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世界がひっくり返るほどの感動をしたからこそ、なんとしてでも人にそれを伝えたい――。その一心だけを胸に日本を飛び出し、スラム、事件現場、被災地など国内外様々な場所へ赴き、ひたすら現地で生きる人びとと交わり、その記録を生業にした、いま最注目のルポルタージュ作家が初めて綴った、感動的かつ革新的な人生訓。いかなる惨状の中でも必ず希望を見出し生き抜く人間の生命力から、これからの日本に必要なことを問う。
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Posted by ブクログ
千葉さんと、赤ちゃんを亡くした夫妻との再会。両者をつなげた石井さんの本の力。 現場を体験し、当事者となった責任。 小さな神様、小さな物語が誰にでもある。 12歳の自分ならどう言うか。 自分の恥ずかしい部分も出さなくては。 題名にふさわしい内容。これからも石井さんの本をたくさん読みたい。
貧困を主なテーマにデビューしてはや14年。物乞う仏陀を読んだ最初の衝撃は今でも思い出せます。 自分から現地の人々に立ち交って、泥と汗にまみれて取材するスタイルの出来たいきさつや、子供の頃から今に至るまでのコンプレックスるや苦しみ、とことんまで自分を追い込んで、精神的に崩壊しそうになりながら取材したあ...続きを読むらゆる苦しみの形。そんな貧困の中から生まれる優しい光を誰かに伝えたいという使命感が胸を打ちます。打たれ過ぎてあばらが折れるのではないかと思うほどでした。 印象的だったのは、どんな境遇にあっても、誰の胸の中にもある「小さな神様」「小さな物語」の存在でした。本当に神に祈るわけではなく、どんなに困窮していても、心の底にある良心や希望の事を指しています。 昔から、何故こんなに苦しい事ばかり取材するのだろうか。やはりてっとり早く話題になりたいからなのか?と思った事もありました。でもこの本を読んで、心の隅に巣食っていたそんな疑問は雲散霧消です。彼の視線を信じる事が出来、世の中のどんな絶望的な状態からも光を見つけ出すための指針となる素晴らしい本でした。
スラム貧困街や被災地など、文明も社会保障もない本能むき出しの人間が生きる場所を取材し、住人たちの声を書き続けるライターの自伝。 著者の作品を読んだことがある人なら、おそらく持つであろう疑問。なぜ、そんな危険を犯してまで書くのかという点に答えている。 その答えはズバリ、タイトルにある。貧しく悲惨な...続きを読む場所でも人は生きようとする。未来には絶望しかなく、死んだ方がマシという状況でも、人は妄想で都合の良い「小さな神」を生み出し、それにすがる。そこから生み出される生命力を著者は何よりも美しいと感じる。そして、自分の心を突き動かされたことを人に伝えたいと思う。それが、著者の揺るがない作家精神だ。
石井光太氏が如何にしてドキュメンタリー作家になったのか、なぜドキュメンタリーを書くのかを綴った本。 好きな作家さんなのでバックグラウンドを知れたのは良かったのだけど、過去の書籍のプレイバックもあり、興味深く読めた。 根底にあるのは、人間が極限で見出す「小さな神様」を発見し、それを社会に伝えたい、とい...続きを読むう願望。救いの根源。小さな物語。宗教的ではなく、神は心の中に存在する。人は優しさを求める。 バングラデシュのストリートチルドレンのレミジーの話を読んだ時、全身の毛がざわっとなるのを感じました。
初めてこの方の作品を読みましたがとても面白いですね! 引き込まれるようにして一気によんでしまいました。 伝えたい!という熱い気持ちが伝わってくるようです。 容赦の無いリアルな描写に、思わず読むのを中断したり、顔をしかめたりもしました。 ウソみたいな驚きのエピソードがたくさん描かれているのです。 精神...続きを読むが壊れそうになりながらも、数々の作品を描き続けたというのは本当にすごい。 過去の作品も遡って読んでみたいと思います。
読みやすくて、めちゃくちゃおもしろい本でした。 石井光太さんが好きな方は、絶対に読んだほうがいい一冊。 著者にとってのルポを書く意味、その使命感が伝わってくる。 光太さんの現場を見に行くことに懸けた思い、とても共感する。社会の見えにくいところにこそ、ひとの美しさはあると思う。 自分はまだまだこのひと...続きを読むのように強くはないけれど、いつか、このひとみたいになりたいと思った。少しずつでも、ひとのことを救えたら。
「現場に行くという事は、当事者になるということ。」フィールドワークを得意とする著者の言葉を重く噛みしめました。
ルポルタージュ作家の石井光太さんの本。何冊か著者の本を読んでいるがなぜ彼がこの職に就いたのか、何を考え何を伝えたいのかが良く分かる本。 著者の本は胸に迫るような様々な悲惨な出来事を伝えてくれる。その中での光ー小さな神様や物語をこれからは見つけていこうと思う。私が作者買いをする一人。
本書を読むまでは、石井光太氏はジャーナリストだと思っていた。そのため、世界の国々の惨状を伝えるべくカメラを向け、言葉を紡いでいるのだと勘違いしていた。しかし、その惨状の中でも希望を見いだし生きていく人たちの力強さと美しさを伝えたい。その気持ちを胸に執筆していたことを本書を通して初めて知った。 繰り返...続きを読むしでてくる一人一人にとっての「小さな神様」 想像もできないほどの絶望や状況の中で、人は何を胸に抱いて生きていくのか。そんな著者の真摯な眼差しに心うたれた。 ー私は他者を見つめるさいに大切なのは、相手がどんな小さな神様を抱いているのかを知ることだと思います。(中略) 小さな神様を見つけるためにはどうしたらよいのでしょうか。(中略)「自分の文脈で勝手な価値観を押し付けるのではなく、相手の文脈で大切にしているものを探す」 何が不幸で幸福なのか。それはその場所その場所で懸命に生きている人たちの「小さな神様」に集約されている。それを知らずに、正義という大義名分を振りかざし、こちらの価値観で物事を解釈したり論ずる事はただの思い上がりでしかない。黒か白か、正義か悪か。それのみで判断できる程自体は単純でもなければ人間は強くもない。グレーであるかもしれない部分にすら寄りかからなければ生きていく事すら難しい極限状況の中で、人は皆それぞれの「小さな神様」を懸命に抱きながら生きている。それでも人は生きていこうとする。その生命力に、力強さに胸を打たれる。 ーつまり、絶対悪も絶対的犠牲者もいない混沌が世の中の現実なのだという結論を提示したのです。 物事をより多面的にごまかしなく捉えようとするその真摯な姿勢を感じる。人はわかりやすい物語を求めがちで。でも現実はあまりに複雑で重い。そうした現実を真っ正面から見つめている著者の真摯な姿勢に深い感銘を受ける。 ー私が伝える意味は何なのでしょうか。(中略)第三者が認める事で初めて、「小さな神様」や「小さな物語」は、それを必要とする人々の胸の中で生き続けるものである。 2013年 ポプラ社
素直に読めた。 人には、それぞれ小さな神様、小さな物語があり、それを拠り所にそれぞれ自分にとっての真実の人生を歩んでいる。 人生はその人のメガネを通して存在している。他の誰の世界とも同一ではない、ということ。 真実はその人の中にだけ存在する。
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石井光太
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