同意 女性解放の思想の系譜をたどって

ジュヌヴィエーヴ・フレス / 石田久仁子

性暴力の証明、イスラムのスカーフ着用、セックス・ワークや人身売買、そして結婚と離婚など、多様な場面で使われる〈同意〉。しかし、ひとたび〈同意〉について考えはじめると、わたしたちは他者との関係性の糸が織りなす世界に迷い込む。

本書は自由と平等の地平を切り開き、これまで顧みられなかった性差の思想史をたどる。フェミニズム哲学への新たな入口。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 学術・語学 / 哲学・宗教・心理
• 出版社: 明石書店
• ページ数: 192ページ
• 電子版発売日: 2025年09月30日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 2MB

[ブクログ · ★★★★☆]

売春業の是非やムスリム女性のスカーフ着用の是非など、近年多くの社会問題において、何らかの正当化根拠となっている「同意」という概念の歴史を解きほぐす試み。著者は、結婚制度の歴史、とりわけ離婚の権利というものが主張されることになって以降の歴史、社会契約という近代の政治的概念、20世紀末以降の同意の政治化の歴史、以上の三つの歴史から、同意概念の問題を見ていく。結論として著者は、同意を政治的な論拠とすることはありえないとするが、むしろ原書に新たに追加された「エピローグ」における、同意を拒否した人々の系譜にこそ、著者が未来を見出しているように思われる。