山口祐加のレビュー一覧
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誰かにシェアする話でもない‥今日いいことがあったという誰にも奪われない自分だけの嬉しさを味わうことって生きていていい自信にもつながる。
料理は誰からも指図されない、思うままにやっていい。成果がすぐに現れてちゃんと美味しい。料理で自尊心を保つことができる、自分を丁寧に扱う行為、自分をケアする行為なんだなという文が心に沁みた。誰かのためじゃなく、自分の為の料理が自尊心を育み、人生を生きやすくするんだ。
料理は元々好きだったけど、もっと自分の為に作って良いんだなって、誰かに許された気持ちになりました。自分が喜ぶ食材を買って自分が好きな味付けにして、ここまで自分をケアできる行為って他にないかもしれない -
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12か国24の家庭の自炊事情が紹介される
はじめに、で著者の自炊観は生まれ変わったというくらいに変化した、とある
これはすごい本だ、という予感がする
12か国の自炊それぞれのエピソードが面白く美味しそうだ
それを見て著者は何を感じるのか
最後の1文で世界観の変わるミステリのようにおわりに、を読んだ
以下はミステリのようにネタバレ
日本ならでは、として毎日違う献立、定食スタイル、栄養バランスのプレッシャーがある
なぜか
著者は給食を挙げる
なるほど
伏線はないが納得
6か国の小学校を比較した本を読んだが小学校のスタイルは国民性に強い影響を与えている
あるいは国民性が小学校のスタイ -
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本書から、自炊料理という日常的で、個人的で、ともすれば誰からも褒められることもないかもしれないささやかな行為に悩む人達が、実はその背景に自尊感情に悩んでいたり、傷ついていたりするということが分かってきます。そして、料理が個人的な行為だからこそ、もっと自分の五感や気分に素直になって、自分自身を労ってあげても良いと料理家の著者と精神科医の星野氏は優しく説いているように感じました。
比べるのは他人とではなく、料理を楽しめなかった以前の私であり、自分が食べたい物を食べたい味で食べられるのは、健康的な人生において大切なことと思いました。明日からの料理のハードルが少し低くなった気がします。 -
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タイトルから気になって探して読んだ一冊です
よかったです!!よかったです。見た瞬間「うわっ、分厚い!!」でした。世界の自炊レシピ本かな?なんて思っていたので想像を超える分厚さに驚きと同時に嬉しくなってしまいました。12か国、各2世帯の自炊について書かれているのですが、どんな料理を作っているかはもちろん、その方の料理についての考え方や自炊をする理由とかが書かれてあって本当に素敵な本でした。
各家庭の名もなき料理を作っている現場を読ませていただくと自分もその台所にいる気持ちになれました。あぁ、この料理、絶対に美味しいに決まってる!と何度思ったことか。
お国柄がとっても出ているのが良くて、それ -
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自炊……苦にならない。毎日コンビニご飯の方が辛い…。という派なので、どこらへんが壁になるのか、その壁をどう乗り越えていくのかが知りたくて読んだ一冊です。
そうなんですよね。料理食べるのももちろんですが、作るプロセスも楽しいんですよね。ふふふ。お醤油が里芋に染み込んだ色をしてきたぞい。とか、あー、野菜炒めの油が野菜にまわっててりっとしてきた!!というのも楽しくてやめられません。
自分のご飯はホームという感覚もよく分かって、そう!自分の作ったみそ汁が飲みたいんだよ!これこそ私のホーム!とよく思うなぁとも実感しました。あと私にとっては山形県の芋煮がホームでもあります。
あと、一番しっくり来たの -
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みんなが悩む「自炊」について、
料理研究家の方がパッションではなく
かなりロジカルに解説された本書。
山口さんと星野さんの柔らかさ、
会話形式という方式により
非常に読みやすくなっているが
あまりに美しい因数分解に舌を巻いた。
そして驚くほど腹落ちし、とても許された気分に。
(なぜ料理が億劫なのか、料理とは、など)
きっとどの料理家さんも思っていることだとは思うんだけど、他の本だとあまりにパッションだけが全面に出過ぎているイメージがあり、
「だからそこにいくまでに至ってないんだって、、泣」とずーっと胸焼けしていたので。
対談内のお二人の寄り添い方、距離の取り方が
とても心地よく、なんとな -
Posted by ブクログ
料理をするのが苦手、好きになれず、かと言って、「上手くなりたい」という気持ちの矛盾の中で、いわゆる「料理本」ではないものを探してました。
たまたま、「料理コーナー」で見かけたのが、本書。
心理学者の方が共著されていますが、そんなに堅苦しくありません。そして、期待通り、料理に対する「責任感」という呪縛から、「うーん、結局は楽しんで、自分の好きな味で、好きなものを食べる事が、本来の「摂取」本能であり、料理をする事の本当の価値なんじゃないか」と思えるようになりました。当たり前のことかもしれませんがー。
自分なりに、何かその時その時の「愉しさ」みたいなものを見出していけば良いんだなぁと思いました。大 -
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ひさしぶりに心に響く本に出会えた。鬱で家事をする元気がなくなり、特に料理は一切手につかなくなって、なぜ料理だけこんなにもしんどいのだろう?と考えていた。全てここに答えが載っていた。自分のために料理をするのが勿体無い、考えることや済ます工程が多過ぎて複雑、自分のための料理に価値を感じない、なんなら自分に価値を感じない(ゆるりとしたセルフネグレクト)、料理をしても特に対価がない、食に興味がないなど。自炊というものに関して、根底から覆す本だと思った。途中でやめても良い、一汁一菜で十分、なんなら味噌汁を作るだけでも上出来、少し用意して食べて元気が出てきたら続きを作るなど…山口さんありがとう…とても元気