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ある日、突然、石油が断たれた! そのほとんどを輸入に頼る日本がなすすべもなく麻痺し崩壊してゆく姿を、なまなましく描き出した衝撃の問題作。原油高、テロ、自然災害が相次ぐ今、30年ぶりに復刊する警世の書。
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Posted by ブクログ
随分前に読んだ本だ。今の時代だからこそ再読する。実に50年前の本だ。なんとなく、現実味を帯びている気がする。日本という国のエネルギー海外依存のありようが問われる。日本の国の脆さを感じる。 本書は、高度経済成長を経て「エネルギーは永遠に安価で手に入る」と信じ切っていた当時の日本社会に警鐘を鳴らした。...続きを読む日本という国がいかに「石油」という外部資源に依存し、それが断たれた瞬間にどれほど脆く崩れ去るかを突きつけた。「明日も昨日と同じように物資が届く」という根拠のない確信が、いかに危険であるかを解いた。 通商産業省エネルギー庁石油第一課課長寺木鉄太郎は、中東に依存している石油(81%)にもし供給が途絶えた時に、備蓄も65日分しかなく、石油輸入大幅減少した時に、どう対応するか?を調査を始める。主人公は石油第一課課長補佐の小宮幸治、34歳。 この当時の日本のエネルギーは、石油が75%占めていた。現在は、石油が約36〜38%、天然ガスが約21〜23%、石炭が約16〜19%、再生可能エネルギーが約12〜15%、原子力が約4〜8%。原子力は、2030年には20%程度まで戻す政府目標がある。2026年2月現在、日本国内で再稼働している原発は合計14基(試験運転中を含む)。1975年当時は、原子力は2%弱でまだ原子力発電はなかった。その当時のエネルギーは石油依存であったことは確かだ。 中東において紛争が勃発し、日本への石油供給が完全に停止するという未曾有の事態が発生する。ホルムス海峡を封鎖すると、イラク、クエート、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、イランなど。中東アジア地区は世界石油生産の3分の1を占めている。日本はその81%を中東アジア地区から輸入。 物語は、通商産業省(現・経済産業省)の若手官僚が最悪のシナリオを予測し、上層部に進言する場面から始まる。しかし、平和ボケした政府および企業は「そんなことは起こり得ない」とこれを取り合わない。やがて石油の在庫が底を突き始めると、社会は一変する。 石油が輸入されないことで、買いだめが始まる。そのシュミレーションは連鎖していく。警察も消防も、全く備蓄はなかった。その上、自衛隊も石油を備蓄していない状態だった。 鬼登沙和子は小宮に「失望は早くしたほうが、傷浅く済むものよ」という。石油を50%削減する計画を持ってきた。 鬼登沙和子はいう「日本の社会組織は、一般に考えられているよりもはるかに脆弱である。もともと、宗教的連帯を欠き、地域的共同体も薄く、戦後においては血縁的結束をも失った日本の社会は、核家庭という 最 小社会単位と国家という最大社会単位との間には、企業=職場という毀れやすい社会組織以外に、 ほとんど中間社会組織を持っていないからである」 「すべての危険の中で最も重大な危機は社会組織の崩壊である」 物流が停止し、トラックが動かなくなることで、スーパーから食料が消えていく。次に、都市機能が麻痺し、電力供給が制限されるため、エレベーターや鉄道が稼働しなくなる。これに伴い、パニックと暴動が発生し、飢えと寒さに直面した市民は略奪行為に走る。結果として、日本は中世のような無秩序な状態へと転落する。 「豊かさは不変ではない」高度に効率化された社会ほど、サプライチェーンの一部が切れた際の影響が全体に波及する(ドミノ倒し的な崩壊)というリスクを警告する。 1. 最悪を想定したシナリオプランニングの重要性 起こる可能性の低い出来事や状態をあくまでも「起こり得ない」と断定するのではなく、「もしも起こったらどうなるか?」という視点を持つことが重要である。シナリオを想定する際には、理想的な未来だけを見るのではなく、最悪の事態を想定し、その場合に備えた計画や対策を立てることが求められる。この柔軟な想像力を持つことこそが、実際の危機発生時に冷静かつ迅速に対応できる基盤を作る。さまざまなシナリオを膨らませ、最悪ケースを詳細に想定し、そのシナリオに基づく準備や訓練を行うことは、予測不能な事態に対しても動じず、適切に対応できる能力を養うために不可欠である。 2. システムの冗長性(バッファ)の確保の意義 社会や組織の安全性を高めるためには、効率性だけを追い求めるのではなく、あえて「無駄」や「余裕」を設けることが重要である。システムの冗長性、すなわち、複数のバックアップや代替手段を持つことは、一見非効率に思えるかもしれないが、実際には危機や異常時に大きな効果を発揮する。例えば、重要な供給ラインの二重化や、エネルギー備蓄の拡充、通信手段の多様化などは、まさに予測できない事態に備えるための余裕を生む。こうした余裕やバッファを意図的に持つことで、突発的な事態にも耐えうるレジリエンスの高い社会システムとなるのである。 3. 個人の自立と危機管理意識の深化 個人レベルでの備えも非常に重要である。国家やインフラに全てを依存するのではなく、個人が自立した危機管理能力を持つことが求められる。そのためには、日頃から危機に対する意識を高め、自ら情報収集や備蓄、代替手段の確保を進めることが必要である。 具体的には、非常食や水の備蓄を行うこと、簡単な応急処置の知識を習得すること、自宅の安全性を確認し、避難経路や避難場所を理解しておくことなど、多岐にわたる準備が考えられる。個人一人ひとりがこの意識を持ち続けることにより、社会全体の危機対応能力が向上し、いざというときにおいても冷静かつ効果的に行動できる土台となる。 シナリオプランニング、システムの冗長性、個人の自立といった視点は、いずれも危機に対し堅実な備えをするための重要な要素である。それぞれを意識し、実践に移すことこそが、予測不可能な事態に強い社会と自己を築き上げる最良の道であるといえる。 この本書が出た後で、様々な事件が起きた。阪神大震災、地下鉄サリン事件、東日本大震災、原発事故、コロナ禍など、予測できない、ありえないことがありうる時代に今生きている。
海賊とよばれた男をきっかけに、映画から本へ、そして主人公だった出光さんの本を何冊か読み、石油産業のリスクに興味を持ってたどりついた1冊。もしこの国でいきなり石油供給がとだえたら、どんな混乱が起こるかを物語形式で描かれていてすごくわかりやすく危機的状況を想像でき、だからこその今受けている恩恵も感じるこ...続きを読むとができた1冊でした。時代は変わっているのでそのまま適用はできないだろうけど、起こりうる事態はあまり変わらないのかもしれない。なんにせよ、他の人に、他の地域に、他の国に依存しているものが断たれると自分の生活もいきなり苦境に陥る可能性は常にあるよな、と再確認させられた一冊でした。
世界初の予測小説 堺屋太一さんが経産省時代にした経済予測をもとに書かれた小説。 現在もであるが、日本の石油の中東依存率は世界でもトップクラスに高い。 中東石油が200日間、供給不能になった場合、日本では300万人が死に、国富が7割減になるという。 実際にイラク戦争では起きなかったが、...続きを読む中東は非常に緊張した状態にある中で、本当にこのようなことが起こったらどうなるのだろうと息を飲む。 政治やエネルギー問題に興味がある方、必読です。
本作が出版されたのは、1975年。 時代は、第一次オイルショック直後だった。 まさに、日本は高度経済成長期の真っ只中、エネルギーの大半を中東に依存していることに気付いた。 著者堺屋太一氏は、当時通商産業省の課長補佐として、エネルギー政策に携わっていた。 本書の執筆は、第一次オイルショック以前の197...続きを読む1-72年であった。 政策研究の過程で、取引先の商社や電力会社の協力を得て、当時まだ珍しかった大型計算機を駆使して、「中東からの石油が途絶した場合」をシミュレーションしたところ、その内容の凄まじさに直面した。 「二百日間中東石油が入らなかった場合、三百万人の人命と国富の七割が失われる」 著者は、予想をはるかに上回るこの結果をどうやって発表すべきかという問題に直面した。 著者の結論は、小説としての発表であったのだが、当時まだ官僚として現役で、「大阪万博」を成功させるなど忙しくしていたこともあり、出版に至るまでに時間を要した。 そんな折に、小説の内容そのものが現実に「石油ショック(第一次オイルショック)」として起こってしまい、さらに出版が遅れると言うことも有った。 そんな紆余曲折を経て1975年に出版された。 . 内容は、上述のように当時の石油輸入、国内の流通、消費、さらには経済全般に至まで川上から川下までのあらゆる状況を、実際のデータを分析した結果に基づいた社会状況の混乱を描いてる。 世の中に「未来小説」と呼ばれる小説が有り、G.オーウェルの『1984』が例にあげられる。 しかし、本著『油断!』は、大規模シミュレーションに基づいた物語であることから、著者は「予測小説(シミュレーション・ノベル)」と呼んでいる。 このシミュレーション・ノベルを読んでみて欲しい。 実に、50年の時を超えて、今まさに起こっていること「ホルムズ海峡封鎖」は、この小説に酷似どころか、全く同じ状況なのである。 さらに、小説では、そこから始まる政府の混乱で論じられることに、たとえば、「石油備蓄」とか、「中東とは別の太平洋の向こうからの調達」と言った話が出てくる。 (実際に私が読んだのは2005年で、その頃はアメリカのイラク戦争の頃であった) 今私たちが直面している現実は、著者が50年前に描いた世界その物であることに愕然とする。 この50年間、日本は中東依存のエネルギー政策から何にも変わっていないわけだ。 「石油備蓄」と言う言葉が50年間どう扱われてきたのかも気になる。なんだか、すっかりカビの生えた言葉が突然スポットライトを浴びても機能するものなのかどうか。 失われた○○年と呼ぶことが有るが、本書を読んで思うのは、半世紀この国の政府はサボってきたってことだ。 そして、今の政権を見ると… 絶望しかない。 さらに、シミュレーションが示した、多くの国民の命が奪われていく予想が、とても気になる。 ----2026/03/31記録--- ----以下、2019年5月4日記録--- フィクションとしての面白さ以上に、はたしてこれを絵空事としておけるのかという恐怖を感じる。 50年近く前の情報と時代背景に基づいた小説であるため、エネルギー環境は劇的に変化している。 石油への依存は依然として高いものの、その供給元は中東のみのかつてに比べると、アメリカを含めて多様化している。 しかし、はたしてその多様化した石油供給に何か安全性を求める根拠があるのだろうか。 エネルギーの一部を原子力に頼る政策もあったが、そのエネルギー体制は、震災とともに崩壊してしまった。 地球環境の変化を考えると、化石燃料の利用の再検討が迫られている。 この10年ほどの間に、私たちは、その経験から私たちの生活を支えるエネルギー供給の脆弱性を思い知らされた。 あるいは、生活そのものの基盤すら、安泰ではないことも確認した。 小説の中で起こる生活の混乱、人災をもとにする被害の拡大は、そこまで激しいものではないが、その端緒を実際に見たかもしれないのだ。 この小説から得られるのは、いくつかの知識ではなく、私たちが向き合わなければならない現実とは何か?という事だろう。 そして、私たちが現実に目を開いた時、見えてくるであろう現実の一端をここから予習できるのかもしれない。 問題が大きすぎる。 しかし、ここで心の準備をすることができる。
深い 原油問題の話 あんまわかんねーけど 油断すると経済はあっという間に混乱すると 国会議員の人ってミスできねーよな よく考えたらw 俺は甘いわー
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堺屋太一
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