長島有里枝のレビュー一覧

  • あなたのフェミはどこから?

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    ネタバレ

    まるで朝ドラ「虎に翼」の「はて?」というセリフのタイミングを集めたような本。
    当たり前だと思っていたのに「あれ?おかしいかも?」と気づく場面。
    様々な立場の方の寄稿が集まってて一つ一つ短い。軽そうで、全然軽くない。

    この本にはフェミニズムというテーマだが、「弱さを認めて、差別を減らして、共に生きていく社会」みたいな風潮が感じられる。弱さを見つめるために、それぞれが自分の生い立ちを話している項が多い。



    以下、ネタバレ
    ・・・・・・・・・・
    鴻巣麻里香「脱抑圧の三代記」
    p.69
    「子どもがいるんだから、そんなに無理して働くことはないんじゃないか。一度仕事のペースを落として、子育てに専念し

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    2025年09月07日
  • あなたのフェミはどこから?

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    多様な職業や様々な性自認を持つ19人が「あなたのフェミはどこから(はじまりましたか)?」の問いに対して、ナラティブに応えてくれる。個人的な生育歴や経験は多様でもどこかで共通する体験が語られ、フェミニズムとの出会いや現在の活動、到達点などを綴るリレーエッセイとなっている。1948年に定められた世界人権宣言の第1条は「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と記載され、第1条のあとに「人間は、理性と良心を授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」と続く。○国ファーストと排外主義が飛び交う今日において、人権感覚を研ぎ澄まし、ジェンダー

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    2025年07月21日
  • あなたのフェミはどこから?

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    自身がフェミニズムに対して、ちゃんとつかまえることができていないからだと思うが、わかりやすく入ってきたのは、星野概念さんと武田砂鉄さんの文章。フェミニズムだけでなく、自分とは異なる人との対峙には、必ず客観性を忘れてはならない、という点はいつも思うことだし、そうすることで少しでも中に入り込むきっかけになるかもしれないのだと改めて思い返した。適度な距離と、想像力と、それを反芻する能力が高まることでお互いがもやもやせず、もう少し前を向いて生きていけるような雰囲気が作り出せそうな気もするが、それがなかなか難しいのだよな、と改めて思ってしまった。

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    2025年06月29日
  • 去年の今日

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    初めて行った本屋さんでこの作品を見つけた
    たぶんあの本屋でなければ出会えなかった一冊
    数ヶ月経って、図らずもいちばんいいタイミングで読めた

    喪失を味わったあとの話
    涙を誘うわけではなく、日常の時間の流れや心の移ろいを、優しさよりもさりげなさで描かれてる
    私小説なんじゃないかと思うほどリアル
    愛犬との別れを思い、苦しくなった
    派手な作品ではないけど、一気に読み、すごく心に残った

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    2024年05月05日
  • 去年の今日

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    長島有里枝さんの本は、常にすごくリアルで生々しい。息子は自分の息子に重ねてしまう。そして主人公の気持ちもわかりすぎる。私は常に放っておかれたいのだけど、たまに話し相手はほしい。ただそれだけである。
    三軒茶屋のtwililightでの朗読会にも参加したんだけど、そこで驚いたのは自分が思っていた小説の世界と、全く違う世界を見ている人がいるということ(良い意味で)。やっぱり、自分に寄せてしまって読んでいるのだなあと感じた。

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    2023年12月15日
  • 去年の今日

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    『翌日』
    ペットロスの話。
    うちも高齢の子たちがほとんどだから
    考えたくないけど少し意識してしまう。

    主人公の女性は、何だか金原ひとみさんが最近描く、気が強く仕事をバリバリしている系の人に性格が似ているように感じた。

    『フィービーちゃんと僕』
    金原ひとみさんの小説に何だか似ていたから、樹木のことを女の子だと何故だか思い込んでいた。
    未土里のような女性、母親は面倒臭いなと思ってしまう。樹木は良く出来た子だな。

    『灯台と羽虫』
    これはただのペットロスの話じゃないな。
    未土里が激し過ぎる。
    樹木は良い子過ぎるし、睦は未土里以上に樹木によって人との関わりを変えていったのかも。

    『チャイとミル

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    2023年10月14日
  • あなたのフェミはどこから?

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    初めて読んだフェミ本。
    日本ではまだまだマイノリティの扱いだけど、
    私はこっち側の意見に納得できる、、

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    2025年10月07日
  • あなたのフェミはどこから?

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    フェミニズムとの付き合い方は、人によってさまざまだ。人によって千差万別のフェミニズムが存在すると言っても過言ではない。

    能町さんの寄稿が読みたくて手に取った本だが、他の方の文章も読み応えがあった。

    高嶋鈴さんの、男性の先輩とのエピソードは、よくあることだよねと思いつつ、その強烈な傷つきにもまた共感できて、世の中に蔓延る不条理を少しでもマシにするために、理論を学び、語る技術を身につけねばと、決意を新たにする彼女の姿に、自分もぼんやりしてちゃいけないなぁという気持ちにさせられた。

    人それぞれのフェミニズムだが、出会いのきっかけとして、ベル・ブックスの『フェミニズムはみんなのもの』とジュディス

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    2025年05月01日
  • 背中の記憶

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    講談社エッセイ賞受賞作ですが、これはもう短篇小説集ですね。著者は写真が本職なので、いかにも写真表現を思わせる描写もあって、ゆっくり玩味したい本です。

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    2019年04月14日
  • あなたのフェミはどこから?

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    19人各人のフェミニズムがどこから始まったのかを綴ったリレーエッセイ。

    フェミニズムが様々な差別を社会構造の問題として認識しているということを初めて知って、目からウロコの気分。

    女性と男性、マジョリティとマイノリティ、そんな対立構造や、個人としての問題と考えていたが、この本で見方が変わった。

    これまで味わった対応に理不尽だと感じても言語化できていなかったものが、フェミニズムという言葉を理解したことによって言語化できた。

    時代が変われば立場も変わる。
    誰であれ、自分が他者の権利を不当に奪っていないか?を考え続ける必要があると思う。

    もっとフェミニズムについて知りたいと思った。

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    2025年11月06日
  • あなたのフェミはどこから?

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    様々な分野の19人のフェミニストによるエッセイ。自分がフェミニズムに目覚めたきっかけについて語っています。

    はっきりとコレ!というきっかけがあるひともいれば、子どもの頃からなんとなく世界に違和感があった…という人まで、きっかけは様々だ。

    自分には理解が及ばないような苦しみからフェミニズムに辿り着いた方もいれば、自分の感覚と近くて分かる分かる!と思いながら読んだ方もいるのですが、鴻巣麻里香さんのエッセイは特に自分の感覚を言語化してくれたような感覚になりました。
    若いときは「女性として抑圧を受けているという文脈が内面化されていなかった」という鴻上さんが、子どもを産んで仕事をしているときに、子育

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    2025年09月18日
  • あなたのフェミはどこから?

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    ネタバレ

    自分の無意識さ、に気付かされた本だった。無意識とも言えるし、考えてもどうせ何も変わらないし、と諦めというか、考えようともしていなかったんなあと。フェミニズムって女性の不平等をなくそうっていうことだろうという浅い知識だけだったけれど、そうではなく、男性やあらゆるマイノリティの人も含め全ての社会の問題なんだなあと思った。男とか女とか、いろんなラベリングで人を評価したり判断せずに、ただの人間、として個人が見られる社会だったらいちばんいいけど。果たして自分はそれが出来ているか?他人を色んな物差しで測っていないか?偏見はないか?と問われたら自信がない。でもちょっと意識を持つだけでも、それだけで何か変わる

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    2025年08月23日
  • あなたのフェミはどこから?

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    自分がいかに男性優位性や家父長制を内面化してしまっているか痛感するし、違和感がある時に無理に合わせたりしない、を実践できるようになりたいと思うばかり。まだ名乗れるほど理解できていないし、世間的には「強者女性」側になりうる自覚も忘れてはならない。

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    2025年08月03日
  • 去年の今日

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    愛猫を亡くした悲しみと喪失感と再生の物語というよりは、主人公と周りの人たちとの日常を巡るお話しだった。リアルで繊細な語り口だけれど、未土里の生き方やキャラクター、他者との関わり方が狭量で自分本位に感じられて好ましく思えなくて、最後まで彼女の苦しさや戸惑いや葛藤に寄り添えなかった。

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    2025年07月19日
  • 背中の記憶

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    とてもよかった。なぜ覚えているのかというほど幼少期の出来事や心の動きが書いてあってすごい、というか読んでいて辛い。もちろん、そこまで覚えているわけはなくて、本人もあとがきで書いているように「物語」なのだと思うのだけれど、身に覚えがあって自分の思い出したくはない部分をぺたぺたと触るような感じがする。泣きそうになったりしながら早く読み終えたいと思った。

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    2024年05月12日
  • 去年の今日

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    文体が自分に馴染みにくいと感じた。句読点の置き方、言葉の抜き方、など。でも、これは私と作者の相性の問題。非難や否定ではない。

    柔らかく、優しく、淡々と、作者が「他者との関わり方」について思うことやそれについての考察を物語に散りばめている。気がした。
    家族を失くすこと、自分を咎めること、他者を恨んでしまうこと。その上で、残されたこれからを一緒に生きていく他者をどのような形で慮るのか、尊重するのか、言葉を伝え合うのか。

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    2024年04月19日
  • 去年の今日

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    P76 まわりの人をケアすること、苛ついてるときの男の人がこわいこと、1人でいたい時に普通のトーンで言葉にするか態度に出すか

    愛犬PBがなくなった日から翌年まで

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    2023年10月18日
  • 背中の記憶

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    いちばんになりなさいという祖母の言葉は、女だからといって誰かの陰になって生きることはないという彼女らしい思いを、子どもに分かるように言い換えたものだったかもしれない。

    長島さんの主に幼少期の記憶が、驚くべきディティールで語られる一冊。いろんな人が出てくるけど、これはやはり女たち(祖母、母
    そして長島さん)の物語だとおもった。

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    2021年09月12日