【感想・ネタバレ】天冥の標 VI 宿怨 PART3のレビュー

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ネタバレ

「全太陽系応答なし」、第6巻全3冊最終巻の終章題名が重く静かに響き渡ります。
第2巻で描かれる地球でのパンデミックから冥王斑が太陽系を覆い尽くすここまで約500年、つぶさに見てきたわけだけれど……これは重い。
よく、歴史のifやたらればなど話題になることがあるけど、「天冥の標」を読むと「回避する事柄や修正したらいいかもな地点なんてない」ことを痛感させられました。フィクションでも無理となるので、ましてややり直しの効かない現実なんて。。
だから、対話が必要なんだな。ブレイド・ヴァンディとシュタンドーレ総督のように。このふたりの友情は貴かった…憎み合っててもこうなれる道はあるのだ、という救いでした。
イサリとアイネイアも素敵。イサリってここからもうずっとこのままなのか……カドムのこともアイネイアの子孫ならそりゃ大事にするよなぁ。切ない。

やり直すとすればノルルスカインが意識を持った時点だけれど、これは無理。何十億年も前だからノルルスカインがおらずともミスチフは発生するだろうし、ノルルスカインでない別の誰かが発生するだけだからさ……。
ノルルスカインとミスチフの代理戦争で太陽系沈黙というのもやり切れないです。

ミスミィ−救世群、ミスチフ−ロイズ、ノルルスカイン−セアキ一派?かな。全部〈偽薬売り〉。
大まかなので、救世群についてるノルルスカインも、セアキについてる救世群もいる。これも難しいところであり光です。
辛かった4巻も重要でした。そうだったキリアン救世群だ、だからラゴスの核のひとつは救世群だったのに。
〈恋人たち〉から見限られたミヒルを擁する救世群、1巻で地下からやってきたのは??だけどきっとこれからわかるのでしょう。

ここが第1巻に繋がるのか。ここまで9冊、残り8冊。見届けます。
それにしてもドロテア・ワットのしびれる格好良さったらない。中に何飼ってるんだ、フェオのやつ……



追記:冥王斑原種パンデミック時にアイネイアの実家にいるお祖母ちゃんがフェオドールを連れてたの、思い返すといつ持ってきたのかわからない。ノルルスカインの意識はドロテアに残ってて体だけ持ってきたんだろうけど、イサリがアイネイア奪還でドロテアに乗り込んだときにこのへんも全てやったのかなぁ

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2024年01月18日

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容赦ない救世群の攻撃。カルミアンによる断種という現実を突きつけられ、自暴自棄に陥るオガシたち。宿怨とのサブタイのため、どんな破滅へ向かうのかと思いきや、5巻で出てきた宇宙農家タックの子孫、ブレイド・ヴァンディがテルッセン家の娘メララの告白を聞いたことにより、救世群との共生を模索し始める。話の流れが変わったかなと一息ついたところでまた急展開。ミヒルの謀略により、太陽系人類は一気に滅亡の危機へ陥る。あまりにも悲しい結末。唯一読者の希望であったジニ号もセレスに落とされ、これ一体どうなるのという感じ。

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2019年10月30日

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パート1からは想像もつかない展開、そして結末。
巨大という言葉では形容できないほど大きな陰謀と振り回される人類たち。

本巻でも引き続き激しい艦隊戦は繰り広げられるが、本巻の見所はそこではないだろう。
シュタンドーレとブレイドの戦いこそが本巻の見所だと思う。本作のタイトルであり、宿怨PART3第2部第5章のタイトル"天冥の標"。ミクロな戦いではあるが、この戦いが暗雲立ち込める太陽系の先行きに対する光だったのかもしれない。

多くの人が平和ボケしている感じが現実感があり興味深かった。対岸の火事から目の前の火事になり、最終的に自分のこととなってようやく剣呑な思いをするさまがリアルに描かれていたとおもう。

ついに第1巻へと繋がったような気がする。
しかし、まだ第6巻。ここからどういう展開になるのか期待せずにはいられない。

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2018年09月21日

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シリーズ2作目『救世群』から繰り広げられた数多の因果が絡み合うシリーズ第6作。この本、本当に面白い。

太陽系人類が抱え込んだ宿痾「冥王斑」、それを忌避し続けた末の破滅、「全太陽系応答なし」。ここからシリーズ第1作で描かれた『メニー・メニー・シープ』の時代へと移っていくのだろうけど、そもそもメニー・メニー・シープという存在の真実、その住民たちが信じていた真実そのものが揺らぎ始めていたはず。

第7作以降で描かれるメニー・メニー・シープの姿は、人類再生の末に訪れた拡散時代(バルサム・エイジ)のみなし子なのか、それとも黄昏の時代の申し子なのか。興味は尽きない。

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2013年10月19日

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25世紀末。〈救世群〉議長の娘イサリはスカイシー3で脱走し、ボーイスカウト活動中だったMHD社の最高責任者の息子アイネイアと出会う。濃密な一日を通じて友人になった二人。だが、〈救世群〉の中枢は非染者社会への宣戦布告に向けて着々と準備を進めていた。太陽系外からやってきた異星人カルミアンや、被展開体のミスチフとノルルスカインの思惑も絡み合い、遂に全太陽系を巻き込んだ大戦争が幕を開ける。〈天冥の標〉シリーズ第6作。


5巻までのキャラの縁者たちが大集結。イサリの名前がでるだけでもアガるが、メイスンたちの祖先であるミスミィがやっと登場してきたのが嬉しい!彼女たちと出会ったばっかりに、〈救世群〉は戻れない局面まで猛進していってしまうのだけど。
ロイズは食を含め、全太陽系の画一化をさらに推し進めている。その裏をかかれてウイルスを撒くのに傘下のファストフードチェーンを利用されてしまうのだが、実はロイズも〈救世群〉もミスチフに操られている。羊のなかのノルルスカインからその秘密を伝えられたパナストロの少女メララは、商務大臣のブレイドに打ち明ける。
ブレイドはメララの話を信じ、パナストロに派遣されてきた〈救世群〉の総督シュタンドーレと根気強く交渉することにする。今回はこのパートが一番好きだった。言葉を尽くし、非暴力的な態度を貫くことで、ブレイドは実は穏健派なシュタンドーレの人間的な側面を引きだしていく。「心底殺したいと思いながら、他のことをするべく悪あがきするのが、人間だと思いますよ」というブレイドのセリフが胸を打つ。その一方で、〈救世群〉の開戦は500年もの「悪あがき」の果てに起きたのだとも読者は知っている。
カルミアンの技術で〈救世群〉は硬殻化し、人類とは異なる外見から戻れなくなってしまった。ここにミスミィとの意思疎通不足によるナメが入っているのが恐ろしい。人類は言語能力を持ったばっかりに、言語能力が劣っていると判断した相手をナメ続けてしまうんだろうか。
次巻は遂に惑星ハーブCが舞台になる。今作は個人的に苦手な戦艦での戦争パートが長くてキツかったので、次巻は少ないといいなぁ。

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2023年03月01日

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ついに太陽系が大変なことに…
シェパード号で助かったかに見えたジニ号の乗組員たちも落ちちゃうし、メララたちもどうしているか。イサリは?
メニーメニーシープにつながるんだから、助かるんだろうけど、どうなるのか。
アインが感染したのにメニーメニーシープのセアキが未感染だったのはそういうわけだ…

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2014年03月02日

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恨みがついに太陽系を壊滅させる話だとは思わなかった。ある程度決着つけるかと思いきや壊滅で終わるとは。
で恨みから太陽系を支配というか壊滅させた救世群とわずかに生き残りそうな人類の非染者はどう復興するんだろう。全十巻予定のはずなんで充分に描けそうではあるけど。
しかし恨みと怒りが硬殻体を咀嚼者にするってのは一種のバグなんじゃないか?

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2013年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらず、本当におもしろい。どんな展開になるのか想像を越えてくれる。(あまりに広大はお話すぎて、自分の頭では想像が追いつけない....という理由もあるけれども(笑))
登場人物や舞台が多岐にわたりすぎて、話のぶつ切り感はどうしてもでてきてしまうのだけれど、それを含めてもやっぱりこの先シリーズ完全読破を目指したい!と思う魅力あふれる作品です。
一番の衝撃は1作目のラストだけれども(笑)
あの謎を解明したくて、ホント一生懸命読んでしまいます!

イサリは同じ人物なのかなぁ...。やっぱり。新作付近のイサリと1作目のイサリを比べると、1作目の野性味あふれるイサリが好きです。上と見た相手には絶対服従なところがたまりません。

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2013年02月03日

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