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Posted by ブクログ
茶の湯は文芸と密接な繋がりを持っており、『山上宗二記』で武野紹鷗が三条西実隆から『詠歌大概』の序を聞いて茶の湯を分別したとあることや、心敬の「枯れかじけて寒かれ」も茶の湯の果てはそれのごとく成りたきと言っていたとあることからうかがえる。
正岡子規が病床で会席をもてなされた話、夏目漱石がどうも稽古をかじって懲りてたように見える小説の記述、谷崎潤一郎の陰翳礼讃、川端康成の講演と千羽鶴、板倉重宗がまとめさせた安楽庵策伝の醒睡笑、連歌師牡丹花肖柏の狂歌「我が仏隣の宝婿舅天下のいくさ人の善し悪し」、浪人が書いた『可笑記』での宝くらべ批判と宗旦の「茶の湯とはよい茶よい酒菜一つ飯やはらかに合口の友」という歌、光悦甥っ子灰屋紹益の吉野大夫とのエピソードやにぎはひ草で亭主の所作で大切なのは第一に炭と花とか茶の湯で大切なのは第一に心、次が目とか。他にも井原西鶴、松尾芭蕉の西行、宗祇、雪舟、利休と並べて貫道する物は一とか、与謝蕪村、川上不白、狂言の通円、浄瑠璃などなど。茶人つれづれ草は読んでみたい。
Posted by ブクログ
純文学や江戸の浮世草子、俳句や古典芸能の中から直接および間接的に茶の湯が扱われている箇所を取り上げ、筆者が考察してゆく。
必ずしも茶人ではない立場から描かれる茶の湯の姿は、おそらく茶の湯に傾倒する者が描くよりもより冷静で客観的なものとなろう。筆者も、茶人が描くものは茶の湯を賛称するものばかりであり、むしろ、茶の湯にいい印象を抱いていない者の言葉の方が、茶の湯の発展にはいいのだという。
しかし、やはり作家の表現力はすごい。夏目漱石の草枕における「羊羹」の描写は秀逸。「余はすべての菓子のうちでもっとも羊羹が好きだ。別段食いたくはないが、あの肌合いが滑らかに、緻密に、しかも半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ。ことに青みを帯びた練り上げ方は、玉と蝋石の雑種の様で、」とは、何と美しく精緻な表現か。
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