石井光太のレビュー一覧

  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか
    これは、貧困についての本のなかでもかなり内容があった。
    日本と途上国での貧困を比較して、両者の特徴を書いている。内容が詰まっていて、すごく示唆的な内容が多かった。
    貧困である、ということが人間にとってどうしてこんなに不利な状況を呼んでしまうのか。
    石井光太さんの本には、ほんとうにはずれがない。大好き...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    テレビや新聞だけでは詳しく知ることができない釜石の方達の最期を知ることができました。

    遺体に触れるには、正直なところある程度の覚悟や心の準備がいると思うのです。
    ただ、あの震災の場では、それらを用意する間もなかったことがよくわかりました。

    人の死はたいがい突然やって来るのですが、あまりにも多過ぎ...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    単行本以来の、再読。
    やはり生々しい。石井さんの著作のなかでも、本気の一冊だと思う。被災地をこんなにも近くで見て、書いたものは、ほとんどないのでは。
    この本の執筆は、祈りというべき作業であった、と著者はいう。わたしはこんな石井さんの本気さが大好きです。
  • 物乞う仏陀
    凄まじい実情。
    東南アジアやインドに行ってみたいなと軽い気持ちで考えていたが、こういう面があることを知ると、怖いです。
    人間って自分が生きるためにどこまで他人に対して残酷になれるんだろう。
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    震災の犠牲者と一口に言っても、それは単なる数字の積み上げではなく、当然ながら、一人一人がそれぞれの人生を生きていた人々なのだ。
    最後の瞬間まで、人間としての尊厳をもって遺体を扱う人々の尽力には、本当に頭が下がります。
  • 地を這う祈り
    圧倒される。
    世界には、こんなにも過酷な姿がある。
    「貧しい人たちもいる」とか「大変な目にあっている人たちがいる」とか、言葉にすれば平坦になってしまう。
    この本に収められている世界の姿は、そんな平坦な表現・想像を簡単に吹き飛ばす。
    「自分に何ができるんだろう」なんて考えられないほど、ただただ腹を抉る...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    所々で涙が止まらず。亡くなった人々を数字で置き換えるだけでは、想像力が止まってしまう。それぞれにそれぞれの人生があったわけで。この本の中に出てくる人々はほんの一握り。それを知るだけでも意味のある行為だと思う。震災を心の片隅にとどめておくためにも是非一読を。
  • 写真増補版 神の棄てた裸体-インド・ミャンマー編-
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    東日本大震災では多くの死者が出て、心を痛めた。ご遺族、そして被災された方には、心からお見舞い申し上げます。

    以下、自分の語彙が少ないため、不適切な言い回しがあるかもしれないこと、予めご容赦を。

    人が亡くなれば、お葬式をする。それができない状況ででの対応が、いかに厳しいことだったかが、よくわかった...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    2011年3月11日14時46分
    この日まで、日常が、当たり前に続くと思っていた。
    大きな地震が来て、津波をもたらし、多くの犠牲者を生んだ。

    その二日後に筆者が釜石市に向かい、地元の人たちの遺体回収現場に立ち会い、話を聞いて記した本書。
    映画化にもなったようですが、観に行かなかった。

    民生委員、...続きを読む
  • 僕らが世界に出る理由
    ああこれ子どもに読ませたい。多くの子どもたちに読んでほしいと思う。
    石井光太さんに、すごく救われてるねんなあとあらためて思った。完全に、自分の前を歩いてるひと。
    やっぱり、本気で物事突き詰めようと思ったら、こんなふうにストイックになる必要があるのね。恐れ入りました、本当に。
  • 飢餓浄土
    ここに書かれている話は徹頭徹尾、グロテスクなものを地で行くのですが、その中に感じる人間の強さや弱さ。はかなさやおかしさを思わせます。

    この本はあるWebサイトで連載されたものを書籍化にあたって大幅に改善したものです。内容はというと、世界各国、特に貧困地域でまことしやかにささやかれるうわさや、恐れら...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    2011年3月11日。40000人が住む釜石を襲った津波は、死者・行方不明者1100人もの犠牲を出した。膨大な犠牲者を前に立ち止まることすら許されなかった人たちの記録です。壮絶すぎて言葉がありません。

    石井光太さんのルポルタージュは毎回読むたびに心のここから打ちのめされて、ほかの事が一切手につか...続きを読む
  • 僕らが世界に出る理由
    いざというときに自分の直感を信じて決断できるのは、その人がどれだけ努力によって直感を磨いて、自分に自信が持てるようになったかということに等しいのです 感覚として身についているものは無意識に体が反応するようにしてつかえます 勉強をする時はできるだけ幅広く他分野のことも勉強をするべきだということです い...続きを読む
  • 『遺体』それからの物語

    読んで良かったです

    最後の、遺族にとって震災の悲しみはいつまでも残るが、身内で亡くなった方がいないうちは、すぐに復興を望む、本当に重い言葉、かつ震災はそういうものだったとつくづく思わされます。
  • 物乞う仏陀
    小説のようでもある。詩のようでさえある。しかしこれはノンフィクションである。題名の『物乞う仏陀』が示す独特な世界観を以って貧困の世界を描く。

    衝撃度でいえば「第8章 インド」がもっとも貧困の闇を描いている。しかし他の章にもぜひ注目したい。「第1章 カンボジア」はさながら「羅生門」のような雰囲気を持...続きを読む
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい
    石井光太氏が如何にしてドキュメンタリー作家になったのか、なぜドキュメンタリーを書くのかを綴った本。
    好きな作家さんなのでバックグラウンドを知れたのは良かったのだけど、過去の書籍のプレイバックもあり、興味深く読めた。
    根底にあるのは、人間が極限で見出す「小さな神様」を発見し、それを社会に伝えたい、とい...続きを読む
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい
    初めてこの方の作品を読みましたがとても面白いですね!
    引き込まれるようにして一気によんでしまいました。
    伝えたい!という熱い気持ちが伝わってくるようです。
    容赦の無いリアルな描写に、思わず読むのを中断したり、顔をしかめたりもしました。
    ウソみたいな驚きのエピソードがたくさん描かれているのです。
    精神...続きを読む
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい
    読みやすくて、めちゃくちゃおもしろい本でした。
    石井光太さんが好きな方は、絶対に読んだほうがいい一冊。
    著者にとってのルポを書く意味、その使命感が伝わってくる。
    光太さんの現場を見に行くことに懸けた思い、とても共感する。社会の見えにくいところにこそ、ひとの美しさはあると思う。
    自分はまだまだこのひと...続きを読む
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい
    「現場に行くという事は、当事者になるということ。」フィールドワークを得意とする著者の言葉を重く噛みしめました。