【感想・ネタバレ】天冥の標 VII 新世界ハーブCのレビュー

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ネタバレ

「行きましょう、アイン。今はもう、ここが世界よ」

「宿怨」の世界を逃げ延びた人類の生き残り50000人を、ほとんど成人が居ないので17歳くらいの少年少女たちが何とかして生き延びさせようとする。読み終わってみると7巻がこれまでで1番重かった。
地下世界でなんとかして生き延びようと、統率したり居住区を広げたりしてて…重機や作業をするロボットや兵器があるとはいえ、全てを取りまとめているのは、何もかも初めてなアイネイアやミゲラ、ジョージたちスカウト。
こういうとき大人ほど脆いのかもしれない…という出来事があるし、戦闘や疫病によって一時は20000人を切ったけど、それからかなりイザコザして、
1巻に続く小惑星セレスが出来上がる。

セレスの地下都市ブラックチェンバーを居住区として整備し、そのまま地上を降ろして(この辺りのラゴスのテクノロジーがよくわからない…)新しいセレス・シティにしてる。
フォートピーク、これか!と思ったり。

ブラックチェンバーで生活を始めて50年でここまできたけれど、エピローグでのアイネイアの慟哭には貰い泣きしてしまいました。
アイネイアたちがぶつかり合いながらも世界を創ってきたのはかなり凄いし、尊い。
でも、彼ら自身が「偽物の世界」と思っている。本物の…地球人類文明はとうに喪われてしまった。薄っすらとでも覚えている彼らが居なくなったら完全になくなる。

つらい…でも1巻に続く感じで生き延び……と思ってたら、7巻でも「救世群はセレスの地下からやってくる」が会話に出ていました。
1巻のラスト、そうでしたね。。

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2024年02月15日

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ネタバレ

リアリティすごない???
これまでも圧倒的な世界観の作りこみ具合を見せられてきた読者でも更に驚くレベルのリアリティですよ。
この圧倒的世界観に、極限までに追い詰められた人々の心の機微が組み合わさって、これは現実の我々の未来を見ているのか?と思わざるを得ないような展開の連続だった。
親兄弟と引き離されて明日も生きられるのか分からない環境に閉じ込められた想像を絶するような辛さとか、全てが手探りで何が正解なのか誰もが分からない中で一からルールを作って統治しなければならない苦しみとか、生き残るためにその時の統治者に気に入られようと擦り寄るずるさとか、病気や事故や…そして人為的に亡くしてしまった人々への悼みと反省、誰かを愛し人肌を求めあう悦び、そして苦しみを乗り越えついに平穏無事な暮らしを手に入れられた安心感…こういう、人間の持ち合わせる普遍的な感情全てがここに語られていた。すごかった。

人類…無事に命を繋ぐことができた…んだけど、統治のカラクリを知るとこれは仮初めの平和でしかなくない…?
まだ救世群は太陽系をうろうろしているようだし、国民は偽史を信じさせられているままだ。ここからⅠに繋がっていくし、まだまだ争いは続くんだろうな…

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2021年05月14日

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1巻のメニーメニーシープの成り立ちの話。
救世群による太陽系の破壊、そこからの逃れ、少年少女達による地下世界社会の確立。5万人から2万人
に減ったり、その真実の隠蔽など。

アインとミゲラ、その他スカウトのメンバー達も何とか70歳までちゃんと生き永らえてるのが凄い、人間って逞しい。

蝿の王も読んでみたくなった。

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2020年12月16日

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作者いわく、50000人で蝿の王をやりたかったとのこと。

生き残っているのがほぼ子供の状況の中、我々の生活がいかに整えられたインフラで成り立っているのかを思い知らせれる。

食べ物の生産、ゴミの廃棄、電力の供給、死体の処理、etc...。

当たり前の話だが、誰かがそれらをやってくれているのであり、何もせずに全て自動的に行われるわけではない。

特にスカウトの少年たちが、死体を放置したことで起こった現実を目の当たりにして戦慄を覚えるシーンは…。

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2020年11月23日

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1巻に完全に繋がった……。そもそも、そこで語られていたことがミスリードでもあったわけね。議会が「スカウト」である意味も。
でも、まだ話は続く。

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2020年05月24日

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勘がいい人ならセレス地下世界に多数の人間とスカウトのメンバーが避難した時点で気付いたかもしれないが、これは意地悪だ。最初にハーブCは地球人が入植した惑星として説明され、途中でジニ号が新たな惑星を目指して旅立ち、読者のミスリードを誘う仕掛けがいくつもあった。しかしその事実を受け入れてしまうと後は人類がここでどのようにして数百年も生き続けて行くのかという純粋な興味と、無人島サバイバル的な物語に惹き込まれていった。これでⅠ巻に話が繋がっていく訳だが、もう少しだけこの世代の話を読みたかったというのが正直な感想。

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2019年11月12日

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そうだったのか。ようやくつながった。
それにしても、リーダークラスのメンバーの心労は想像を絶する。

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2019年10月16日

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まず、前巻の素直な続編であることに驚く。そして第1巻の前日譚であることにも。取り残された少年少女の苦闘を描くのは、十五少年漂流記と言うよりは、蠅の王的か。一方、外敵の存在もあり、内部の争いにそこまでバランスが割かれているわけでもないが、未来の世界に暗い影を残している。外敵と共に。羊はかわいい。

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2019年08月11日

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プラクティスにより太陽系の人類社会がほとんど壊滅させられ、わずかな人類の生き残りの一部は小惑星セレスの地下に隠れている。
恒星船ジニ号に乗っていたアイネイア・セアキとミゲラ・マーガスはセレスに墜落するものの、オラニエと共になんとか生き残った。他の生存者を探しているとスカウトの仲間たちと連絡が取れ、セレスの地下に移ることに…

本シリーズにしては珍しく、前巻である第6巻宿命から地続きとなっている作品。

セレスでの生き残りはほとんどが十代の子供で、その子供たちがいかにしてこの地下世界で生き残るか、という物語。
太陽系社会から見ると小さくも、子供達から見ると想像もできないぐらい大きな世界を維持し、新たな社会を形成しなければならない苦悩と葛藤が次から次へと巻き起こる問題とともに表れる。

筆者の思考実験があまりにもすごく、筆舌に尽くしがたい。
巻き起こる問題にはリアリティがあり、人間味があり、追い詰められたときの恐ろしさを感じる。
この感動をうまく言葉にできないのが大変もどかしいが、とにもかくにも練り込まれた物語であると感じた。

最終的には第1巻のメニーメニーシープへと繋がっていくので、第1巻の伏線回収がままある。
例えば、羊飼いがなぜプラクティスを知っていたのかは、おそらくメララの子守唄による伝承が200年以上も続いたのだろう。

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2019年05月16日

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ようやくメニー・メニー・シープが登場した。800年を経て物語が1巻に追い付いてきた。しかし住民が惑星上と錯覚する地下空間てどれくらいの広さなんだろう。

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2019年04月20日

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この巻で一巻に繋がる。
ここまで読んだら
完結まで行くしかない。
読むほど繋がっていく、いよいよ
振り出しに戻ってきた。

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2018年10月09日

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『私たちの新しい社会を豊かで素晴らしいものにしましょう。その願いを込めて・・・』
ブラックチェンバー編。コツコツと積み上げてきたストーリーにのみ許される高み。本当に凄い。脳シナプスの結合が止まらない。 巻を進めるほどにルッツとアッシュの存在が気になってきていたけれど、今は光り輝いてる。

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2018年03月13日

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物語はとうとう出発点に舞い戻りか。名前が覚え難くて、登場人物表を開いたまま一人ひとりを当てはまって行く自分…

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2016年11月09日

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宿怨に続くアインとスカウトのメンバー達の物語。

ここに至ってようやくメニーメニーシープの側面が見えてきた。この話を読んでいて、ガンダムのホワイトベースのことを思い出したのだが、状況が状況だけに背負っているものがこちらの方が桁違いに大きい。
スカウトのメンバー達は、かなり訓練された優秀な人材なんだろう。あるいはノルルスカインが後ろで糸を引いているのか。
今回の話は、読んでいて色々と胸に来るものがあり、強く印象に残った。

さて、この「植民惑星ハーブC」においてカドムとイサリが出会うまで、メニーメニーシープ約300年の歴史が始まったわけだが、今後どんな展開が待っているのか、ますます興味深くなってきた。

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2016年07月31日

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小川一水の超大作、天冥の標の第7巻。

冥王斑の蔓延る地上を避け、地下で生き残る人類のお話。
泣きっ面に蜂とサソリが同時に来るかのような状況を、少年たちが苦悩しながらやり過ごしていく。
舞台が狭い閉鎖空間であるのも味方してか、ただ静かに語られる物語といった感じを受けた。

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2014年04月12日

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超面白くてあっという間に読んでしまった。小川一水先生続きを出来るだけ早くお願いします。次が出るまでの数ヶ月が恨めしい。

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2014年02月18日

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―――《救世群(プラクティス)》が太陽系全域へと撒いた冥王斑原種により、人類社会は死滅しようとしていた。
 シェパード号によって《救世群》のもとから逃れたアイネイア・セアキは、辿りついた恒星船ジニ号でミゲラ・マーガスと再会する。
 しかし混乱する状況のなかジニ号は小惑星セレスに墜落、かろうじて生き残ったアイネイアとミゲラは、他の生存者を求めてセレス・シティへと通信を送るのだったが――


天冥の標 第7章

なんだこれはもう、やられた。
しかもその先の更なる真実にも思い至って、読み終わってから一人で悶えてニヤニヤしていた。

これまでとは違い、閉鎖されたミニマムな環境が舞台なこともあって、事態の緊迫感やキャラクターたちの葛藤が身近に感じられた。

とにかく続きが気になりすぎてたまらん1冊だった。





「ちゃぁこいアラート、ちゃぁこいアラート
 サソリに会っても恐れぬことよ
 けだかい心とこはくの瞳、つよい力に、かたい殻
 しっかり応えてくれおるよ―――」

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2014年02月11日

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SF。シリーズ7作目。
政治と都市計画。
比較的サプライズの少ない、控えめな展開だったが、遂に1巻と繋がった…。
あと7冊。とても楽しみ。

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2022年07月12日

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シリーズ第7巻。前巻に続きセレスが舞台となる。少年少女たちのサバイバルが描かれる。ハーブCとメニー・メーニー・シープの由来が明らかになる。そう第1巻へとつながっていくんだ。

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2021年09月28日

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小惑星セレスの地下シェルターに逃げ込んだ人類のあけぼの。

ここでやっと「メニーメニーシープ」につながりました。彼の地の始まり、そして太陽系の終幕。

次巻から「メニーメニーシープ」の続きになっていくのか?「救世群」が外で何をしているかはわからないけども。「メニーメニーシープ」は西暦2803年。「新世界ハーブC」終了時点は2555年。この語られていない時間で、「咀嚼者」たちは何をしていたのか。

メララの子守唄に込められた心情が、未来への希望になってくれることを願わずにはいられない。
『ちゃぁこいアラート、ちゃぁこいアラート
サソリに遭ったら逃げ込んだおることよ
ぼんだい体とからまる血、おごい気性に、はさみ腕
すっぱり切られてしまいおるよ』
『ちゃぁこいアラート、ちゃぁこいアラート
サソリに会っても恐れぬことよ
けだかい心とこはくの瞳、つよい力に、かたい殻
しっかり応えてくれおるよ』

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2019年03月10日

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小川一水版『ルナゲートの彼方』
しかしまあ、なんていうか、よくもここまで壮大な話を書いてくれたもんだ。
とりあえず、ここで一旦『メニー・メニー・シープ』に戻って復習後に先に進みます。

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2014年09月23日

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ながかった…やっと時間軸が戻ってきました。
すべてが崩壊した後の、「今」が作られるまさに暗黒の開拓時代のお話。いくら基礎が少しだけ残っていたとしても、あの人数でよくできたな、としか思えない。一歩間違えれば完全にアウトな閉鎖空間で、よくがんばった!
地味だけど激動の章でした。

ちなみに、救世群って不老になったんですかな?

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

ようやく話が最初に繋がったという感があるのではあるが、それにしても、もう覚えていないぞという感じである。巻末の解説を読み返し、本作を読み、そうか、あの人は前から登場していたのに、こういう人たち、もしくは子孫だったのかということで、やあ、これは覚えらていられないわなという感が強い。

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2014年03月21日

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久々にSF読んだかな。太陽系にわずかに生き残った人類。で、どうやって植民星メニー・メニー・シープの1巻に続くのかと思ってたら、なるほどという感じ。でもまだ地下からやってくる咀嚼者と日本特定患者群連絡医師団との絡みが明らかにされてないね。楽しみ

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2014年03月06日

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やっと1巻の外枠が埋められてきた感じ。ここまで長かった!
そして面白かった!!
今回は極限の状態に追い込まれた未成熟な人類が、
どう対処していくかが、リアルに、そしてファンタジーに描かれている。
緊急不時着した前巻ラストの怒涛の展開より、
そこから後の生き残りをかけた営みの遥かに困難な状況か!!
の展開は1巻までの間の話なのか、1巻から続くその後の展開になるのか。
とにかく待ち遠しい。

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2014年02月02日

Posted by ブクログ

やっっっとたどり着いた。何というミスリード。人々が歴史の中で繰り返してきた国作りのように、土地を広げて、秩序を保ち、この新世界で願望のような神話を語り、真実は一部の人の中だけに生きる。SFを読んでいるはずなのに途中で人類学を読んでいる気持ちになってきた。

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2021年07月03日

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ネタバレ

少年少女の閉鎖空間での悲痛な話
最初はちょっと特異すぎて別作品を読んでいるようだった
だが、話が進むにつれてそれがあの1巻の世界へと確実に繋がっていく確信みたいなものが感じられ、終盤は高揚感があった
あの賑やかで厳しくも楽しかったスカイシーでのスカウトの日々を思うと、その境遇への悲痛さが際立つ

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2015年02月08日

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前巻から想像のうちではあったが、1巻に繋がる話。
想像以上に過酷ではあったが、復活の地や天涯の砦を経た作者の真骨頂かもしれない。

まだあと250年ほどあるし、次巻がサブタイトルが「巨大箱舟」なのでもうちょいと展開あるかもしれないが、1巻の体制はほぼそろったのかな、と。

あとは1巻の続きだな。

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2014年08月06日

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帯に絶望してなかなか読めずにおりましたがようやく読みました。人類とか文明ってけっこうヤワな感じで請われるものなのだなあなんて思ったり。でも全滅ってことは無いと思うんですけどね。

とは言え子供たちだけ避難させるってのは現実的にアリなのだろうか?子供だけ生き残ったってねえ… たとえば教育プログラムロボットとか居ればまだしも。ってそういうプログラムも生活環境を整える仕組みもなくガキンコを五万人施設に閉じ込めたって何割生き延びられるやら。そしてここがルーツで一巻にループするのね…となんとなく感慨深かったり。いやあ、長かった。
この勢いで8巻を読もうっと!

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2014年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メニーメニーシープにつながってしまった。だけど、予想外の展開。重力とか電力とかまだわからないことがいくつかあるから、また意外な方向へ話が進んでいくんだろうか。

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2014年03月05日

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