大石善隆のレビュー一覧
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愛好家の頭の中を覗くのは意外と楽しい。混じり気のない好奇心と探究心で物事を突き詰めているから嘘偽りがない。
コケの生態を講談みたく熱い語りで展開していく著者にクスッとくる。「入門書」と評されていたけどコケ目線だけでなく、想像以上に初心者の目線で書かれていたのが第一の衝撃。(こんなにも例えがわかりやすい人を久々に見た気がする笑)品種の紹介も生息地や形がメインで専門用語は出てこない。一眼で撮ったのか画質もピカイチで、ひょっとしたら目で楽しむことからという意味で入門書なのかな。映えとか関係なしにみずみずしい緑が眼前に広がる。
第二の衝撃は場所によって生態が全く異なってくるということ。都会や里山、 -
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私はこのコケの本を手に入れるまでに約10年以上の月日をかけている。ずっと苔のことが気になっていた。常に私たちの身の回りに居るのに、どの種ひとつも、名前さえ知らない苔たち。古代からどのように生きてきて、今どのように生きているのか、それさえも知らない。それなのに時々ハッとするような美しさを見せる。
図鑑を手に入れて、その名前ぐらいは知らなくてはならない。でも、それはかなり難しいのではないか?と思ってきた。一度展示会場で見たけど、何処がどう違ってこの種になったのか、さっぱりわからなかった。机上の学習では心許ない。かと言って重たい図鑑を持って外を歩き回るほどの時間は持てない。と思いながら10年が過ぎ -
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身近なコケの生態、巧みな生き方を知ろう
今年からコケリウム、ミニ盆栽を育て始めたので、コケたちのことをもっと知りたくて手に取った。コケの研究者が書いているだけあって、コケに愛があり、その生態や種類について分かりやすく丁寧に教えてくれる。
例えば、コケには維管束が無いため、表面全体から水を吸収できるようにしていること、また、そのために他の植物にあるような、葉を油でコーティングする技術はないと分かった。
最後に、コケの生態のことを考えたうえで、環境問題にも触れていた。都市化が進んで行く中で、ヒートアイランド現象により、コケの住める範囲も変わっているという指摘は興味深かった。京都において、実 -
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ネタバレ<目次>
序章 コケはなぜに美しい
第1章 (都市の章)健気に、時にしたたかに
第2章 (庭園の章)コケが醸し出すわ「わび・さび」の風情
第3章 (農村の章)のどかな土地の熾烈な戦い
第4章 (里山の章)運命に抗わず、コツコツと生きる
第5章 (深山の章)細く長く行き、森の主役に
第6章 (高山の章)厳しさがコケを強くする
第7章 (水辺の章)柳のようにしなやかに
第8章 (味わう章)五感でコケを味わう
終章 小さなコケが教えてくれること
<内容>
近年「コケリウム」などでブーム化している「コケ」の本。なんかじめじめしたところに自生しているな、ぐらいだったが、その強