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図書委員の智沙都は、ある日図書室で幼馴染の裕司が本を読む姿を目にする。彼は智沙都にとって、初恋のひと。でも、ある出来事をきっかけに少しずつ距離が生まれ、疎遠になっていた。内向的で本が好きな智沙都とは反対に、いつも友達と外で遊ぶ彼が、ひとり静かに読書する姿は意外だった。智沙都は、裕司が読んでいた本が気になり手にとると、そこには彼のある秘密が隠されていて――。誰かをこんなにも愛おしく大切に想う気持ち。図書室を舞台に繰り広げられる、瑞々しい“恋のはじまり”を描いた全3話。
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Posted by ブクログ
全3作からなる或る学校の図書室を巡った恋愛物語。 つい先日も図書室をメインにした本を読んだけど、この本は短いお話だからこそ続きを推測できるのも面白かった。
2話目が一番好きだけど、3話目の2人の今後も気になる。続編も書いてほしいし、他の小説も読んでみたいけど、「小説投稿サイト「小説家になろう」では別の名前で活動しています。」。。ペンネームも教えてほしいんですけど。。
図書委員の智沙都は、ある日図書室で幼馴染の裕司が本を読む姿を目にする。彼は智沙都にとって、初恋のひと。でも、ある出来事をきっかけに少しずつ距離が生まれ、疎遠になっていた。内向的で本が好きな智沙都とは反対に、いつも友達と外で遊ぶ彼が、ひとり静かに読書する姿は意外だった。智沙都は、裕司が読んでいた本が気...続きを読むになり手にとると、そこには彼のある秘密が隠されていて―。誰かをこんなにも愛おしく大切に想う気持ち。図書室を舞台に繰り広げられる、瑞々しい“恋のはじまり”を描いた全3話。 高校生たちの初々しい片思い物語。 図書室で出会ったことをきっかけに、少しのすれ違いと誤解をしながら、相手への想いを募らせている彼ら彼女らが眩しい。 恋する一歩前のドキドキを思い出させてくれるお話だった。
短編集。3編収録。 それぞれの話は独立しているが,世界観(というか,舞台となっている学校)が同じで,3話目の物語の中では,2話目の主人公カップルの話も登場したりしている。 裏表紙に書いてあった紹介文(ウラスジ)を読んで,幼馴染の恋愛ものなのかな? それなら好きだから読んでみるかと思って,気軽に手...続きを読むに取ったのだけど,短編集なので幼馴染なのは最初の短編のカップルだけだったというね笑(まあネタバレになることを書けば,3個目の話も再会型幼馴染ものではあるのだけど,要素としては薄め。) そしてそれ以上に驚いたのが,恋愛ものなのかなと思っていたら,ガッツリとした恋愛中心の物語というよりは,どちらかと言うとヒューマンドラマというか,人生における諸々の悩みごとの方に重きが置かれた内容だったことだった。 個人的には恋愛中心の話よりも,むしろ重みがある人生や人間関係における苦悩や葛藤がみられる作品の方が好きなので,嬉しい誤算というか,思わぬ収穫でありがたかったのだけどね。 (恋愛にまつわる悩みや心理描写は大好きなのだけど,やれ惚れた腫れただの,誤解によるすれ違いだの,デート風景の描写とかは,行き過ぎたりそればかりがずっと続くと食傷気味に感じてしまう人間なので…。) 文体としてはあまり砕けすぎておらず,インターネット小説発のライトノベルという印象からすると,だいぶしっかりとしていて,個人的にはライトノベルにおける口語体の文章は読みにくいことが多いので,非常にありがたく,好みに刺さる文体だと感じられた。 3編の中では,最初の話は認知症という重いテーマであるがゆえに,扱いが難しかったのか,若干踏み込みが浅く,物足りない印象だったが,残り2編はどちらも違った読み口ながら,爽やかな青春に彩られた空気が感じられて,楽しく読めたと思う。 特に3編中,最もページ数が多く割かれているだけあって,2話目の「ハックルベリイとわたし」は,恋愛面の成り行きと吹奏楽部における人間関係のいざこざという問題への解決が交錯して描かれていて,続きが気になって逸る気持ちを抑えきれなく感じるくらいに,たいへん面白かった。 アスレチック公園のデートシーンもとても活き活きとして描かれており,こんな青春を送ってみたかったなあと羨ましさを覚えるくらい,魅力的に感じられた。 3話目の「春の日の魔法」は,打って変わって落ち着いたテイストで大人びた雰囲気が魅力的だった。 最後の話が卒業式の日の話であるというのも,この本1冊を通して辿ってきた,高校生活という旅路に対する感傷を覚えて,心の内に感慨深い想いが湧き上がってくるのを感じた。 ヒロインもミステリアスで,大人びた魅力を感じさせる子で,個人的には3編の中で1番好みに合致するヒロイン像だったなと思う。 (3話目だけが男性の主人公による視点から描かれているので,恋愛感情に対して共感しやすかったという面も大きかったとは思うが。) 作者の虹月一兎先生は,調べたところどうやら今作以降本を出すことができていないようだったけど,個人的に文体が気持ち良く読める希少な作家さんなので,どうにか頑張ってまた新しい作品を世に送り出してもらえたらなあと思う。 虹月一兎先生,読んでいる間の時間,まるで青春時代に戻ったかのように,大変楽しませていただきました。 素晴らしい作品をありがとうございました。
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虹月一兎
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