「全太陽系応答なし」、第6巻全3冊最終巻の終章題名が重く静かに響き渡ります。
第2巻で描かれる地球でのパンデミックから冥王斑が太陽系を覆い尽くすここまで約500年、つぶさに見てきたわけだけれど……これは重い。
よく、歴史のifやたらればなど話題になることがあるけど、「天冥の標」を読むと「回避する事柄
...続きを読むや修正したらいいかもな地点なんてない」ことを痛感させられました。フィクションでも無理となるので、ましてややり直しの効かない現実なんて。。
だから、対話が必要なんだな。ブレイド・ヴァンディとシュタンドーレ総督のように。このふたりの友情は貴かった…憎み合っててもこうなれる道はあるのだ、という救いでした。
イサリとアイネイアも素敵。イサリってここからもうずっとこのままなのか……カドムのこともアイネイアの子孫ならそりゃ大事にするよなぁ。切ない。
やり直すとすればノルルスカインが意識を持った時点だけれど、これは無理。何十億年も前だからノルルスカインがおらずともミスチフは発生するだろうし、ノルルスカインでない別の誰かが発生するだけだからさ……。
ノルルスカインとミスチフの代理戦争で太陽系沈黙というのもやり切れないです。
ミスミィ−救世群、ミスチフ−ロイズ、ノルルスカイン−セアキ一派?かな。全部〈偽薬売り〉。
大まかなので、救世群についてるノルルスカインも、セアキについてる救世群もいる。これも難しいところであり光です。
辛かった4巻も重要でした。そうだったキリアン救世群だ、だからラゴスの核のひとつは救世群だったのに。
〈恋人たち〉から見限られたミヒルを擁する救世群、1巻で地下からやってきたのは??だけどきっとこれからわかるのでしょう。
ここが第1巻に繋がるのか。ここまで9冊、残り8冊。見届けます。
それにしてもドロテア・ワットのしびれる格好良さったらない。中に何飼ってるんだ、フェオのやつ……
追記:冥王斑原種パンデミック時にアイネイアの実家にいるお祖母ちゃんがフェオドールを連れてたの、思い返すといつ持ってきたのかわからない。ノルルスカインの意識はドロテアに残ってて体だけ持ってきたんだろうけど、イサリがアイネイア奪還でドロテアに乗り込んだときにこのへんも全てやったのかなぁ