暮沢剛巳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美術評論家の暮沢剛巳(1966-)による21世紀初頭の博物館・美術館事情を論じたもの。
東京国立博物館や日本民藝館といった歴史ある博物館から、国立新美術館、森美術館、金沢21世紀美術館などの新鋭美術館まで、それぞれが背負い目指す文化的使命は異なる。(当たり前だが)
評者は美術については全くの門外漢なので、著者の主張が的を射ているものかどうかはわからないが、冒頭で提示された欧米に比して日本の博物館・美術館の集客力の低さという点は納得できる。
また、箱(建物)だけで中身(美術品)を伴わない、新国立美術館への言及はなるほどと思わされた。
しかし、一方で著者が啓蒙を呼びかけたい「現代美術」や「情 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
国立新美術館をはじめとする美術館の建設ラッシュは、何を意味しているのか。
明治期以降の美術館の歴史的展開をひもときながら、思想としての日本民藝館、ミュージアムパーク=上野公園の記憶と美術、近代史の矛盾を抱える遊就館、80年代文化の象徴であるセゾン美術館、地方都市の地域文化と美術館の関係性、指定管理者制度をはじめとする美術館経営などの具体的な問題群を取り上げて、文化装置としての美術館をめぐるさまざまな政治的力学を解明する。
美術館という“場”を批評的に読み解き、マルチカルチュラリズムやグローバリゼーションをも議論の俎上に載せてその可能性に光を当てて、縦横無尽に美術館を語り思考するミ