石井光太のレビュー一覧

  • おかえり、またあえたね
    世界で数千万人いるといわれる路上で暮らすストリート・チルドレンと呼ばれる子供たち。主人公のトトはその一人です。かわいいタッチで描かれていますが内容は厳然たるもので、私たちに重い現実を突きつけられます。

    僕はこの本の原作を書かれた石井光太さんの本はすべて読んでいて、そのディープな世界に魅了されていま...続きを読む
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~
    「日本企業は中国でつくった一番いい製品を欧米に輸出する。二番目にいい製品を、日本へ逆輸入する。そして、最悪の品を中国本土で売る」…etc。海外でまことしやかにささやかれている日本の「うわさ」です。

    この本は海外でまことしやかにささやかれている日本人に関する「うわさ話」を海外に取材をすることの多い筆...続きを読む
  • ルポ 餓死現場で生きる
    餓死現場で生きる人たちが直面している様々な問題と、問題が起こる背景を実体験に基づいて語ったもの。
    児童労働や売春などは先進国の価値観では許されるものではない一方で、彼らにとって家族が食べていく為の最後の手段だったり、貧困から抜け出せる手段だとしたら、我々はこれらの行為を安易に非難すべきであろうか。単...続きを読む
  • 地を這う祈り
    いいタイトルだ。

    ページをめくるたびにぎょっとした。
    普通は写さない、写しても大きなメディアでは報じないようなシーンがたくさんある。
    死んだ人、死にそうな人、汚いもの、美しくない障害、とりかえしのつかない怪我、薬物。

    たとえば負傷したストリートチルドレンの写真。
    上半身裸で頭に路上に横たわり、巻...続きを読む
  • ルポ 餓死現場で生きる
    データだけでは分からない現実がある。ここに描かれているのは圧倒的な貧困だ。生き延びる為の悪循環は、先進国が考える支援だけでは到底救えない。しかし、現実から目を背けず受け入れ理解したい。
  • 地を這う祈り
    アフガニスタンやインドや東アフリカなどのストリートや貧民窟で暮らす少年少女や障害者や物乞いなどのルポ。

    一日の稼ぎをよくするために病気や怪我を治療しないで物乞いをし続けるとか、写真がまた結構な衝撃で。

    made in JAPANと書かれたペン型の銃とか(もちろん日本製ではないけど)不発弾を集めて...続きを読む
  • ルポ 餓死現場で生きる
    石井氏のルポは、いつもいろいろと考えさせられるものがある。
    例えば児童労働の問題。批判するのは簡単だが、なぜ子どもたちはそこで働かなければならないのかということを考えていくと、「児童労働は”悪”」と単純に決めつけてしまうことの怖さが見えてくる。
    石井氏は批判はしない。ただ弱者の横に寄り添ってくれる優...続きを読む
  • 地を這う祈り
    タイトルに惹かれて購入しましたが、衝撃的な内容でした。日本というか自分自身が生ぬるいと感じて、変な焦燥感が読み終えた後も付きまとって来る感覚があります。写真多めなのでサクッと読める。
  • 地を這う祈り
    「罪悪感のような気持ちがある」。障害者の写真を撮る時の気持ちをそう語る石井さんの言葉を読んで、「目を背けず正面からありのままを見よう」と思えた。
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ~笑える・あきれる・腹がたつ~
    日本人の噂のバイブルとは『日本人だけが知らない 日本人のうわさ』のことです。老若男女、海外経験のある人はもちろん、外国に行った事の無い方もこの本を存分に楽しめます。私たち日本人とは一体どんなものなのか?哲学的なテーゼを面白可笑しく考え直してみませんか。

    (九州大学 学部生)
  • 物乞う仏陀
    アジアの路上で物乞う人々のありのままがかかれています。
    先進国である日本では考えられないような事も
    まかり通るほんとに恐ろしい現状にただただ自分の無力感を
    覚えました。

    不発弾がごろごろと転がる村で力を合わせて
    必死に生きている人々

    シンナー中毒で路上を這いずり回るストリートチルドレ...続きを読む
  • 無縁老人 高齢者福祉の最前線
    さまざまな辛さを抱えた高齢者のルポ

    著者はあくまで弱い立場の側の人々に寄り添うので、言及されないが、
    この国は安い賃金で高品質のサービスを求めすぎであり
    一般市民、労働者の搾取によって成り立っている仕事が多いと言わざるを得ない。

    国会議員や経営者、特権階級のような人々はこういった本を読むことが果...続きを読む
  • ルポ 誰が国語力を殺すのか
    他者の気持ちを考えて、自分の気持ちを整理して、理解して貰えるように伝える力(国語力)がない人が増えている。
    その原因として、家庭環境・ゆとり教育による国語教育レベルの低下・SNS普及による極端な言葉の使用増加が挙げられる。
    国語力の低下は、ゲーム依存や少年犯罪をする人が何故その行動をしたのか、そもそ...続きを読む
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉
    感情に訴えてくるような文章の書き方に中々慣れなかったが、全体的には読みやすい内容だった。

    自分の幸せは、自分だけで作れるものではなくて、
    人との関わりや様々な人が生み出した技術やサービス、制度に助けられて成り立つものだったことを思い出せた。そして、逆に生活環境や社会の仕組みによって不幸が連鎖してい...続きを読む
  • 43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―(新潮文庫)
    事件に関する本は沢山読んでいるが、毎回何とも言えない気持ちになる。今でも心に深く残る事件の一つ。どこかで防ぐことは出来なかったのかな。運が悪かったと言う表現があまりにも辛い。せめて加害者達が心から反省し、罪を償う姿勢を見せてくれればと思うが、それも叶わないとは。
    少年法に限らず、今の時代に追いついて...続きを読む
  • 無縁老人 高齢者福祉の最前線
    人類が進化するのは世代交代があるから。養うべきは下の世代。生存競争に敗れた上の世代は捨て置かれる。累犯、自殺、孤独死。ドヤ街での職探しに、引き取り手のない遺骨。‥そんな中で立ち上がろうとする人々。助けようと奮闘する取り組み。過去があるから今がある。大人から子供が生まれ、老いる人がいるから若者が育つ。...続きを読む
  • ルポ 誰が国語力を殺すのか
    面白くてどんどん読み進められた。国語力は全ての要となるスキルで、他者とのコミュニケーションは勿論、自己マネジメントにも不可欠。国語力が無ければ内省もできない。読書が心を落ち着けるのは言語を通して自己の感情を還元できるからのように思う。
  • 格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉
    "両者は、同じ地域に住みながら乗っているレールがまったく違うので、接点がないに等しい。だから相手のことを理解することができず、何かあれば「貧しいのは努力していないからだ」とか「金持ちは不当に富を独占している」と自分の想像だけで相手のイメージをつくり上げるので、距離は開くばかりになる。
     無理解の先に...続きを読む
  • 世界と比べてわかる 日本の貧困のリアル
    世界との違いは、世界では富裕層と貧困層が分かれて生活する分断型であるのに対して、日本では混在型であること。
    分断型社会では、貧困層が宗教等に基づいた共同体を作成して相互扶助で生活しているのに対して、混在型の日本では貧困層は孤立する傾向がある。
    日本では、生活保護などのセーフティネットが他国と比較して...続きを読む
  • 近親殺人―家族が家族を殺すとき―(新潮文庫)
    どの事件も身につまされ、他人事では済まされない。その決断を下す前に出来ることがあると言うことを改めて実感する。いざと言う時、自分はそこに気がつくことが出来るか自信はない。