初心生涯：私の履歴書

鈴木忠志

はじめての回顧録
共棲のためのエッセイ

「初心とは初めに物事を決めた時の気持ちや意志を持続することではない。時々の初心、どんな状況にあってもどんな年齢になっても、その時々を初々しく新鮮に生きる境地のことである。」（本書第三部より）
日経新聞連載で反響を呼んだ「私の履歴書」をもとに刊行する、三部構成の自伝エッセイ集（第一部「私の履歴書」、第二部「私の随考録」、第三部「私の人生観」）。
静岡県は清水の材木商の家に生まれ、広沢虎造の浪曲を唸る父親、徳川家で奉公していたという母親、義太夫語りの祖父のもとで育った──幼少期や学生時代の逸話をはじめ、演劇人としての活躍はもちろん、政財界人との関わり等が、貴重な写真とともに語られてゆく。
大自然の気候変動の渦中を「初心の人生」をめざして劇的に生きてきた、世界的な演出家による、はじめての回顧録だ。そしてそれはすなわち、世界の涯てから公共性を拓き、昭和・平成・令和をつらぬいてきた、日本の「劇場文化史」でもある。秘蔵写真・決定版年譜も収録。人間の共棲のためのエッセイ。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: エッセイ・紀行 / エッセイ
• 出版社: 白水社
• ページ数: 278ページ
• 電子版発売日: 2025年08月22日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 15MB

[ブクログ · ★★★★★]

鈴木先生と旅をご一緒させて頂いたような読後感。尊敬しかない。本書は日経新聞誌上で連載されていた「私の履歴書」の再録、そこにblogの文章を加えたものということで、ファンからすれば読んだことのある文章も多いのだが、何であれこういう形にまとめて頂けてありがたい。