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突然、殺された家族は二度と戻ってこない――命は大事、だから死刑! 被害者を見捨ててきた日本の刑事司法。死刑廃止国で横行する警察の現場射殺。 「弁護士はみな死刑反対」と考えるのは大間違い! 被害者遺族の悲観と刑事裁判の理不尽さを知悉する弁護士らが、一般的な感覚から乖離する死刑反対派の欺瞞、死刑廃止国が行っている現場射殺の実態など、知られざる事実をここに“告発”する。
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Posted by ブクログ
死刑賛成弁護士。犯罪被害者支援弁護士フォーラムの著書。声高らかに死刑反対死刑廃止を主張する弁護士は多い。弁護士は死刑反対死刑廃止を主張していると勘違いしてしまいがちだけれど実際はそうではないし、数ある弁護士のすべてがそういった死刑反対死刑廃止を主張する人権派弁護士ではない。加害者の人権や心情よりも被...続きを読む害者や被害者遺族の人権や心情を大事にすべきと考えいている弁護士だって少なくない。死刑賛成を主張する弁護士からするとすべての弁護士が死刑反対死刑廃止を主張していると思われるのは迷惑千万な話なのかもしれない。
この本を読んで尚死刑廃止論者の反論を 知りたい。 日本において死刑制度は必要であるとの 確信をますます強めた。
弁護士って凄く大変なお仕事だと改めて感じた本。というのも内心、「こんな奴は死刑になって当然。」って感じる極悪人の弁護をする可能性が有り、その被告に対し最善を尽くす義務がある事。最近、とんでもない極悪犯罪者が死刑ではなく無期懲役になってしまうという事が続いていたのですが、なんでそんな判決になってしまっ...続きを読むたのかの理由の概要が判る本でもあります。 ヨーロッパを中心に死刑廃止国が多いですが、凶悪犯罪が発生した際、犯人の身柄を拘束する事を最優先とせず、その場で射殺してしまう偽善や被害者の命より加害者の命が優先されている様な腐った司法について痛烈に批判されている事は正に痛快!っと同時に被害者の親族の手紙については、読んでいる間、泣きそうになってしまいました。。。はっきり申し上げます。私は死刑賛成です!
深く考えさせられましたし大変勉強になりました。賛成か反対という単純な構造ではない難しい問題ですね。被害者遺族の心情が痛烈に心に刺さります。
死刑制度反対であろうと賛成であろうと、互いの意見を聞くことが大切であり、反対派の人にはとりあえず読んでもらいたいと思った。
うーん。 考え込んでしまう。 これでも法学部生の端くれだったので、日本の被害者が出てこないことは理解していた。刑法が守るものは、社会秩序であり、正義だと。 だから、被害者感情はわかるが、社会が守るべき法益を考えれば、必ずしもそれは最優先されるものではないと思っていた。 程度問題だが。 被害者参...続きを読む加制度も、故に、違和感はあった。 しっかりと考えてもこなかったんだけど。 若い頃は、明確に、死刑反対派だった。 が。 被害者は、裁判において、当事者ではなく、ただの証拠だった、という記述にハッとする。 そういうことだったのか。 勿論、身内が殺されて、社会正義だから、諦めようね、なんて納得する人はいないし、この一文書いてて矛盾することもわかる。 被害者の「回復」のためには、死刑しかないという主張も。 しかし、それでも、国が守るべき正義が果たしてそれで実現できるのかは、分からない。 むしろ、もっとガンガン議論すべき話なのだ。 ただ、いわゆる人権派という胡散臭い奴らと、日弁連という活動家組織の主張は明らかに歪んでいる。 永山基準も、今の日本にはそのまま当てはまらない。少年法も歪みが大きい。 なんだか、憲法9条改正議論とダブって来ちゃったよ。 議論させないことが正義ということだけは間違っている。
日弁連は死刑反対だが個々の弁護士には賛成論者もいる。VS フォーラムのメンバーによる犯罪被害者支援からの視点による死刑賛成論。 犯罪の加害者の人権ばかりが守られ尊い命を奪われた被害者とその家族の意見が考慮されることはほぼない。三人殺せば死刑、といったような基準。覚せい剤使用自体は悪いが覚せい剤の影...続きを読む響で殺人を犯しても酌量される。裁判員裁判による死刑判決があっさりと覆される例など、法曹界は世間一般の考え方とはズレている。 そもそも強制加入の必要な日弁連が、加入者により多くの意見のある事案に高圧的に意見を決めてしまうところも闇を感じる。 終章の犯罪被害者の家族の手紙が心を打つ。
被害者遺族の心情を思うと、本当につらい。 自分が被害者遺族の立場だったらやはり死刑を望むのかもしれない。 日本の刑事司法が加害者中心で、被害者に寄り添っていないもの確か。 でも、そのうえでたとえ偽善だといわれても、私は死刑制度には反対です。 ただし、きちんと議論し考え改善してゆく問題だと思っているけ...続きを読むれど。 死刑賛成の方々の意見を知れたのはよかった。より深く考えてみるきっかけになった。
「葬儀屋さんから「美咲ちゃんはお父さんがどうぞ」と言われ、私が抱きかかえて棺に入れました。・・・父親として抱っこしてあげられるのはこれが最後だと思うと、棺におろしたくない! このまま時間が止まってくれたら! という気持ちでした。・・・美咲を抱えたまま、私は泣きました。」 「(死体安置所で対面した)...続きを読む娘は、顔に何か所も青あざが広がっておりパンパンにむくんでいました。眉間や左頬、顎には傷があり、バリバリに固まった髪の毛は大量の出血を連想させました。・・・そんな娘の顔を見て、強く抱きしめると痛いのではないかと思い、そっとなでてあげることしかできませんでした。」 これは、凶悪犯罪により愛する家族を失った遺族たちが綴った手記の一節で、本書からの引用です。これらのシーンを想像すると、こみあげてくるものがあります。 ではこれらの人々を殺めた犯人はと言うと、裁判で「ドラえもんがいると思った」 「(死姦した理由を)死者を生き返らせる儀式だった」と証言したり、刑確定後に「悪いことはばれなきゃいいという気持ちは変わらない」と発言するような人間たちです。 そして彼らは検察側の死刑の求刑に対し、無期懲役判決を「勝ち取り」ました。 死刑とは、残虐な手口で人を殺め、更生の見込みもなければ生きる価値もない人間のクズに対してくだされる「この世からの退場命令」です。 ただ、世間の常識からすると360度見まわしても人間のクズとしか思えない犯罪者であっても死刑判決が下されるのは極めて稀です。 (統計的には殺人事件300件に対して死刑は2件あるかどうか、という数です。) 本書では死刑制度に賛成の立場をとる弁護士たちが、制度存在の必要性や妥当性を様々な観点から説明し、加えて死刑判断の基準をもっと緩和すべきとさえ説きます。 前半部分は実質的な死刑の判断基準である「永山基準」や、これに盲目的に従う(事なかれ主義的な)裁判官に対する問題指摘、また死刑反対論者たちが提示する主だった理屈への論駁が展開されます。 後半では、結果的に死刑を回避できた犯罪者たちがいかなる所業を犯したのかの詳細と、これら人間のクズたちによって家族を奪われた遺族たちの悲痛な訴えが、手記の形で紹介されます。 つまり左脳と右脳の両面から死刑制度存置の妥当性と、基準緩和の必要性が訴えかけられる構成です。 考えてみると弁護士が「死刑賛成」の立場とその理由を闡明すること自体が異例ではないでしょうか。弁護士というと人権擁護のために遮二無二活動する印象がありますから。 読んでみると 「生きて償わせる」というのは耳ざわりのいい言葉です。 被告人は・・・「家族のために更生することを誓います」と ”しおらしく” 宣言します。 その時は本当にそう思っているのでしょう。おいしいご飯を食べたいでしょうし、自由に友達とも会いたいでしょうから。 弁護士は内心「またやるだろうな」と思っています。 などなど、「本当に弁護士なのか!?」とびっくりするほど率直なコメントがてんこ盛りで、ある意味痛快です。 しかし本書の執筆に携わった弁護士たちは、本書でも紹介されるような凶悪犯罪をつまびらかにしたり、実際に遺族たちと交流することを通して「命は大事、だから死刑」の結論に至ったのでした。そこに生半可な覚悟はありません。 一方で死刑反対論者たちの理屈にはきれいごとが並びます。本書ではそのことごとくが論駁されているのですが、彼らの理屈からは「自分は目の前の連中よりも高尚なことを語っている」といった自己満足や増上慢な態度が透けて見えます。 面白いのは 「死刑に対する宗教界の見解は?」の項です。 仏教界は死刑に対して明確なスタンスを提示しているわけではありませんが、「不殺生の教えと矛盾する」という見解のみは出しているようです。 そこで本書の執筆弁護士の一人は町中のお坊さんに質問して回ります。 「もし殺人事件の被害者の葬式を挙げているときに、被害者遺族が、被告人には死刑になってもらいたいと思っていると言われたらどう答えますか?『死刑はダメですよ、被告人に死刑を望んではいけない』と面と向かって説教できますか?」 「もし貴方の愛するご家族が殺人で殺された場合、貴方はどう思いますか。殺したいと思わないですか?」 するとお坊さんらは一様に押し黙り、これらにはっきりと答えられないそうです。つまりいくら日頃高尚な話を説いている人間であっても、当事者の立場に降ってくれば、生身の人間として率直に感覚せざるを得ないということでしょう。 本書では「きれいごと」ではすまされない犯罪被害の生々しい実態に触れており、いろいろと考えさせられます。 また死刑を巡る論点や法制度の沿革などにも触れられており、非常に参考になります。 そして被害者遺族たちの言葉は心に刺さります。 死刑制度について興味のある方は是非読んでほしい一冊です。
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