タイポグラフィ・ブギー・バック

タイポグラフィ・ブギー・バック

ビジネス・実用
2,277円 (税込)

11pt

4.2

活版や写植からデジタルフォントへ、文字印刷が急激な変化を遂げた平成の30年間。雑誌、マンガ、CD、テレビ……多様なメディアの書体の変遷から時代を読み解く。

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タイポグラフィ・ブギー・バック のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「私たちは無意識のうちに、文字に響く心臓の鼓動を感じとっている。」

    この世界にある文字には、きっと誰かの意図があってフォントが選ばれている。
    同じ文章でも、フォントが違えば、印象も届き方も全く変わるのが本当に不思議。
    その奥深さに心を揺さぶられます。

    著者・正木香子さんのフォントや印刷への情熱と知識が本当に素晴らしく、すごい!
    活版印刷、写植、DTPの歴史、それぞれの時代のフォントの特徴、同じ明朝体やゴシック体でも無数にある違い。

    〈見出ゴMB31〉と〈こぶりなゴシック〉の違いや〈ゴナ〉と〈新ゴ〉の違い‥
    全然わからない。
    でも、その違いを見分け、言葉にできることに驚かされます。

    雑誌、マンガ、書籍、CD、広告‥
    世の中に出る文字のひとつひとつは、誰か考え、選び、届けていると思うと、なんだか胸が熱くなります。

    「うさこちゃんの絵本」では、作品のためにオリジナル書体〈ウサコズフォント〉が開発されたという話にも胸キュン。

    この本を読んでからフォントが気になって、家中の本を開いては「これはどんなフォントだろう?」とチェックして、感心したり作り手に思いを馳せる毎日。

    そして思うこと。
    本の奥付には、本文の使用フォントを記して欲しい!
    気になって仕方がない。

    0
    2026年07月23日

    Posted by ブクログ

    読んだことのある作品で使われているフォントについての解説が多くて面白かった そのフォントでなくてもいいだろうけど、与える印象はかなり違うなーと

    0
    2026年08月20日

    Posted by ブクログ

    平成とは、書体の主戦場が写植からDTPへと移行する文字にとって激動の時代だった。CDのジャケットや歌詞カード、マンガ、雑誌などのフォントに着目し、独自の切り口で平成を捉えるポップカルチャー論。


    軽い感じの本だけどかなり面白かった。いまは使われなくなってしまった書体の話はもちろんのこと、写植で人気だった新しい書体といち早くDTP対応した古い書体の入り混じる平成初期らしさだとか、テキストの書体を変えて客が離れた雑誌だとか、椎名林檎の歌詞カード書体の擬古典主義だとか、デザインの分野で語られることはありそうだけど書体の分析だけでここまで"読んで"しまうのはすごい。
    一番面白いのはやっぱりマンガ論。まず一つの作品内でマンガほどコロコロ書体を変える読み物は他にないのだけれど、読み慣れた私たちは違和感なく受け入れている。それはどんなフォントがどんな感情や声のニュアンスに対応しているかという知識が脳に蓄積されているからだ。
    なかでも少年ジャンプのフォントづかいが与えた影響の大きさは計り知れない。例を見てもジャンプマンガは書体の切り替えが細やかで、キャラクターの声をビジュアライズすることに並々ならぬ意欲を感じる。こうしてマンガ読みたちはかなりハイコンテクストな〈書体リテラシー〉を知らずのうちに身につけることになったのだ。
    作品論は『ちびまる子ちゃん』が特に面白かった。大人になった作者視点だったはずのモノローグがアニメの逆輸入で〈ナレーション〉化していき、作者と作品との距離感が変化したという。羽海野チカの縦書きと横書きでニュアンスを重ねる独特なモノローグについても。縦書きの世界に"心のより深いところからの声"が横書きで介入してくる感じ、発明だよなぁ。
    平成は雑誌がカルチャーを牽引した最後の時代だった。正木さんは「適切な書体を選べるか否かで表現自体も変化する」という哲学に従って細やかに紙面の文字を目で撫でていく。液晶に映る世界をベースに築かれていく令和の書体リテラシーはどんなふうに変わっていくだろうか。

    0
    2024年05月08日

    Posted by ブクログ

    実家に放置している自分の本棚を整理してくれ、と言われ、いま手に入れることの出来ない文庫を粗よりしながらパラパラ捲ると,漂ってくる時代の雰囲気、それは古本の紙質の匂いだけではなくて、使われている活字の書体からも感じます。そもそも文庫毎の活字の違いも、それぞれの文庫の作品の選ばれ方の傾向にマッチしている気分も思い出しました。新潮文庫らしさ、角川文庫らしさ、今は亡き旺文社文庫らしさ…。そんな古い話でなくても書体を巡る冒険は、続いているのです。小沢健二とスチャダラパー「今夜はブギー・バック」のシングルのデザイン、歌詞のフォントチョイスから始まる文字の記憶の物語。その曲が1994年なのでかれこれ30年の時代変化なのです。それは出版がDTP化する産業革命が裏地になっているのです。P210のハリーポッターを巡る「リュウミン」を他の書体の比較、知らなかった物語を顕在化してくれました。出版だけでなく音楽、マンガ、雑誌、そしてはテレビのテロップまで文字に関するテクノロジーとコンテンツの相互作用を解き明かしています。とはいっても、そのすべてが著者の個人的記憶の歴史でもあって、書体を語りながら、この30年のサブカルを思い出させるスィート・メモリーズでした。実はこの後「杉浦康平と写植の時代: 光学技術と日本語のデザイン」を読もうと思っていて、その大著の飛び板になったみたいです。

    0
    2023年08月12日

    Posted by ブクログ

    おもしろいところに注目するなぁ。

    漫画や雑誌に使われている書体について
    昭和から平成、写植からデジタルへの変遷期
    どのようなものがあったのか
    具体例をあげて語ってくれる本。

    漫画でも、長期連載するうちに
    「ふきだし」の字体が変わっていたり。

    佐々木倫子さんのアナログ活字体…
    あの独特の字はどの活字を参考にしているか?
    普通に漫画読んでいたら気にならないけど
    この著者はそこに目がいっちゃうんだね(^_^)

    0
    2024年05月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    書体(フォント)という観点から作品を語るコラム。
    文字を読むときは、書体のイメージも含めて読んでいる、ということを再認識できて、とても面白かった(これは私たちは普段から無意識で行っていることだが、人間の認知能力というのは本当に底知れない)。
    書体になじめなくて読めない本があったというエピソードや、説明されても書体の細かな違いが私にはわからなかったりと、著者の書体に対する感覚の鋭さや表現の豊かさに驚きすら感じた。出版社に勤務されていたからこんなに詳しいんだな、と納得しかけたが、こどもの頃から感覚的に書体の違いを味わっていたようで恐れ入る。
    「芥川賞受賞作品」とか「夏の文庫フェアの1冊」とか、自分の中でカテゴライズしながら作品を読むことはあるが、「あの作品と同じフォント」という観点で読んでいく発想はなかった……!

    『ちびまる子ちゃん』がエッセイマンガからフィクションにシフトしていったのは、原作では大人になった作者自身の声だったはずのモノローグがアニメではキートン山田のナレーションとなったことが一因、というのは私も考えていたことだが、そこに書体の視点(タイポスという書体の声が変質して客観性が生まれたから)まで入っているのはさすがだと唸った。
    他にも身近な作品を挙げながら、ちょっと驚くネタもあって、楽しく読んだ一冊だった。
    この本に使われている書体はなんなのか、気になってしまった。

    0
    2023年07月15日

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