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十二月、北信州。吹雪でコースを外れた一人旅の男が、雪山のペンションに転がり込んだ。
「濡れた服は全部脱いで。体温が逃げるから」
停電の夜、オーナーの人妻・紗英は、凍えた彼を毛布ごとニットの胸に抱く。
「36度5分に戻るまで、肌を離さない」
それが山の決まりだと、彼女は言った。
体温計の数字は一段ずつ上がっていく。それでも彼女は、次の冷たい場所を見つけ続ける。背中には胸を、指先には唇を。数字が上がるほど、この人は嘘が下手になる。
「…その体温計、古いの」
「まだ…中が冷たいの」
三十八度を超えて、言い訳が尽きた明け方。彼女は指輪を外した。
「救命じゃ、なくなっちゃった」
ふかふかニットの爆乳人妻の、吹雪がやむまでの夜。フルカラー。
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