海都洋子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本当の幸せというもの
は裕福な家庭にはない。
それは、毎日の食事が
きちんとできる程度の
家庭にある。
至言だなと思いました。
多少の不自由があって
こそ、
ちょっとした出来事が
大きな喜びに変わると
いうものですよね。
物語の舞台は十九世紀。
日本でいえば明治時代
です。
現代は技術の発展から
家事の負担が軽減され
ましたが、
核家族化の進行による
家事の担い手の減少や
共働き化によって、
けっきょく女性の大変
さというものは、
この時代からそれほど
変わっていないのかも
しれません。
とはいえ、冒頭の通り、
多少の不自由は人生を
美味しくするスパイス
だと思うように -
Posted by ブクログ
本書を学校の図書室で
読み首をかしげている
子どもたちに、
大人になって読み返す
といいよって言いたい。
優しい心に溢れた生活
が何ものにも代え難い
ということは、
大人になってようやく
わかるもの。
気難しい老人の凍った
心を溶かす感謝のキス
で胸がいっぱいに♡
癇癪を起こし自責の念
にかられる娘に、
母親が優しく諭す怒り
を鎮める術は、
時代を超え性別や年齢
に関係なく、
すべての人に響く内容
ではないでしょうか。
華やかな社交界の中で
貧しい身なりを惨めに
感じて、
思わず挫けそうになる
メグや、
「これからは良い子に
なります」と誓っては、
すぐにもと通りになる -
Posted by ブクログ
約150年前に書かれた物語なのにちっとも色褪せない。
4人姉妹が目の前にいるように生き生きと描かれている。
お父さんは従軍牧師として戦地(南北戦争)に赴き、一家は慎ましい暮らしを余儀なくされているが、お母さんがキリスト教の教えや自分の経験に基づいて娘たちをしっかり導いている。それが、お説教を嫌っているジョーのキャラクターによって説教臭くなく感じられる。
4人姉妹は、それぞれの個性を大切にされていていいなぁ~と思う。特に、ジョーは淑女っぽいのが苦手だがそれを矯正させられることもなく、またべスは学校が苦手なので学校へは行っていない。そうやって素の自分として生きていける。
読者は、4人姉妹の何れかに -
Posted by ブクログ
以下、引用。
「まあ、土曜の夜にはみんな、遊んでばかりで働かないことが、働いてばかりで遊べないのと同じくらいつまらないということがわかると思うわ」
「家事っていうのは遊びごとなんかじゃありませんよ」というハンナの口癖が真実であることに気づかされた。
「でも、かぶってく! これって最高だもの。日よけになるし、軽いし、大きいし。それにおもしろいじゃない。笑われたって平気、自分が快適だったら」
イギリス人たちはなかなかうまかったが、アメリカ人のほうがもっとうまかった。みんなは、まるで一七七六年の独立戦争時の亡霊が乗り移ったかのように激しく競りあった。
「あなたのお城には、馬とインクスタンド -
Posted by ブクログ
子供向けの本を持っていて飽きるほど読んでいるんですが、『ストーリー・オブ・マイライフ』公開記念に再読。
あらためて読んでみると、姉妹の「いい子にならなきゃ」オブセッションとか説教じみたお母さまの話に怯みますが、オルコットの父親が教育者であったこと、ピューリタンであったことなどを考えると、実際にこういう教育を受けて育ったんだろうと思われます。
私の持っていた子供向けの本ではピクウィック・クラブやキャンプ・ローレンスの話は省略されていて、中学生ぐらいのころに全訳に近い版も読んだ覚えがありますが、キャンプ・ローレンスについてはまったく記憶なし。メグがブラック先生とともにドイツ語の詩を読む -
Posted by ブクログ
南北戦争時代のアメリカ北部に住むマーチ一家の四姉妹の成長を描きながら、勤勉さや女性の自立などについても示唆している作品です。
著者ルイーザ・メイ・オルコット自身も北部出身であり女性の権利活動していたそうです。
作中ではマーチ夫人が女性の自立を認め、姉妹たちを暖かく見守っている一方で、保守的な価値観を持つマーチおばさんが対照的な存在として物語に深みを与えています。
姉妹たちの個性や暮らしぶりを楽しめる本だと思いますが、当時の時代背景などもふまえて読むことで面白い問いが浮かんできて味わい深くなると思います。
例えば作品は出版直後から好評を博し、アメリカ全体で人気となりました。しかしアメリカは