渡辺尚志のレビュー一覧

  • 百姓の力 江戸時代から見える日本

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    中世から近世にかけて百姓を視座に歴史を考える。元はフィールドワーカーに向けた指南書のようだが、農本主義の下での百姓の生活が伺い知れて興味深い。「百姓」については網野善彦氏の著書で農民だけを指す言葉ではないことは既知だが、本書を読むと農民が兼業として非農業生産に携わりながらも農業を捨てない者が大半であることが分かり、言葉の由来と現状が理解できるような思いだ。農地の所有権に限っては、明治の登記法施行によって改悪されたように感じる。

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    2017年08月21日
  • 百姓の力 江戸時代から見える日本

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    江戸の農村について初めて読んだ本。

    江戸の村は想像以上に仕組みが複雑で文化的だったようだ。
    土地所有という観点からみる共同体の仕組みは現代と違っていて興味深かった。
    一方で日本の地方に根強く残る地域性や性質みたいなものは江戸時代に形作られ、現代に続くいているのだろう。

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    2022年09月15日
  • 百姓たちの江戸時代

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    江戸時代の百姓というと、米を作っても年貢に取られ、麦や雑穀を食べて、食い詰めれば娘を売って‥‥という悲惨なイメージがあるのは、子どもの頃に見た映画やテレビの時代劇の影響があるのかなと思う。今の若い人は時代劇を見ることはあまりないだろうし、学校で習うのは相変わらず武士が行った政治であり、町人文化であり、農機具の発達はちょっと習うとは思うが、具体的な百姓のイメージはないかもしれない。
    若い頃はどうしても戦国武将とか勤皇の志士みたいなのをかっこいいと思う傾向があり、そんな人々より圧倒的に多く、いなければ政治が成り立たないどころの話ではない百姓については、あまり考えない。
    しかし、この本を読んで見る

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    2020年07月23日
  • 百姓の力 江戸時代から見える日本

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    <目次>
    第1章  江戸時代の村と現代社会
    第2章  なぜ村に古文書が大量に残されたのか
    第3章  村はどのように生まれたのか
    第4章  土地は誰のものだったのか
    第5章  山野は誰のものだったのか
    第6章  年貢はどのように取られたのか
    第7章  村落共同体とは何か
    第8章  領主は村とどのように関わったのか
    第9章  村と村はどのように結び合ったのか
    第10章  村人の世界はどのように広がっていったのか
    第11章  村はどのように変わっていったのか
    おわりに  近代への展望

    <内容>
    江戸時代の農民及び村落についての基本書になるだろう。教科書で無味乾燥に書かれている村のシステムや税制など

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    2020年04月21日
  • 百姓たちの江戸時代

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    江戸時代の人口の八割は百姓身分の人々だった。
    私たちの先祖である彼らは、何を思い、どのように暮らしたのだろうか?何を食べ、何を着て、どのように働き、どのように学び、遊んだのか?
    無数の無名の人々の営みに光をあて、今を生きる私たちの生活を見つめなおす。

    [ 目次 ]
    第1章 江戸時代の家と村
    第2章 百姓たちの暮らし(貨幣経済が暮らしに浸透する;百姓の生業;百姓の日々の暮らし)
    第3章 働く百姓たち(日々の労働と経営努力;家を支える村)
    第4章 百姓の育ち・学び・遊び(江戸時代の子どもたち;江戸時代の子どもはどんな勉強をしたか;文化を楽しむ百姓たち)
    第5章 たたかう百姓たち(百

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    2011年06月05日
  • 百姓たちの江戸時代

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    対象年齢が低めのプリマー新書なので、読みやすくわかりやすい。
    江戸時代の百姓についてのことが浅く広く書かれているけれど、これだけわかりやすく書かれていれば十分かも。
    後ろに参考文献がしっかり載っているので、ここから知識を派生させることもできるだろうし、江戸の民衆についての入門書としても良書だと思う。
    日本史を専門に学んだことがない&学び始めた、という方の1冊目の本としてとてもいいんじゃないだろうか。
    時代小説を読むときの参考にもなりそう。

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    2012年03月11日
  • 百姓の力 江戸時代から見える日本

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    江戸時代の村のあり様、百姓と庄屋と領主の関係、土地の所有に関する概念、共同体として人と村の関わりなど、かなり難しそうな概念が、とても明快に書かれてあり、わかりやすかった。

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    2025年05月30日
  • 百姓たちの江戸時代

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    江戸時代の百姓は自分が思っているよりも豊かな暮らしをしていたんだなという感想。
    人と人の繋がりがあり、家を受け継いでいく使命を全うし時には学問、文化活動や遊びに興ずる。
    現代人よりも高い幸福度で一生を終えた人もいるだろう。

    子供の頃に読んだ歴史マンガは偉い人視点で描かれてて百姓はいわばモブ扱いだったから彼らの生活に着目することもなかったし、大抵貧しくて、領主や幕府に搾取され、武力に訴えた一揆を起こすというイメージしかなかった。

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    2020年09月27日
  • 百姓たちの江戸時代

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    5分の1ほど読み進めて、もういいかな。と一度置いた本だったけど、「ひなちゃんの歳時記」を読んで、やっぱり昔の暮らしが知りたい!と再度手に取ってみた。

    意外なことに、「基礎知識」がついたからかするすると読むことができ、「ひなちゃんの歳時記」で学んだことが出てきたりすると嬉しくなってより進む・・・という好循環に。

    今先進的な取り組みとして注目を集めている仕組みの前身が書かれていたり、災害時や困難時に、個人ではなく集団でいかに取り組むか、また、その際生じる問題点は何か、どういった解決策があるか―。

    「歴史家とは、逆の方向を向いた預言者である」という言葉があるけれど、まさにこれからの生き方、あり

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    2012年02月08日
  • 百姓たちの江戸時代

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    本書は江戸時代の家と村、等身大の百姓たちの暮らしを具体的に記した本である。
    百姓というと、虐げられていたイメージが強いが、安定的な経営を目指し農業だけでなく商業も含め多角経営を行っていた事がわかる。また結いなど当時の共助の仕組みは、現代においても参考となる事が多い。

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    2012年01月03日