ヨリス・ライエンダイクのレビュー一覧

  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    "中東、アフリカにある独裁国家に住む肌感覚やイスラエルとパレスチナの日常を知ることができる。
    1998年から2003年にかけてオランダからの特派員としてエジプト、シリア、イスラエルでジャーナリストとして過ごして記事を送り続けていた著者が、伝えきれなかった部分を補ってくれているのが本書だ。
    イスラエルとパレスチナの関係も見方ががらりと変わる。見る視点が変わることで、いろんな気づきを得ることができる。

    本書を読んで、メディアからの情報を鵜呑みにすることの怖さにも気がつく。
    情報を自由に閲覧できて、個人が発信できる日本にいると、独裁国家の日常は想像すらできない。

    様々な視点を与えてくれ

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    2018年10月21日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    オランダ人である著者が、新聞社時代に特派員として赴いたエジプトやイスラエル、イラクの取材を通じて感じた報道の実態を明らかにしている。

    報道する側やされる側、受けとる側の三者が抱える不条理が、著者の徹底した中立的な視点で語られているところが興味深い。

    イスラエルやイラクでも、ボスニアのようなPR会社が暗躍していたのだろう。財政難のパレスチナは欧米諸国のメディア戦に翻弄される、儚い存在なのだろうか。
    イスラエルやパレスチナでも「我々は和平を望んでいる」としながらも、「相手は我々を憎んでいる」と民衆は口を揃えて言うのだとか。僅かな解決の糸口はここにあるような気がする。しかし、独裁政権は身の安定こ

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    2012年12月05日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    中立な報道をするand知るためには条件があるが、それが忘れられているのか、気づいていないのか、条件なんてないと思っているのか。
    この本はそれを教えてくれる。

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    2012年09月04日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    オモシロカッタ。

    ジャーナリストって最前線にいるから、
    その他大勢には、
    どんなことが書かれてても『事実』と思って読んじゃうのだ。

    これ読むと、
    リテラシィわかんねぇよ、ってなる。

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    2012年05月30日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    「真実ってなんだ?」――本書を読み終わってまず思ったことだ。「真実」を報道するのがメディアの仕事だと思ってたから、その実態を知って驚いたし悲しくもなった。ある人が「真実を伝えなければ」と思っても、自分一人の力ではどうにもできないことがある。そうゆう人がいるかもしれないのに、できない。そうゆう人たちのことを思うと、やるせなさを感じる。

    本書で初めて知ったわけではないけれども、一つの物事に対して様々な角度からの見方があることは忘れてはならないことだろう。そうでないと、偏った見方しかできなくなるし、それでは物事の全体を理解することができない。ある意味「現実」を見ていないことになるからだ。

    とまあ

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    2014年10月08日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    なかなか文庫にならないのでハードカバーで購入。

    真実の報道などというものが、テレビや新聞の紙面に存在するというナイーヴな考えを持つ人は(2010年代も終盤の今となっては)かなり少ないと思うのだが、自分はそれでもかなり「信頼」はしているような気がする。

    本書を読み通すと、その考えが甘いことに気がつかされる。報道とは「現実をそのまま描写したもの」ではないし、仮にそのように表現できたとしても、あくまで取材者の主観や知識、先入観、宗教観、世界観などなど、その他諸々に支配された「現実」を描写しているものにどれだけ現実を伝える力があるのか、疑問しかない。

    メディア経由の現実とは、外国語のようにも感じ

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    2019年01月15日
  • なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?

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    オランダのジャーナリストによる、ロンドンの金融街シティに勤める人々へのインタビューを通じて、なぜ金融危機(2008年のリーマン・ショック)は起きたのか?悪辣なヤカラが巣くったせいじゃないのか?という疑問を検証しにかかるルポ。
    興味深いのは、著者が金融のプロフェッショナルではなく、この件に携わる中で徐々に知識を深めていくということ。読み手も共に詳しくなっていく、という構成の妙を感じました。

    最終的に著者は、シティに巣くう人種をいくつかのタイプに分類して、最も悪者に近いタイプを挙げはするものの、「金融の世界は悪意を持って悪いことに手を染める人間の集まりじゃなくて、正しいか正しくないかを自問せずシ

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    2018年01月26日
  • なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?

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    概要: たくさんの金融関係者にインタビュー; 金融業界の短期主義、高いストレス; 高給と高リスク; 売り手もリスクを理解していない; (金融システムの)空っぽのコックピット
    感想: たぶんリーマン以降また変わってると思うけど金融大変そう

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    2018年01月01日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    1998年から5年間、中東特派員として数々のニュース報道に携わったオランダ人ジャーナリストによる「報道されない真実」を赤裸々に描き出した迫真のルポタージュ。

    中東という複雑に入り組んだ歴史をもつ地域において「真実を知る」ことの難しさ、また同じ事象でも見る人の立場によって全く異なる「真実」が存在するという矛盾、さらには真実よりも虚実の方がニュースバリューが高いとみなされるジャーナリズムの構造的問題、そして何時の間にかそれらに「慣れてしまっている自分」への嫌悪感…悩み抜いた著者だからこそのユーモアを交えた語り口調に、圧倒的なリアリティを感じずにいられない。

    もちろん、本書が書かれた2006年当

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    2015年06月07日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    オランダのジャーナリストによる中東に関する報道論。
    大手新聞社の敏腕記者といえばすごいエリートかと思えば、最初はごく普通の、右も左もわからない兄ちゃんだったんだなあ。考えてみれば当たり前なのだけど。
    「独裁体制・政治とは何か」に対して、民主主義のこちら側で普通に考えてたってわからないんだ、と明瞭に述べていることに感銘を受けた。
    イスラエルとパレスチナの問題ではとくに。
    ジャーナリストだってわからない、そのことがストンと理解できる本。

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    2013年02月16日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    作者が体験を通して感じた報道が持つ危うさや矛盾。
    熱量を含んだ文章の中に誠実さがかいま見えていい本だと思う。

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    2012年08月23日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    -大学生のハゼムと雑談している時-
    「信じられませんよね?私たちの政府はどれほど警戒していなければならないか。これであなたもわかったでしょう?エジプトにはどれだけ大勢の敵がいるか。そんなこと知りたくもないですよ。最近聞いた話だと、イスラエルの若い女たちがシナイ半島の砂漠でエイズを広めてまわってるそうです」
    私はハゼムを見て思った。“私はエジプトで実際に起こっていることだけを書くべきだろうか、それとも、ここの人々が実際に起こっていると思っていることも書くべきなのだろうか?”。
    しかし、ここで振出しに戻る。信頼できる世論調査の結果を入手できなくて、どうしたら平均的なエジプト人の考えなどわかる?

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    2012年05月12日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    著者はオランダにある新聞社のアラブ諸国特派員。アラブというとどっかの国旗を燃やして強気を誇る市民戦士やアラブの春などが印象的であるが、それは極端な一面。実際の庶民の生活は独裁者にしいたげられ、極度の貧困と監視される世界に生きている。
    著者はテレビというメディアは、作り上げられた世界であり、真実の世界は何も伝えられていないことを訴える。

    もし自分が北朝鮮やシリアのような独裁政権下に生まれていたらと思うと、日本にいて何かあったときに警察などの頼れる存在があるだけで、どんなに幸せなことかと痛感するのである。(独裁政権では警察も国家の一部であり、国家に不利益な場合は助けるどころか監獄送りになる。)

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    2012年03月18日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    混沌とした何が事実で正しいのかも分からない中東情勢について語った貴重な本。日本人でこれを書ける人はなかなかいない気がする。独裁制の恐ろしさを読み如何に日本が超平和か改めて感じ入る。でも平和は皆望んでいること。利権やお金が如何に人や国家を腐敗させるか。アメリカのダークサイドな真実も知りたいと思う。

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    2012年01月09日
  • なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?

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    現代社会を文化人類学ぽくフィールドワークする方法を学べるかなと思って読んだのに、まあまあ普通に経済本だった。
    しかも取材相手はみんな匿名でランダムに現れるから、誰の話かわからない。これは翻訳の問題なのか?

    学べるところがあるとすれば、「問いをどんどん更新して立てていって、知りたいことの核心にせまっていく」という点くらいだろうか。
    あとは「漠然とでもいいから何か解き明かしたいこと(今回なら「金融危機はなぜ起こったのか」)をテーマとして常に持っておく」
    ことかな。

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    2022年05月07日
  • なぜ僕たちは金融街の人びとを嫌うのか?

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    同じ書き手として、問題の核心に迫る姿勢に、尊敬の念を抱きました。空っぽのコックピットという例えが分かりやすくよかったです。
    頭が良い人ほど、論理的に考えることができ、自分自身をも論理的に欺くことができる。一度自分の心に嘘を付くと、正当化の人生が始まる。わたしは数字を根拠に生きていきたくない。

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    2017年04月29日