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父の影響で声楽家を志す音大生の望月智基は突然、目標としていた尊敬する父を事故で亡くしてしまう。次のコンクールに向けた練習で壁にぶつかっていた智基は、それ以来スランプに陥ってしまった。
ある日智基は気分転換にと、父に連れていってもらった宮神山の志乃川渓流を訪れる。幼い頃に二人で溺れかけて以来足を運ぶことはなくなっていたが、父と共に過ごし、声楽を好きになった思い出のある場所だ。そこで父がくれた歌を口ずさんでいた智基だが、突如「志乃川を司る神だ」と名乗る龍に出会う。自然と共に生きてきたその龍は、人間がどのような生き物か、共に生きていく価値があるかを知りたいと、溺れた幼い智基の命を救った対価に同居生活を申し込む。
“志乃”と名を付けた、世間知らずな龍神様に最初のうちは振り回されてばかりいたが、次第に志乃の純粋で真摯な姿に智基の心は奪われていき…?
穏やかに一気に読めました。
匿名 2023年10月03日
声楽の全国大会を目前に自分の歌唱に悩む青年と、何千年も山の奥で一人で生きてきた川の神様が知る初めての愛の物語で、終始穏やかに過ぎました。嫉妬や危険や事件がないので物足りなく思う人もいるかもしれませんが私はハラハラしながら読むよりもこういう穏やかに交流していく話の方が好きです。今後二人はどうやって生活...続きを読む
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