ちゃん、ちゃららららららん♪
お正月の定番曲「春の海」などでおなじみの、日本の伝統的な楽器・箏(こと)。高校の部活動に取り入れられていたり、全国大会が開かれていたりすることをご存知でしたか?
今作は廃部寸前の箏曲(そうきょく)部に所属する高校生たちが、ド素人レベルから全国大会優勝を目指す青春漫画。掲載誌は『ジャンプSQ』(集英社)のため、友情・努力・勝利がこれでもかというほど詰まっています。
特徴的なのは部員のメンバー構成です。
まず主人公の愛(ちか)は、ケンカに明け暮れる中学時代を過ごしたヤンキー少年。
箏は箏職人だった祖父の影響で、触ったことがある程度のズブの素人です。
部長の武蔵は真面目ですが、演奏歴は1年足らず。愛に惹かれて入部した不良少年たちは、もちろん全員素人……と、大多数が未経験者、そして女子部員が8〜9割といわれる箏曲部の世界では非常に稀な、男子(しかもほぼヤンチャ系!)多めの部になっています。
ここに一石を投じるのが、女子部員の一人である鳳月さとわ。
箏曲界に名を馳せる「鳳月会」の家元の娘で、次期家元と目される天才少女。最初こそ反目しあっていたヤンキーたちと猫かぶりツンツン美少女が、次第に協力し合い、全員で一つの曲を作り上げる過程は胸アツです……!
また、もう一人の女子部員である妃呂(ひろ)含め、愛も武蔵もさとわも、それぞれが影のある事情を抱えています。そんな彼らが楽しそうに演奏する姿に、思わず涙が流れるはず!
胸を打つ迫力の演奏シーンは、幼い頃から箏に囲まれて育ったアミュー先生だからこそ。
作中に登場するオリジナル曲を作ったのは、箏奏者である先生の母親や姉だというから驚きです。YouTubeのジャンプSQ.公式などで鳥肌モノの演奏が聴けますので、漫画とともに楽しんでみてください!
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匿名
晶さんの闇が深くて、でもすごくきれいな人だと思うのでまた無邪気に笑えるようになって欲しいです!まだ若いのに指導もできるのは本当にすごいと思います!
Posted by ブクログ
長年積み重ねた必死の努力も思いも何もかもが天才の一瞬に粉砕される凡人の苦悩、というのは見ていて辛い。
やっぱなぁ、超えられない壁ってあるよね…。
それでもラストはちょっと救われて良かった。全員で音を合わせる時が楽しみ。
Posted by ブクログ
感想
箏を指導してくれることになった晶の回。闇が深そう。いつもの渡鬼ばりの毎回、修羅場or感動的なことがあるパワーで晶の心をほぐすと共に箏部も成長する。
あらすじ
箏部を指導する晶。箏の圧倒的な才能を持つ兄、両親の突然の事故死、兄が箏を辞めたこと、自分にのしかかる後継ぎとしての重圧、兄やさとわに感じた圧倒的な才能の差など。晶は箏部の指導を辞めたいと申し出るが、部員達は晶の演奏を聴いて、一音の大切さを見直し、上達しているのを目の当たりににして感動する。
Posted by ブクログ
不器用なチカの態度を勘違いして傷付かないさとわちゃん、
互いの事を随分理解できるようになっている。
晶に「おろそかにしてるつもりはない」と言うチカ。
ある程度自信がなければ、演奏で黙らせるなんて出来ないだろうに本当に凄い。
天才と凡人。目の前で努力する天才を見て来た
晶の苦しい日々は察するに余りある。
晶も部のみんなの前向きさに引きずられて、闇から抜け出せたら良いと思う。
堂島さんに事情も見えてくると…
今までもそうでしたが、指導に来ている堂島晶さん側の諸事情も見えてきますので、彼女なりに己の限界も感じていた事情とかも見えてくると、だいぶ印象が変わりますよね。安易に悪役っぽい登場人物にしないし出さないようにしているのは作者の留意点なのでしょうね。(最初の頃に出てきた教頭とかは割と分かりやすい悪役っぽかったですが)
堂島さんの実兄や鳳月さんへの敵愾心(表現力等では敵わない)などを見て、彼女もまだ20歳過ぎくらいですし、良い方向に変わりそうで……なるほど群像劇としても良質な作品ですね。なので27巻以上、続くような作品になっているのだろうと思います。
良かった
この作品は全体的に内容としては「こんな感じの読んだことがある」というものだけれど、表現力があるので、つい引き込まれて読んでしまいます。
堂島晶の叫びと泪
外部コーチの晶の気持ちがとても丁寧に描かれます。今までの晶の言動の不気味さの原因がわかり、その辛さに胸が痛くなりました。そんな晶の気持ちを溶かすのもやはり愛やさとわ達!箏曲部のメンバーのひたむきさは読む者さえ心に温かさを届けてくれます。