別れた旦那に預けるのも、すごいなと…。電話で「パパは今どこにいるの?」と聞...続きを読むPosted by ブクログ -
"見ること、学ぶこと、疑問に思うことをやめた。二人で生きることで精一杯だった。いつも何かが期限切れだった。いつも車に乗っていた。いつも急いで食べて、急いで片付けていた。常に移動し、息を吸うために立ち止まることさえできなかった。"(p.50)
"私はミアのためにそこにいたけれど、私の手を握ってくれ...続きを読むPosted by ブクログ -
これは…考えるね…
他人のトイレや浴室を磨き続ける日々…それってどんなふうに自分を変えると思う?
「幽霊になったよう」って、ステファニーは言ってる。物凄く自己肯定感が下がるってことだよね。
だけど、最低賃金で清掃の仕事をする(メイド)ことを放棄したら、彼女と娘は生きてゆけない。
好きでそうなったわ...続きを読むPosted by ブクログ -
予定外の妊娠で貧困に陥った作者は、向上心と知的好奇心を失わずに努力し続けて貧困から脱出。
向上心を持ち続けられたのは愛されて育った子供時代で得られた自己肯定感が大きいのではないかと感じた。
彼女が戦う困難の記録と、メイドして観察したワシントン州の家庭を覗き見する感覚でも読める。
彼女が憧れてたどり着...続きを読むPosted by ブクログ -
貧困問題や不十分な社会保障などに対して声をあげる要素が詰まった一冊。
誰の援助も得ることができず、シングルマザーでホームレスをしメイドとして働く彼女の回想録。
生きるために日々踏ん張り闘っているその熱量に凄さを感じた。
書くことによって何とか今の状況を変えていく…という意志の強さが伝わってきた。Posted by ブクログ -
この本に出会えて良かった。
それは断言できる。
ハッピーエンドで良かったねと手放しで喜べるサクセスストーリーではない。
その過程で、ステファニーとミアがいつ終わるか分からない地獄を味わい続けたことは事実だから。
収入を中途半端に上げると支援が手薄になり、かえって生活が苦しくなるというのは、まるで蟻...続きを読むPosted by ブクログ -
ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引き書」がとてもよかったので、似たような書名の本を手に取る。先入観との落差に少々眩暈のような感覚を覚えながら読み通す。
2019年に元米国大統領が推薦している理由は、"A single mother's personal, unflinching look at...続きを読むPosted by ブクログ -
村井理子さんの翻訳本。途中、著者にこれでもかと降りかかる困難は、読むのが苦しくなるほど。福祉を利用する人達への偏見は、どこも同じなのだなと思う。Posted by ブクログ
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清掃会社から派遣され、家庭の掃除をする。
ハウスメイドというそうだ。
本書はタイトルの通り通り、このハウスメイドとして働きながら、一人で娘を育てる女性の手記である。
日本でもお掃除サービスが家庭で利用されるようになってきた。
解説を読むと、アメリカではかなりの家庭が掃除をハウスメイドに任せていると...続きを読むPosted by ブクログ -
シングルマザーでメイド(住宅の清掃員)の体験記。
メイドは、最低賃金で(時給9ドルなので、1000円以下か)、汚くて身体的にもきつい仕事をさせられているにもかかわらず、対等な人とは扱われず、幽霊のように見えない存在とされている。
幽霊は、高等教育も受ける機会がなく、構造的に貯金ができない社会システム...続きを読むPosted by ブクログ -
村井理子さんのお名前を知っていたので手に取った。
表題どおりの本だけど、睡眠時間を削って読んだ。
シングルマザーではない私にもわかりみがすぎる一冊だった。
女性、育児、就労、貧困、差別、プライド、孤独、家族、、、いろんなことを考えた。
ステファニーの実家も家族不和で、それぞれ新しい家族がいて、祖父...続きを読むPosted by ブクログ -
正直に言って、読んでいて重かった。
日本から見て社会の違いから想像が難しい部分もあったが、それでも否応にも流れる空気を感じざるを得ない、そんな描写の続く一冊だった。
格差があるとき、多分それは見えなくって、結果としてそれが人を追い詰めていたりするんだなと思った。Posted by ブクログ -
この本を読む前にルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読んでいたのだけど。
解説を読んで、アメリカにおけるメイドの立ち位置がわかった。Posted by ブクログ -
途中で投げ出しそうになったけど、なんとか読み終えました。
並行して茂木和哉の掃除術の本も読んでたので、なんというか「掃除」というものへの向き合い方が全く違うのだな、と強く思いました。
ま、自分の家のではなく他人の家のトイレなど、借りることはあっても掃除することはなく、普通イヤでしょうけど、それしか...続きを読むPosted by ブクログ -
不法入国した人たちは食料の支援を受けることもなければ、税金を払っているのにもかかわらず還付されることもないのだということも。彼らは政府からの援助を一切受けることができない。それを受けることができるのは、アメリカで生まれた人たちだとか、書類を提出して在留する許可を得た人たちだけだ。私がこのことを知って...続きを読むPosted by ブクログ
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シングルマザーにより低賃金での仕事、自治体の援助や住居を探すのも一苦労。
国によっては清掃業とは背景も変わってくるのかな、この本ではメイドと言う言葉。
トイレ清掃の描写では、各家庭は汚れたまま掃除をさせる事が当たり前の様子。
シングルマザー、シングルファザー適度に頑張って下さい。Posted by ブクログ -
アメリカの格差社会の凄まじさが衝撃的。苦しさに負けずに、大学の単位を取得し、子どもにはオーガニックのものを食べさせるよう努力するなど、意識の高さを保ち続けたことに感服する。Posted by ブクログ
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「これはどう考えても無理ゲーじゃね!?」と読みながら何度も思った。
無理ゲー、つまり "難易度が高すぎてクリアするのが無理なゲーム" ってことですが、この本で描かれているシングルマザーの極貧生活は、私にはどう考えても、抜け出すことはおろか、続けることすら無理なものに見えた。
時給9ドル、交通費支給...続きを読むPosted by ブクログ -
シングルマザーで人生絶望の主人公が日常のことや考えをブログに綴っていたものをまとめた本でした。
この著者の場合はシングルマザーになってしまって、人生どん底でも自分なりに自分の道を模索しながら少しずつでも切り開いていってる感じは少しですが感じ取れました。
もしかしたら同じような境遇(アメリカと日本...続きを読むPosted by ブクログ -
シビアな現実を知る良い機会ではあったが…
ところどころ、「自業自得なのでは…」と思う箇所が。
厳しすぎる意見かもしれないけど、貧しいシングルマザーになるような道を著者本人が自ら選んで進んだ感がある。
仕事にしても、これノンフィクションですよね?
それなのに、顧客の実情を面白おかしく書いている箇所が数...続きを読むPosted by ブクログ