中西孝樹のレビュー一覧
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EVで車体が重くなりタイヤの摩耗が激しいとか、そもそも価格が高すぎるとか、ガソリンの匂いが好きだとか。中々普及しないEV。日本にはハイブリッドがあるし、それがベストではという意見もあるが。トヨタは、マルチパスウェイ戦略。全方位で攻めていくという事だ。吉凶どうなるやら。
日本では2035年乗用車を100%電動化(ハイブリッド車を含む)、商用車は2040年までにカーボンニュートラル燃料を含めて100%電動化を目指す。リーマンショックが自動車業界に齎した3つの構造変化①需要構造が新興国に変わるパラダイムシフト②設計標準化、部品共通化による差別化要素の縮小とそれによるコスト競争激化③グローバルなサプ -
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昔、日本の自動車産業の強さは『擦り合わせ』にあると藤本隆宏氏が書いていた(書名は覚えていない)。その強さでは勝てない時代が訪れたことを知らされる一冊。
本書が指摘するようにEVの是非論(EVだけで脱炭素が達成されるわけではない云々)は意味がなく、世界のルールが、EVオンリーに変わってしまっている。EV対応にしくじればトヨタをはじめ日本の自動車産業は総崩れになることを本書は明らかにしている。第7章「テスラの野望」を読むと、イーロン・マスクは恐ろしい異才でトヨタを捻じ伏せる力を持っている、と震撼する。
日本の自動車産業の現状を知るには良い一冊だと思う。ただ、業界知識がないと専門用語が多いので辛 -
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コロナが自動車業界に与えた大きなインパクト。
これによって、自動車業界は今後どう変わっていくのか?主に自動車メーカーの観点から綴った内容。
一口にコロナの影響と言っても、業界によって異なるし、会社によっても異なっているのであるが、
殊自動車業界においては、これまでの延長線上の流れにいるのは変わらないまでも、
その変化のスピードが極度に増したのであることがよく理解できた。
中国に過度に傾倒していたサプライチェーンの問題しかり、
各国・各市における公共交通機関とのバランスしかり、コロナによって多く変化ももたらされた。
自動車業界に身を置く我々が考えておかねばならないことは、こうした流れの変化の中 -
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個人的には、CASEはMaaSの一要素だと考えている。
Connected(繋がる)
Autonomous(自動化)
Shared & Service(シェア&サービス)
Electric(電動化)
間違いなく、クルマの目指すモノづくりはCASEになっていくのだが、MaaSの世界から見るとCASEはモビリティの一要素でしかないようだ。
つまり、運ぶのは何でもいい。
それこそ、CASEすっ飛ばしてドローンになる可能性もゼロではない。
但し、現状一番実現可能性が高いのがCASEというだけの話であって。
やはり、最終勝者はMaaSのプラットフォームだと思うのだが、そ -
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自動車産業、そしてモビリティーサービスの未来を分析・考察していて、CASEやMaasといった最新の概念のことがよく分かる。欧州の将来の規制方針などを見ると電気自動車が大半になるかのようなイメージを受けるが、実際にはそれほどEVが普及しないという予測も説得的だ。
様々な未知の、あるいは目新しい概念が色々と出てきて、それを略号化して、その後は当然のようにその略号を繰り返し記載しているが、少し間が開いてから出てくる略号は、それが何だったのか思い出せなかったりする。自動車業界の人やモビリティーの将来を真剣に考えている人には当然の前提としても、一般読者向けには、もう少し工夫が必要な気がする。また、誤字や -
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著者は自動車業界アナリスト。世界を席巻する2大企業トヨタとVWを分析する。両者は得意とする地域がかぶっていない。例えばトヨタは米国市場で強いのに対しVWは中国・欧州で強い。トヨタはプリウスに代表されるハイブリッドに注力するのに際し、プラグインハイブリッドに力を注ぐ。トヨタはトヨタ・レクサスを自前で育てるのに対して、VWはランボルギーニ、ポルシェ、VW、ドゥカティなど買収戦略...etc.
読んだ鮮度がよくないのだが、本書の刊行は2013年。2018年の今ではコネクテッドカーやら自動運転が蔓延っている。色々なプレーヤーと素早く手を繋ぐ調整能力がこれからの自動車業界の鍵になりそうな気がする。素人の