仲スナ子のレビュー一覧
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ネタバレ小説家のゆすらは物腰柔らかで優しく、料理上手な主夫の木崎さんと父の残した古民家でゆるやかな二人暮らし。
タイトルと装画の印象からはほのぼのほっこりスローライフに見えるかもしれませんが、生きていくことにひどく不器用で、喪失の悲しみに心を囚われたままのゆすらの目線で紡がれる物語には息苦しさと不穏な空気が終始漂う。
偉大な小説家である「島田仁」の娘であり、同じく小説家になった「島田ゆすら」はあくまで二世扱いからは逃れられない。
あたかも「島田仁」の作品のひとつとして筋書きを与えられたかのような人生を生きるゆすらは、物語の書き手である父を亡くし(おそらく自殺であったことがほのめかされる)、ひとり取り残 -
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ネタバレただのほんわか物語ではなく、文筆家であるゆすらの仕事への苦悩、同じく文筆家で偉大な父の娘とされる苦悩などがあり重くも描かれている。
出会い方から結婚までの流れがすごい。
旦那の木崎さんが作る数々のご飯が美味しそう。
なにも言わずともゆすらのことがわかり、それとなくご飯を用意したり元気づけようとしているところが素敵。
このふたりのほんわかした空気、雰囲気が、私もほっこりさせてくれた。
とにかく木崎さんが優しくて優しくて、穏やかな微笑みが目に浮かぶ。
私もこんな旦那さんが欲しいな。
表紙や内容紹介とはイメージが異なるかもしれない。
独特な文体や雰囲気があった。
それもあ -
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最近多くみられる食べ物系のお話しかと思いきや、
偉大な作家の父をもつ、1人の女性作家の苦悩のお話でした。
でもでも結婚した相手が料理やおやつを作ってくれる優しい旦那様なのです。旦那様というより執事のように私には見えてしまう。
旦那様の存在がゆすらという女性の心の安らぎ場所。
父親も母親も他界してしまい、その悲しさの為か旅に出てしまった弟、
そして同じ作家として活躍する幼馴染の崇。
彼との関係も複雑。最後にはお互い笑顔になるけど。
とにかく食べるシーン以外はゆすらの一人称というか、常に自分に問い続ける感じ。
結構面白かったので、この作家さんの作品は読んでみたいと思ったけど、電子書籍が多い模 -
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親が偉大だと子どもたちは大変そう…
○○の娘(息子)というラベルを貼られてしまうから。
結婚した旦那さんはそのラベルを貼らずにそのままの自分を見てくれる。
ありのままの自分でいられる存在…
そういう存在の人と出会いたいですね。
同業者の幼馴染の登場で、何か展開に変化はあるのかな~と思いましたが、何も変わらず…
約束を守ろうとした幼馴染。
その約束は自分とのものではなく、死んだ人間とした約束…
幼馴染は生きてる自分ではなく、死んだ人間を優先した…その事実がショックだった自分…
本当に自分のことが大事だったら、生きてる自分を優先してくれるはずだと…
幼馴染も何か一言かけてれば良かったのにな…
「 -
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文筆家の主人公が結婚した相手は、主夫になった。
のんびりと、ふんわりと寄り添う二人。
そんな日常に、主人公の同業者で幼馴染がこんにちは?
地味に嫌みを言うような男は嫌だな、と思ったのですが
幼馴染と同業者にしては、何か変だな、と。
今のふんわりした状態と、過去のぎすぎすしたり
淡々としたりする過去。
何か因縁でも…と思っていたら、驚きの過去でした。
約束を守ろうとする側と、破ってくれという側。
確かに、生きている方が大事です。
選択を誤った時点で、それはもう無理なのかと。
しかし、じゃぁこの生活は? と
若干思ってしまいました。
いや、本人達が納得してるならいいですけど
背景をしると、