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北海道から上京してフリーのアナウンサーとなった稲葉雪乃は奇妙な仕事を請け負った。心身を患う義父のため、亡妻・千勢の代わりになってほしい――。地図製作会社社長の葛木晋一郎に依頼され、駿河台の邸宅に通い始めた雪乃。やがて、千勢が夏至の日に影の消える都市〈花蓮〉に憧れを抱いていたことを知る。なぜ? 直後、雪乃の前に千勢の過去を知る謎の男・五十嵐が現れ……。ベストセラー『モルヒネ』の著者が贈る恋愛長編。
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Posted by ブクログ
地球儀をぐるぐるまわして、ボーっと眺めたくなる、そんな小説。 人はみんな、現実と幻想のあわいで生きてる そうだなぁ・・・と思った。
何故か弱いんだ、この人の文章は。 悲しくも何ともないくだりで、いつも涙ぐんでしまう。 何故だろう。 もちろん胸を締め付けられるような清冽な痛み漂う文章も、この人の持ち味なんだけど。 この人の紡ぐ言葉に、織りなす世界に、私の涙腺を刺激する何かが潜んでいるらしい。
フリーアナウンサーの雪乃が請けた仕事とは、亡くなった妻千勢の代わりとして過ごすことだった。 娘を失った現実を受け止めきれない父と接する中で、日記からは解けなかった千勢の姿に近づいてゆく。 私は恋愛小説としては読めなかった。亡くなった「千勢」の想いを辿りながら、彼女が歩んでいたものとは別の道を「雪...続きを読む乃」が進めてゆく……そんな印象が残ったからだ。 そして雪乃は千勢では辿り着けなかった“答え”に行き着く。その“答え”は雪乃を含め、様々な人物の一歩に繋がる。 その変化こそが、この作品の面白さなのではないだろうか。
前作モルヒネ同様、生と死という究極のテーマのなかに独特の愛を漂わせています。 静かな静かな…まるで流れる川を見ているような気分です。
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