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ファンだったアーティストの担当になった若手レコード会社社員、期待に応えようとするあまり、心身を壊してしまった40代手前の女性、恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで曲のアレンジを任された女子高生、リサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性――。彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの音楽が、場所や時間を超え広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者が描いた連作短編小説。
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Posted by ブクログ
シンガーソングライターの染谷達也が音楽の世界から引退する際に発表した最後のシングル「夢のうた」。 この音楽が時と場所を超えて、仕事に疲れた会社員、田舎のカメラマン、合唱祭を迎える高校生、そして染谷自身など、人生の岐路に寄り添い、時に慰め、時に励ましながら、彼らの心に希望や勇気をもたらしていく6つの...続きを読む連作短編集。 一つの曲を軸に、時代を超えて愛される音楽の力と、生きることに懸命な人々の姿がみずみずしく描かれている。 イジメで引きこもっていた時、仕事でうつ病にかかった時、失恋した時、学生のイベントの時、夢を諦めた時、寄り添ってくれたのは音楽だった。 なぜだか涙が何回も流れる。心が洗われる感じ。 昔聴いていた音楽を時が経っても好きなのは、その頃の思い出と一緒に楽しめるから。 今はネットですぐに様々な曲を聴けるようになったから、思い出に浸りやすくなる機会が増えた。
これまでの人生の中で、様々な音楽が自分を支え、人生を彩り、寄り添ってきてくれた。 そんな幸せを改めて感じられる素晴らしいお話でした。 たくさんの方に知って、読んでほしい作品です!
久しぶりに泣きながら読みました。 県立高校試験で出題されたとの事で3月に読もうと思っていたのが今になっていました。 今月は積読を消化しているのだけれども、積読のものがほんとにどれも面白い。 なぜ寝かせてしまっていたのか、寝かせていたから面白く感じるのか? 特に試験でも出題されたところの「第4章...続きを読むマホウノオト」が好みです。こういう青春ストーリーが好きなんだと思います。裏切りません。 作者の方がバンドを組んでいたそうで、 音楽の描写がリアルで曲が聞こえて来そうです。 Spotifyで聞いてみようと思います。
音楽の持つ力ってすごい。自分も音楽に救われてきたし、音楽がない人生なんてつまらないと思っているので、共感しかなかった。短編が繋がっている形式もとても良かったです。
何となく目に入って読んだ作品でしたが、すごくすごく好きです。すーっと心に入ってきてポロポロ涙が出ました。 学生時代に聞いていた曲とか、それにまつわる思い出が蘇ってきています。 「夢のうた」どんな曲なんだろう 聞いてみたいです。
とある音楽を軸に広がる短編小説です。サラッと読みやすくも、キャラクターの個性がしっかり描かれていて読み応えがありました。人々の優しさに心がジーンと温かくなります。 青春の頃に聴いていた音楽を改めて聞くと、懐かしい気持ちになりますよね。知らず知らずのうちに思い出と音楽はリンクしているような気がします...続きを読む。 卒業式で歌った曲「旅立ちの日に」や「3月9日」「拝啓15の君へ」を聞くと、学生の頃の授業の様子や校庭で遊んでいた頃の自分が走馬灯のように頭の中に流れてきます。音楽って想像以上に偉大ですね。 アーティストの悩みや葛藤も描かれていて、リアルだなと思って読んでいましたが、作者の方が元バンドマンということで納得しました。アーティストの苦悩を垣間見得たような気がして新鮮でした。
音楽が人生のターニングポイントに寄り添っていたりする経験がある人は共感しながら読めるのではないかなと思いました あらすじ等は他の方のレビューにあるので省きますが 個人的にすごく感じたのは作家の方が本当に音楽が大好きなんだなと本全体を通して伝わってきたところです 人と音楽は共にあって熱量と奇跡と感動...続きを読むが生まれるんだと思いました この本を読んで、それはとても幸せなことだと感じました
じんわりと心が癒される作品だった。 なにより比喩表現が素敵で、ワードセンスがすごい。 特に好きだったのは、涙で視界がぼやけるという場面で 「部屋が滲む。目を細めると、六角形の光の粒で部屋がデフォルメされた。」 と書かれていた場面。なんておしゃれな表現…! のちに調べたところ、作者さんは以前、作詞を担...続きを読む当されていたようでとても納得。
自分の知らないミュージシャンの世界。その世界の大変さを表現しつつ、彼の歌が色々な人達に影響を与えていく物語。 物語の時間軸が平行や同時進行ではなく、一本の真っ直ぐな時間で語られていくのが特に好きです。
かつてよく聴いた音楽から過去の記憶が鮮やかに蘇ったり、季節や事象から過去に聴いていた音楽が突然脳内再生されたり…。こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。本書は、こうした「音楽の力」を温かく描く物語です。 著者の河邉徹さんは、バンドWEAVERのドラマーだった(2023年解散)そうで、本...続きを読む作は著者が作詞を担当し、言葉と音楽を紡ぐ世界に身を置いていたからこそ創り得た作品だと感じました。 6章立ての連作短編で、「◯◯ノ オト」という各章題のカタカナ表記から、柔らかく軽やかな印象を受け、少し不思議な関心の惹きつけを感じます。 最初は、中途半端な章の終わりと各章のつながりがよく分からず少々違和感があったのですが、各話の主人公を優しく包み込む筆致、背景の音楽がもたらす人のつながりや影響に、次第に心が満たされていきました。 玄人好みで売れずに引退したシンガーソングライターの楽曲が、様々な立場の人の心を動かし、人生を変え…、そして自分自身も救います。 大量生産・消費の時代では、音楽に限らずいいものが必ず売れるというわけではありません。でも、作り手自身もわかっていない(かもしれない)音楽の与えている影響を、信じてほしいですね。「支持=数ではない」のだと…。 こんな時代だからこそ、音楽や物語は私たちに欠かせないものだと思います。人を慰め、励まし、救い、希望を与える「音楽の力」「物語の力」は、個人への影響だけでなく、人と人をもつなぐのですね。 純粋で懸命に生きる人と、そんな人たちに寄り添う音楽…、素直にいいなあと思える読後感でした。
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