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乱世を生きた知識人・慈円の書いた『愚管抄』は、「武者の世」への転換期の、歴史の道理を明らめようとした歴史理論書とされてきた。しかしこの書物がふりまわす「道理」は融通無碍に過ぎ、なんらかの原理であるには堪えない。語られているのは歴史理論ではなく、藤原氏九条家の一員にして天台座主が信奉する政治理念であり、その目の前での崩落の様、敗北の政治思想である。『叛乱論』の著者が慈円『愚管抄』にもう一つの政治を読み取る!
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Posted by ブクログ
アマテラスと藤原の祖神の約諾の元に、天皇とそれを補佐する摂?の臣の摂関家が君臣水魚の関係を理想とし、それを歴史上に正当化するため陽成天皇や菅原道真の件も強引に解釈する慈円の『愚管抄』。その理念が武士の世になるに及んで崩壊するにあたって慈円の繰言は所詮貴族社会のそれも天皇と摂関家の周囲(これが彼の用語...続きを読む「世の中」の意味)の権力争いに対する関心でしかない。
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長崎浩
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