福冨渉のレビュー一覧

  • 絶縁
    『闇に包まれた穴の底には、龍が横たわっているような気がした。(中略)年寄りたちの言うには、そうした穴は龍が冬眠をする穴ぐらだそうで、龍は夏になると穴からはいずり出てきて天空に飛び立ち、冬になると再び穴に舞い戻ってくるという。穴の付近の雪が解ける理由は、龍の吐く息が穴から噴き出してくるせいらしい。ぼく...続きを読む
  • 絶縁
    村田沙耶香 著「無」を目的に手に取った本。
    著者の“近未来SF”チックな作風が全開でした。
    フィクションだけど、どこか現実と繋がっている様な…
  • 絶縁
    日本の作家と共作しませんかと問われた韓国の作家チョン・セラン氏が「アジアの若手世代の作家が同じテーマのもと短編を書くアンソロジーはどうか?」と編集部に逆提案。それで編まれたのが本書だとか。
    今回のテーマは“絶縁”。人によって、国や地域によって、こんなにもいろんな“絶縁”があり、それぞれが自分だけの「...続きを読む
  • 絶縁
    「絶縁」テーマのアンソロジー
    訳者のあとがきにナイスフォロー大賞を捧ぐ

    村田沙耶香、天才
    と思いきや、芋づる式に天才現る
    そして、しんがりのチョン・セラン
    一気に世界が広がってしまったので、これからどうしようかと悩む
  • 絶縁
    チョン・セランの提案で、”絶縁”をテーマにアジアの作家9人の作品。どれもそれぞれに面白かったけど、ハオ・ジンファンとラシャムジャが特に良かった。
  • 絶縁
    東アジア~東南アジアの若手作家による『絶縁』という共通テーマのもとに書き下ろされたアンソロジー。

    かなり読みごたえがある。
    読み終えるのに結構な時間がかかった。
    同じ時代を生きているのに、その国の政治・社会状況によりこんなにも違った世界が広がっているとは、想像もしなかった。そう、同じテーマのもとに...続きを読む
  • 絶縁
    正直、難解なものも多く(特に燃える)、途中で断念しそうだったが、「穴の中には雪蓮花が咲いている」が素晴らしくて、読んでよかった〜と思った。チベットが中国なことも知らなかかった無知な私だが、ラシャムジャさんの他の作品も読んでみたい
  • 絶縁
    「絶縁」がテーマだからどの作品も薄暗い雰囲気だった。けどほのかに温かみも感じる作品が多かった。(特に、『穴の中には雪蓮花が咲いている』という話が最もそれ)
    全然読んだことないような国の作家さんたちの作品が読めてよかった。国が違うだけで雰囲気が全然変わる!

    そもそも村田沙耶香さん目当てだったからだけ...続きを読む
  • 絶縁
    アジアの作家の豪華ラインナップ。村田は相変わらずで、たまに読むとそのヘンさが心地よい。ハオ・ジンファンの作品は、彼女らしい寓話だがやや月並み。チョン・セランはさすが。こういう、ストレートに苦いテイストの作品も書くんだと思った。あとよいと思ったのは、ベトナムのグエン・ゴック・トゥと台湾のリエン・ミンウ...続きを読む
  • 絶縁
     アジアの女性作家九人によるアンソロジー。しかもテーマは「絶縁」。「しびれるテーマ」と村田沙耶香は言ったそうだが、確かに「しびれる」。なかなか、こんな本が存在するというだけで意義深いような、圧がある。ある特定の層には熱い支持を受けそうな一方、この価値観、というよりはこれに「しびれる」感覚って、普遍性...続きを読む
  • 絶縁
    アジアの作家たちの共作ということで読んだ作家だけをメモ。
    村田沙耶香「無」
    アルフィアン・サアット「妻」
    韓麗珠「秘密警察」
    ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」
    グエン・ゴック・トゥ「逃避」
    チョン・セラン「絶縁」
  • 絶縁
    面白いのも、そうでないのもあったが、色々な国の色々な作家の作品が読めたのは楽しかった。
    文学は政治や社会の状況と密接に繋がっているのだと改めて感じた。
  • 絶縁
    絶縁をテーマに九つの話からなるアンソロジー。海外小説はどうも頭に入らず途中リタイア。残念。原文で読めれば違ってくるのかなぁ。でも村田沙耶香さんの「無」は読み応えあった。「完璧な無」に生きてる意味はあるのだろうか。でも「無」の生き方に憧れる気持ちもあるな。そういう境地に私はなりたい、気もする。
  • 絶縁
    「絶縁」という同じテーマでアジアの9都市9作家がそれぞれ物語を描いたら…面白いなぁ~と、しかも村田沙耶香さんだぁ…と思い手にしました。村田沙耶香さんの作品「無」は、楽しめました!「無」になりたい…とは思ってもなかなか難しいもんですね…。「無」が崇め奉られる…スゴい世界っ!!しかも「無街」が各地にでき...続きを読む
  • 絶縁
    村田沙耶香さんは凄まじく村田沙耶香さんだった。各国の背景や歴史を知っていたらもっとたのしめたんだろうなぁという作品もいくつかあって残念だった。ほろ苦い後味。
  • 絶縁
    9人のアジアの作家による短編集
    村田沙耶香の「無」や郝景芳の「ポジティブレンガ」は社会の薄気味悪さを感じ、チョンセランの「絶縁」はやり切れない男社会の蛮行に傷つきながらも少し光がさしているように思った。どの作品も(そうで無いような作品もあるが)暗い現実の先に、何らかの希望が垣間見えるのが救いだ。
  • 絶縁
    絶縁がテーマの短編集。
    期待していた村田沙耶香さんの短編も良かったが、意外に他の作家さんの短編が気に入った。

    幼なじみの少女と結構良い仲だったのに、結局その少女とは結ばれることなく、小さい頃の少女との会話を思い出す主人公の話(「穴の中には雪蓮花が咲いている」)は、自分の思う通りには世の中は進まない...続きを読む
  • 絶縁
    村田沙耶香さんの作品が読みたくて手に取ったのですがこの本を手に取らなければ一生縁がなかったなと思う素敵な作家さんがたくさんいて、そのお国柄が出ててとても面白かったです