バスティアン・ヴィヴェスのレビュー一覧

  • 年上のひと
    子ども時代が終わること、これから大人になることを感じてしまう瞬間。そしてその酸っぱさと甘さと痛み。
    きっと誰もが思い出せるであろうあの日のことを、ダイナミックな描線で鮮やかに描いている。
    時間経過や台詞の使い方はかなり映画的でもあり、読後感が最高。
  • 年上のひと
    汚らしいエロチシズムでも野蛮なエロチシズムでもない。かといって何か高度な駆け引きがあるわけでも打算的な狡さもない。
    どこまでも透き通ったブルーを連想させるエロチシズムがすごくいい。
  • ポリーナ
    絵の上手さは言わずもがな。とにかくラストのある場面で漫画でしか出来ないさらりとした表現が一気に哀切を生む。
    個人的な体験と重ねるが、とある個性派大女優をドキュメントで撮影していた時のこと。彼女の「素の姿」を撮り終え、撮影後カメラを持たずに楽屋へ挨拶に行った。
    そこで待っていたのはカメラの前で見せてい...続きを読む
  • 塩素の味
    泳ぎ姿がこれほどちゃんと美しく描かれた芸術メディアがほかにあっただろうか。これは映画にはできない気がする。やっぱ人は静止した画が好きなんだよね。絵画とか写真の凄みってのはやっぱり,ある瞬間を捉えている点の大きさを忘れずには語れない。捕らえられたある瞬間をじっと好きなだけ見させてくれる,これは漫画って...続きを読む
  • 年上のひと
    思春期前半独特の地に足のつかないエロス。あるあると思ってしまう、だけじゃないラスト数ページで一気に「物語」へと昇華される見事さ。ポリーナも読みます。
  • ポリーナ
    フランス発のバレエ漫画ということで、興味深く手に取った。
    日本のバレエ漫画だと、読むというより見とれるという感じだけれど、味わいがあるなぁ。って感じ。
    でも、私はあまり漫画自体が得意でないから、日本の漫画のほうが好きかも〜
  • 塩素の味
    何がきっかけで恋愛が始まって、終わったのかがはっきりしない感覚が、リアルな感じです。男性が女性に感じる、何に機嫌が良くなって、何に機嫌が悪くなるかわからない不可解さ。読後感もなんとも、言葉で説明できないですけど。
  • ポリーナ
    ポジンスキー先生と主人公ポリーナのつながりは、ダンスを通じてのものだが、深い部分では師弟関係、そして父と娘の関係であり、それが物語の通低音としてひびき、感動を引きおこす。おそらく、だからポリーナの実父の姿は作中には全く現れない。山岸凉子作品をはじめとして日本のバレエマンガではあまり描かれることのない...続きを読む
  • ポリーナ
    塩素の味もそうだったが映画のようだなと思う。
    少女の半生をこのコンパクトさで描き、叙情性も損なっていない。
  • 塩素の味
    フランスの作家によるバンデシネ。セリフが少ない分、五感を刺激され、肝心っぽい言葉ほど聞けなかったりするものだから、好奇心をくすぐられたまま宙ぶらりんの状態にされる。でも、「BDはもともと、読者に積極的な参加を求めている」。人間の動きに味がある。

    “しょっぱいボーイ・ミーツ・ガール”ってなっているけ...続きを読む
  • 年上のひと
    青春×爽やかさ×エロな内容
    表紙を見て想像してた程ではなかったが充分面白かった。
    無いものねだりではあるがフランスを初めとする海外の青春時代が羨ましくなった。
  • 塩素の味
    塩素の味
    コマも含めてラフなフリーハンドな感じと、透明感ある青緑っぽい色みがとてもいい。とりあえず絵を眺めているだけでいる心地よい。ひたすらプールだけで展開されるゆるい恋愛ストーリーも、いかにもおフランスのマンガぽい。
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