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【知的好奇心を満たす一冊。次々とパズルが解けていくような面白さ!】
昔から「知るは楽しみなり」と言い、教養を身に付ける事は人生を豊かにし、より楽しいものにしてくれるとされてきました。その中でも王道中の王道のひとつが名画鑑賞でしょう。
名画には、美しさを鑑賞するという楽しみだけでなく、教養人の知的楽しみという側面があります。作品の背後にある物語を知り、約束事を把握することで、あたかも物語を読むように名画を読み解くのです。
例えば、現代の日本人であれば「イヌ、サル、キジを連れている男の子」を見れば桃太郎だと分かるように、西洋絵画にも「これが一緒に描かれていたらこの人物!」というお約束があります。白い百合とともに描かれた女性は「聖母マリア」、鷲や雷とともに描かれた男性は「ゼウス」、月桂樹の冠と竪琴なら「アポロン」といった具合です。
同様に、描かれているモノや配置によって、その絵がどんな物語の何のシーンを表しているのか、なども分かります。
例えば、宗教画において聖女は多く登場しますが、その女性が赤い服に青いマントを羽織っていたら、それは聖母マリアを表しています。そこに白い百合が描かれ、天使がお告げをしているようなシーンだと、その絵は「受胎告知」の場面を描いたもので、天使はガブリエルだと特定できるのです。
このような知識とともに名画を鑑賞することで、ただ漫然と眺めているときの「本物のようにリアルな絵だなぁ」「色が鮮やかだなぁ」といった単純な感想ではなく、「この人物は聖母マリアだから、このシーンは・・・」「これが配置されているということは・・・」というように、絵の中に込められたメッセージを探し、それを読み解くという、知的楽しみを味わえるようになります。
本書では、西洋美術史の解説を縦軸に、それぞれの名画が描かれた時代の教養を横軸に構成することで、大人の教養としての名画を総合的にしっかりと理解できるようになっています。
西洋美術史や名画に興味がある方はもちろん、大人としての教養を身に着けたいすべての方に楽しんでいただける一冊です。
〈本書の内容〉
第1章 歴史から読み解く
第2章 聖書から読み解く
第3章 神話から読み解く
第4章 名画に込められた意味を読み解く
Posted by ブクログ 2023年09月16日
初歩的な感想になってしまうが、西洋の美術はギリシャ神話やキリスト教(聖書)なしには語れないのがよくわかった。
昔の人々が、なんかよくわからないものをわかるようにしよう、という試みからフィクションが誕生し、現代にまでそのエピソードが残ってるという事実が既にすごい。
もちろん今みたいなデジタルなものはな...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月30日
西洋絵画の歴史を概説し、キリスト教の宗教画やギリシア神話のシンボル・アトリビュートをエピソードを交えつつ解説し、実際に絵画を読み解いてみるという構成。
他の章は気にならなかったものの、ギリシア神話の章は前提知識が無いとちょっと読み進めるのが辛いかもしれない。
絵画は「読む」ものであるという意識と価値...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月27日
西洋美術の鑑賞の仕方なんてサッパリだったけど、なるほど、こうして観るのか、と鑑賞の仕方を説明してくれた本書に感謝。アトリビュート、シンボルの説明や神話や宗教の説明は正直ありがたかった。
ただこれらを美術館で実際に鑑賞出来るかは難しい。きちんと教養を身につけていくか解説がないと難しいだろうな、とも思う...続きを読む
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