石井光太のレビュー一覧

  • 世界「比較貧困学」入門 日本はほんとうに恵まれているのか
    相対貧困と絶対貧困の比較

    日本が該当するほとんどは相対貧困である
    我々が貧困と聞いて想像するのが絶対貧困の方

    この両者においての差異をさまざまなパースペクティブから読み解いたのが本書だ。

    本当にいろいろなことを考えさせられる。

    世界比較貧困学入門
    絶対貧困(一日1.25ドル以下での暮らし・発...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    震災直後の岩手県釜石市の遺体安置所で様々な形で遺体と向き合った人々の記録。
    これほど読みながら胸が苦しくなるのは初めてかもしれない。途中で読むのをやめようかと思ったが、使命感のような気持ちで読み終えた。
    事実のみが淡々と綴られている。だからこそいかに壮絶な現場だったのかが伝わってくる。登場する人物は...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    最初に手にした絶対貧困を読んで以来、機会があれば読みたいと思っていた著者の本を手にしたのは本書で2冊目です。

    阪神淡路大震災を震源地に近い県内で体験し、震災直後に最も被害の大きかった地域にボランティアとして訪れ、手の空いた時間で近隣を歩き言葉を失った。

    戦争を知らない世代ではあるが、戦地とはきっ...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    新型コロナが世界的に流行してるせいか、生死について考える時間も多くなり、長く積読していたこの本をようやく手に取ることが出来ました。

    釜石市の遺体安置所で、震災当初から奮闘していただいた様々な方々を時系列に、そしてリレー形式で書かれているので、非常に読みやすい本ではありました。

    私自身、母親である...続きを読む
  • きみが世界を変えるなら 言葉を武器に変えて
    子供の頃に出逢いたかった。そして、あと数年したら子供と読みたいと思いました。小学校低学年でも読みやすいのではないかな。

    悩みを抱えた子供たちへ、それぞれのケースにロールモデルとなるような人たちを紹介しながら、どう乗り越えたかを教えてくれます。

    思ってるだけでは何も変えられない。言葉に出して、発信...続きを読む
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)
    「浮浪児たちの人生から生きることの意味を考えることは今の私たちに必要なはず」。著者の問いかけにうれしそうに微笑む元浮浪児の男性。
    戦争を経由し様々な理由で親と別れて上野に集まった子供たち。なんとか食いつなぐ道を見つけ、たくましく路上で生き残っていく者たち。
    そんな子供たちを引き取り、育てあげていく「...続きを読む
  • 虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか
    石井氏の書籍はいずれも取材が丁寧だ。少年犯罪の被害者家族・加害者そしてその治療環境をバランス良く問題提起まで含めて記してある。

    矯正施設を出所した後の居場所作りをどうやって作っていくか? そこが一番の問題になるんだろうけれど、そのヒントとなる部分にも触れてある。

    読むと思わず重い溜息が漏れるほど...続きを読む
  • 虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか
    子を持つひとりの親としては、加害者の背景を少しは理解できつつも、許すことはできないと思う。
    一方で、ひとりの人間として、加害者本人ではどうしようもなく事件を起こしてしまった場合もあり、加害者本人に罪を負わせたところで解決するものではないと理解した。

    本書は、事件の加害者、被害者、加害者の更生に関わ...続きを読む
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)
    朝ドラのなつぞらを思いながら読みました。社会の貧しさやひずみの一番の犠牲になるのは、弱い存在である子供たち。
  • 物乞う仏陀
    内容
    アジアの路上で物乞う人々と触れ合い、語り合ってみたい―。そんな思いを胸に、著者の物乞いや障害者を訪ねる旅が始まる。カンボジアの地雷障害者やタイの盲目の歌手、ネパールの麻薬売人らと共に暮らし、インドでは幼児を誘拐して物乞いをさせるマフィア組織に潜入する。アジアの最深部に分け入った衝撃のノンフィク...続きを読む
  • 遺体―震災、津波の果てに―(新潮文庫)
    当時の状況はこういった本や話を聞くことからしかもうわからない。文章で綴られる当時の様子に、感情がかき乱されました。自分の中でも風化させないように、日本全体としても風化しないようにと思うばかりです。
  • 世界の美しさをひとつでも多く見つけたい
    貧困を主なテーマにデビューしてはや14年。物乞う仏陀を読んだ最初の衝撃は今でも思い出せます。
    自分から現地の人々に立ち交って、泥と汗にまみれて取材するスタイルの出来たいきさつや、子供の頃から今に至るまでのコンプレックスるや苦しみ、とことんまで自分を追い込んで、精神的に崩壊しそうになりながら取材したあ...続きを読む
  • 『遺体』それからの物語

    遺体とそれから、について。

    3月11日、私は遠く九州にいて何気なくテレビをつけた。最初、映像が事実だと思えず、何か映画のワンシーンなのかと思った。
    事実とわかった後ショックで暫く動けなかった。
    その後、日本赤十字を通じて寄付をしたり、某大手薬局で買い占めた生理用品を被災者へ無事届くよう祈りつつ送ったりした。
    全国からの支援金や...続きを読む
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)
    浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち。石井光太先生の著書。戦争によって一番苦しむのはいつの時代だって弱者である女性や子供たち。読んでいて涙が止まらなくなる内容でした。このような悲惨な経験を余儀なくされた浮浪児を生み出す戦争は絶対に繰り返してはいけません。
  • 蛍の森
    家や故郷を追われたハンセン病の人たちが行く当てもなく四国遍路を延々と続ける過去があったことは知っていた。しかしそれは一般の遍路道ではない。カッタイと呼ばれ蔑まれながら人目につかないように移動したり、死体の処理など人々が嫌がる裏方仕事をすることでしのいでいかなければならなかったとは。信仰や発願成就の意...続きを読む
  • 物乞う仏陀
    著者が東南アジアから南アジアにかけての国々でホームレスのような障害者と出会ってのルポ。先天的な身体障害者、知的障害者もいれば、稼ぐために手足を切断されたような子どもたちも出てくる。子どもたちの手足をほんのいっとき稼がせるために奪い、使い捨てのように扱うようなことがこの世の中で起こっている不条理。「物...続きを読む
  • 蛍の森
    山奥の集落で起きた老人たちの失踪事件。養父の殺人未遂で服役経験のある父が関わっているのか、60年前の悲劇との関係は。
    ハンセン病患者が隔離され、差別されていた時代の患者たちの苦しみや悲しみが重い。伝染力の強い病気だと思われていたことや患者の症状が外見に出やすいこと、国の政策であったことから、本当にど...続きを読む
  • 物乞う仏陀
    本当にこれは現実のこのなのか疑ってしまうような内容。特に最後のインドの話は、マフィア物のフィクションを読んでいると思い込みたくなるような内容だ。しかし、そんな現実も実際にあるのだということ。自分が生きているこの時代に場所を変えれば、日本でだってそのような非情なことは沢山あるのだろう。それを知ったとこ...続きを読む
  • 蛍の森
    解説にもある通り、やるせなさを感じた。ハンセン病は教科書で表面上だけ習ったのみで詳しいことはあまり知らなかった。だが本書を通じて、未だに苦しみが続いていることを知った。ネットで気になり検索してみたが本書ほど詳しい情報は載っていなかった。今自分にできることは何かあるのかということを考えるきっかけになっ...続きを読む
  • 浮浪児1945-―戦争が生んだ子供たち―(新潮文庫)
    戦争で親を失くした子供たちは多かったと
    小さいころ、親からきいていた。
    アニメ映画「火垂るの墓」でみすてられた兄妹が力尽きていく姿は印象に深い。
    しかし、日本の歴史の教科書は、終戦の後、すぐに復興、高度経済成長へと、輝かしい軌跡だけを描いている。
    焼け野原と高層ビルの間には、真実何があったのだろう。...続きを読む