ブラッドリー・ハーパーのレビュー一覧
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コナンドイルが探偵役となり、ジャックザリッパーと対決する!ワクワクする設定です。ビクトリア女王時代のロンドンの描写が鮮明で、ゴージャスと猥雑がないまぜになった様が目に浮かびました。捜査の様子もクラシカルなので、え!こんなこともっと前にわからない?と思う場面はありましたが、それだけ当時の様子に則って描かれているのでしょう。作者はドイル同様医師ということで、殺害シーンの描写ががエグい。それに比して事件は淡々と進み、ドイル含む三銃士の描写の方が生き生きとしてます。劇的な展開がないままラストに突き進みますが、なかなか印象的な結末でした。こんな文学的なミステリーもあるのだな、と感じ入っています。マーガレ
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Posted by ブクログ
実在の事件を下敷きにしているので、少し展開がまったりしているところがあるけれど(特に前半は、捜査といっても警察署に泊まり込んで云々ぐらいしかないので)逆にいうと、その史実を下敷きにうまくまとめあげたなと。ドイルが完全にワトソン役なので、ドイルの息子たちが生きていたら完全にNGだろうなとか、ちょっとおかしくなってしまった(ドイルの息子たちは父を絶対視していて、父こそがホームズのモデルであると主張していた)。マーガレット・ハークネスも実在の人物なのね。知らなかった。
ホームズ対切り裂きジャックはけっこうあるはずだけど、ドイル対~は斬新かも。 -
Posted by ブクログ
コナン・ドイルの『緋色の研究』によるデビューが1886年。ホームズの第二作『四つの署名』が1890年。その間の四年間、ドイルはホームズは一作書いただけの鳴かず飛ばずなので、英国内乱の歴史小説を書いている。そして本業の医師の仕事についている。プライベートには1988年に妻ルイーズが妊娠。その頃、切り裂きジャックが血まみれのナイフ片手に、霧の町ロンドンの夜を震え上がらせている。
そんな時系列を抑えておく。つまり本書の作者は、ホームズ作品の難産作品二作目を産み出すモチーフとして、四年間の空白の中間部に勃発する切り裂きジャックの事件を配置。ドイルは、ホームズのモデルとなった恩師である医師ベルと共 -
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感想。基本切り裂きジャックの殺害現場を追っていく話なので明るい話題がなく途中息切れ気味になり読み終えるのに時間を要した。文体はまさにホームズ物を踏襲しているが、ベル博士自体はホームズのように個性が際立っている訳でないのでキャラクターとしてはやはりマーガレットの一人勝ち状態。ただ、だからこそエンディングの味わいが個人的にはとても好ましかった。
切り裂きジャック物はどうしても犯人は公表されず闇に葬り去られるのがマストなのでどう頑張っても対決はあんな感じになるのよね、というか犯人はそこしかないよねという感じで推理物として読むにはどうにもね。
ただマーガレットは良かった。その意味で星3つです。