萱野茂のレビュー一覧

  • ハルコロ 1

    Posted by ブクログ

    本多勝一原作、石坂啓作画のアイヌの話。
    倭人と接触する前の幸せだった頃のアイヌの話。
    アイヌが自然とどの様に付き合っていたか何となく分かるように書かれている。
    ここで描かれているアイヌの様な文化はシベリアの原住民にもみられるものである。

    0
    2022年10月28日
  • アイヌ ネノアン アイヌ

    Posted by ブクログ

    北海道に住んでいながら、アイヌについて知らないことがたくさんありました。

    神様を大切にしていると聞いていたけれど、こんなにたくさんとは思わなかったし、土着的な文化や、家族や民族間の愛情も尊いものですね。

    和人よりな人間として、ごめんなさいって思いました。

    なかなか難しめだから、大人向けのアイヌ入門ってところでしょうか。あっ、こどもをあなどっているわけではなく、もちろんこどもたち向けにも良いと思います。


    ちいさな絵本や”ひだまり”さんセレクト、”10才までに読みたい、こころが豊かになる110冊”より。

    0
    2022年10月06日
  • アイヌ歳時記 ──二風谷のくらしと心

    Posted by ブクログ

    クマ送りの話、クマの獲物を横取りして襲われそうになる話、イヌを送る話など、動物が出てくる話はどれも迫力がある。
    アイヌ語での語りも随所に出てくるが、なかなかイメージが掴みにくいのでぜひ実際に聴いてみたいと思った。それと、若者が想いを寄せる相手に贈ったという手づくりのナイフ(骨に彫刻を施してあるらしい)や手甲(刺繍が施してあるらしい)も実際に見てみたい。ウポポイに行ってみたくなった。

    0
    2022年02月28日
  • ハルコロ 2

    Posted by ブクログ

    『ハルコロ(1)』の続き。

    アイヌの少女ハルコロと、美しいいとこウマカシテ、隣のコタン(村)のペケンノウ"ク"("ク"はアイヌ語仮名の小書き文字)、ペケンノウ"ク"の家で召使として働くウナヤンケ。4人の恋のもつれた糸はなかなか解きほぐせない。そんな中、ウナヤンケの父が性悪のキムンカムイ(クマ)に殺される。ペケンノウ"ク"の父もその場にいたらしいのだが・・・。
    父の仇を討とうと山に入るウナヤンケ。果たしてクマを倒せるか。

    クマ騒動が一段落したころ、ハルコロのコタンではイヨマンテの祭りがおこなわれる。イヨマンテというとよく知られるのは「クマ祭り」だが、実は対象はクマには限らない。イヨマンテは「それ(カムイ)を行かせる」の意で、動物の姿をしたカムイ(神)を「殺し」、神の国へ返すことを意味する。
    本作では、クマよりもさらに上位のカムイとされるシマフクロウ(「コタンコロカムイ」)のイヨマンテが描かれる。
    イヨマンテは「神を送る」重要な儀式だが、要は、幼いうちに捉えた動物をしばらく大切に飼い、それを殺すことである。たとえ、殺した動物が神の国に戻るのだと信じていても、実際に飼育していた者には悲しい別れの出来事でもある。シマフクロウを大事に育てていた女の子もエピソードも差しはさまれる。
    イヨマンテは、コタンの繁栄を祈る大切な祭り。何日も祝宴が開かれ、名人たちがサコロベやマッユーカラを語る。これらは口承文学の一種で、英雄や動物たちの物語を節にのせて語るもの。名人はいくつもの物語を覚え、長いものでは数昼夜にも渡って語りが続くものもあったという。アイヌは文字を持たないが、文学は文字だけではない。豊饒な語りの世界が存在していたのだ。
    イヨマンテでは、物語の途中で語るのをやめ、続きが聞きたいと思ったカムイがまたコタンを訪れてくれるように願ったという。
    盛大な祭りはまた、恋が発展するチャンスでもある。多くの若者たちが相手に想いを告げる。ハルコロやウマカシテの恋も大きな山場を迎える。

    後半は、めでたく母となったハルコロの出産、そして新天地を求めて旅立ったその息子の物語となる。
    物語の幕切れは、不穏で、和人との大きな戦の直前で終わる。コシャマインの戦い(1457年)である。
    原著者の本多勝一は、既刊の『アイヌ民族』(朝日文庫)を第一部とし、三部作として構想していたようだ。第二部はコシャマインの戦いから明治まで、第三部は明治以降、現代までである。第二部・第三部はこれまでには出版されていないようである。第一部が出てからかなり経っており、原著者が高齢であることを考えると、続編が出る可能性はあまり高くはなさそうだ。

    本作は本多の原作に沿いつつも、石坂のオリジナルの部分も2,3割はあり、というところのようだ。登場人物たちの話す言葉にさりげなくアイヌ語が差しはさまれ、生き生きとした親しみやすいストーリー展開である。肩ひじ張らずに読め、アイヌ文化の理解が深まる。巻末の解説も作品背景をより深く知る手助けとなる。

    0
    2021年11月23日
  • ハルコロ 1

    Posted by ブクログ

    本多勝一『アイヌ民族』(朝日文庫)を原作とし、萱野茂が監修についたコミック。全2巻。
    1992年に潮出版社から刊行されていたが、長らく絶版となっていたもの。2021年に岩波現代文庫として復刻された。

    アイヌの風俗を織り込みながら、大人に向かう少女の心情が少女漫画的に丁寧に描かれていく。

    舞台は600年ほど前の北海道。
    和人がやってくる前のアイヌの世界である。
    ハルコロは主人公の少女の名。「いつも食べる物がある」という意味である。
    アイヌの子は小さいうちは名を付けられない。ハルコロと呼ばれる前は、少女はオペレ(おちび)と呼ばれていた。
    名前の他にも、大人の女と認められるには「通過儀礼」がある。アイヌの大人の女性は口や手に入れ墨を施すことになっている。ある日、コタン(アイヌの村)に入れ墨名人のおばさんがやってくる。少女たちは痛みに耐えながら、入れ墨を入れる。
    そうしたアイヌの風俗は物珍しいが、一方で古今東西変わらぬのが恋。娘になったハルコロも、小さいころから知るウナヤンケに秘めた想いを抱いている。いとこで美人のウマカシテは隣のコタンのペケンノウ"ク"("ク"はアイヌ語仮名の小書き文字を示す)に夢中。実はウナヤンケは、父親と共にペケンノウ"ク"の家の召使として働いていて、何やら事情がある模様。ウナヤンケに想いを伝えたいハルコロだが、意外にもペケンノウ"ク"がハルコロに想いを寄せている。それを知ったウマカシテは、当てつけのようにウナヤンケに近づいていく・・・。さぁ、どうなる、四角関係!?

    そんなハルコロたちの暮らしと織り交ぜて、アイヌの神話や昔話が語られる。
    人間(アイヌ)たちに興味を持ち、試練を乗り越えてコタンにやってきて、さまざまなことを教えてくれたオキクルミカムイのこと。アイヌの暮らしを豊かにしようとコタンを訪れてはアイヌに撃たれ、肉や皮を与えてくれるキムンカムイ(「山の神様」=クマ)のこと。刈り取りを忘れられて「エノイラナー ウノイラナー(おれを忘れたよー)」と泣く小さな粟の実の神様のこと。
    動物の姿をしたカムイたちが「死ぬ」と、その魂は耳と耳の間に座り、アイヌたちのもてなしの饗宴を楽しむ。アイヌたちはそうして、カムイの魂を丁重に神の国へと返すのだ(この「耳と耳の間に魂が座る」という表現はなかなおもしろい。意識が脳に宿ることをアイヌたちは知っていたのか)。
    自然の恵みはカムイたちの訪れ。必要な分だけ受け取り、感謝の捧げものを忘れない。大地と共に生きるアイヌの暮らしが浮き上がる。

    0
    2021年11月22日
  • アイヌ歳時記 ──二風谷のくらしと心

    Posted by ブクログ

    アイヌの文化・思想を自身の幼少期の思い出を織り交ぜて綴っている。

    生きて四季折々の自然と共に生活し、結婚、出産、子育てを経て、死んで神の国へ行く。
    節目ごとに、今は消えてしまった風習がある事を教えられる。

    0
    2021年11月14日
  • アイヌ歳時記 ──二風谷のくらしと心

    Posted by ブクログ

    ご自身もアイヌ人でありアイヌ文化研究者としてアイヌ民族の伝統の承継と保存にご尽力された萱野茂氏の著作。戦中前後の北海道沙流郡平取町の字である二風谷の暮らしを記した歳時記である。

    アイヌ民族の習慣や生活を古き日本の牧歌的叙事詩と捉えて読んでしまっていたが、例えば85ページなど(登録フレーズ参照)、アイヌ人にとって我々は「日本人」や「倭人」という外国人であったことを明示的に指摘され、そうした文化を破壊した側の人間であることを再認識させられる。

    「そういう文化があり今も保護され伝承されている」事実を我々日本人は理解する必要がある。

    0
    2020年11月02日
  • ヤマケイ文庫 アイヌと神々の物語~炉端で聞いたウウェペケレ~

    Posted by ブクログ

    日本昔ばなしならぬアイヌ昔ばなしです
    悪いおじいさんはカムイ(神様)に殺され、良いおじいさんは幸せに暮らす
    アイヌには八百万の神以上のカムイ(神様)が存在しそうです

    この本を読んでからゴールデンカムイを観るとまた違った観方ができるかも

    0
    2025年01月17日
  • アイヌ ネノアン アイヌ

    Posted by ブクログ

    子供向けだけどアイヌの文化、歴史、和人との距離をアイヌ視点で描いた1冊
    ライトには書かれている。
    あとはユーカラや民話などサラッと読めるのにボリュームがある1冊

    0
    2023年07月15日
  • ハルコロ 2

    Posted by ブクログ

    猫が鼠を弄ぶように てっこう手甲や脚絆きゃはん カムイモシリ(神の国) イヨマンテ(神送りの儀式) ムックリ(口琴)のお礼に 伝承文学の中でも特に有名なユーカラが韻を踏みリズムとメロディを伴って演ぜられるのに対し 妊婦の尾骨を押し上げて骨盤を開いてやらねば ふじゅつ巫術 キンカムイ(熊)の子が二年も経てば親元を離れて旅立つのと同様の 一人息子パクセル(重い人)の冒険譚 かやの萱野茂 コシャマイン戦争から明治に至る侵略・迫害の四〇〇年 本田勝一かついち 口承芸術の世界 漫画が好きな人はデフォルメを承知だと思うのですが 石坂啓

    0
    2022年01月05日
  • ハルコロ 1

    Posted by ブクログ

    猟の道具_漁の道具 歓待されるたびにあの若者の踊りを楽しみました 群盗 本田勝一かついち 東北地方の各所にアイヌ語が多いことはよく知られた事実です アイヌとは人間を意味するアイヌ語です 狩猟や漁撈を主とするアイヌ社会に対して 英雄コシャマイン父子の戦死で敗北します 特に砂金のゴールドラッシュで毎年万単位の鉱夫が北海道へ渡ったようです アイヌの民族英雄シャクシャインを中心とする大蜂起は 無頼の徒 侵略以前のアイヌ社会 雄大な伝承物語 コタンの口笛 志村喬 森と湖のまつり 三國連太郎 

    0
    2021年12月28日