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落ちこぼれ芸人・永野に寄り添った人、音楽、映画たち
芸能界きってのロックフリークであり、自身のYouTubeチャンネルで繰り広げる音楽トークも人気を博している永野。本書は、2021年に初の書籍『僕はロックなんか聴いてきた~ゴッホより普通にニルヴァーナが好き!~』を出版し注目を集めた彼の"オルタナティブ"なエッセイだ。ギターウルフ、BUCK-TICK、D.O、50セント、エミネム、ニルヴァーナ、レッチリ、U2、『ダークナイト』、オリバー・ストーン、ファレリー兄弟、『稲村ジェーン』......亜流すぎる芸人・永野が世に放つ"オルタナティブ"論に魂が震える!
【CONTENTS】
・金持ちになって言いたいことがなくなって新曲を作らなくなった50セントこそオルタナだと思う
・「普通こそが格好いい」という圧が鬱陶しいし、普通は死ぬほど退屈だ
・地元に残ってレペゼンという今だからこそ1回故郷を飛び出して北へ向かおう
・孤独こそがオルタナを作り、誰も信じていない奴が世界を平和にする
・ジョーカーという共感装置
・表からは見えない、深いところにある〝業〞のようなものこそがオルタナなんだと思う
・究極的には自己満足で人を楽しませられる奴が一番強い
・人生の無駄な時間にこそオルタナは宿る
・D.Oという男
・本物になろうとしてる奴は時に本物より異常なのかもしれない
・BUCK-TICKに救われた話
・オルタナは自分が落ちてる時に助けてくれた人のことは忘れない
・結局余裕がある人が良いものを作る。ビッグマネーを掴んだ後何をやったかが面白い
・一生忘れられない一発をくれたんだからもっと凄い二発目もくれ!
・無理こそ愛おしい、嘘こそ愛おしい、不器用こそ愛おしい
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Posted by ブクログ
「今の LGBTQの文脈って、「多様性を認めよう」じゃないですか。それは声を大にして発信していくべきですが、自分は『ピンク・フラミンゴ』の「俺たちは俺たちでいく」というスタイルが好きです。昔のマイノリティはそういう描かれ方が多かったです。 今の時代における描かれ方と何が違うか考えると、やっぱり「共感」を求めていないというのが一番大きいのではないでしょうか。今はみんなが共感を求めるじゃないですか。「理解してよ!」「理解しなきゃ!」のオンパレード。自分は昔の「別にわかんなくてもいい、そのかわり勝手にやりますよ」って雰囲気が好きでした。オルタナでした。」
—『オルタナティブ』永野著
「普通に考えたら、「日本語ラップ」って無理してるというか、「テキサス三味線」みたいなことだと思うんです。テキサスでテキサス流の三味線プレイが生まれたとして、それが見事だったとしても、三味線って意外と三味線のままで良くね?という。凄いけど、わかるけど、普通に「津軽三味線」で良くね?という。だって 50セントなんか見るとあまりにも土壌も歴史も違い過ぎて、もうすみませんでしたって謝るしかないんです。そこに日本流の解釈を入れたり、アップデートする必要あるのかなと思ってました。」
—『オルタナティブ』永野著
「 別のインタビューでもカート・コバーンは「ラップというフォーマットは好きだし尊敬しているけど、俺はラップはしない。ラップは黒人のものにしておくべきだ。ヴァニラ・アイスにはムカついてる。白人が黒人から物を奪うのはもうウンザリだ」と言っています。黒人つまりアフリカ系アメリカ人ではないラッパーからしたら頭でっかちで屁理屈だと思うかもしれません。だけどやっぱり本物論は大事にしたいんですよね。ラップって黒人がやっと見つけた武器じゃないですか。ロックをパクられて、チャック・ベリーのロックンロールを白人にパクられて、黒人が今度はパーティでレコードをかけて M Cで煽ったらそれも奪うのかと。もちろん全てがカルチャーの盗用、収奪と思ってるわけではないですが、そこのリスペクトは忘れちゃいけないと思っています。みんな意外とそこの本質に触れずに、目を向けずに日本語ラップは ~とか言ってるじゃないですか。ラッパーでもなんでもない自分が言うのもなんですけど、黒人へのリスペクトは忘れたくないですね。」
—『オルタナティブ』永野著
「30代の頃住んでいた三軒茶屋の安アパートの記憶は灰色で、人間は住む場所や環境に適応していくものなので生きてはいましたが今あの暮らしをまたやれと言われたら無理です。あれはキツかったよなあと 40代前半の自分は当時の自分を哀れに振り返ったのですが 40代後半になって自分の考えは変化しました。あれは本人の気分では監禁だったかもしれませんが、 30代に入っても親から仕送りを貰ってたりなど実家から生活を援助してもらっていたので、本当に監禁されていたのは親の方だったのです。東京から帰ってこないわでもテレビでも姿を見ないわの理想だけ高い息子に金の援助をするという地獄。ニュースで実家住まいの 40代の男が親を殴って捕まるといった事件が報じられるたび世間は信じられないというリアクションをしますが自分にはリアルで、昼間に意味もなく歩いている金のなさそうな中年や公園にいる青白い青年など所謂不審者を他人事には思えず、何度も言いますが自分は本当にあっち側の人間で、人に尊敬される要素もなく、そんな人間だからこそ現実など空っぽだと思わないとやっていられず、それでもご飯ばっかり食べながら生きてきて、ヤマダ電機そばでオカルト体験をしたり一応売れたという経験もしました。結果「目には見えない全てを真実とした」ということを信じる状態へと入ったのです。」
—『オルタナティブ』永野著
「ハングリーとか貧乏とか苦労したとかいうのは共感ストーリーになりやすいしみんな喜ぶというのは実際あると思います。でも逆に金持ちを満喫してるのもハングリーの裏返し。要するに金に特に左右されてない抜けた雰囲気が欲しいですよね。」
—『オルタナティブ』永野著
「他所の中学校の生徒からしたらエリートのお坊ちゃんお嬢ちゃん学校に映ったと思いますが、その中にいる自分は他の生徒と比べて全く勉強をしない異端な存在で、不良の環境の不良よりエリートの環境の不良よりエリートの環境でエリートでありながらの不良よりエリートの環境の落ちこぼれは扱いにくいと思います。常に反抗的だけど覇気がないのです。中学生が持つ激しさもなく暗い顔でニヤニヤニヤニヤしていて教師にとっては忌々しい存在だったその頃の自分はきっと気が触れていたんだと思います。これぞ中学生界のオルタナです。」
—『オルタナティブ』永野著
Posted by ブクログ
芸人永野さんがグッときた=オルタナな音楽、映画などを半生を振り返りながら紹介している本。ロックや映画について背景知識はないけど、成田悠輔さんとの対談で興味を持った永野さんの頭の中を覗けると思って読んでみた。一見かっこいいけど世の中への愛憎を抱えた寂しいはみ出し者に、特に不良でも引き篭もりでもないのに中高不登校の上高校を中退してしまった自分を重ねて読んでしまい、当時好きだった音楽や本を思い返すきっかけになった。中年になっても若い頃に作品から受けた影響を反芻しているところに愛を感じ、歳を重ねて少し上手く生きれるようになってしまっている自分に恥ずかしさを覚えました。
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