永瀬隼介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった〜!でも、長かった〜!
600ページにも及ぶ長編!活字も小さいし…これは老眼の影響か…(~_~;)
戦後三大未解決事件とも言われる「三億円事件」を題材に。
金銭的被害がないのもあり、被害金額2億9430万7500円の語呂から、「憎しみのない強盗」とも言われたみたい。
でも、実は…
警察の組織の論理が優先し、事件をうやむやにして、時効を迎えた事件。
でも、それが、30年以上してから、また動き出す!
ほんまの事件の事実と絡ませながら、上手くミステリーとして仕上がってるわ!
警察組織って、ほんまに許せんな!って思えてくる。
「嘘つきは泥棒の始まり」って言うけど、その泥棒を取り締まる方が、嘘 -
Posted by ブクログ
訪日する米大統領の暗殺計画を察知し、それを阻止すべく活動する新橋署刑事課特別治安室(NEO)の話だが、 70年代の過激派の解説を懐かしく読んだ.深町陽は中東に渡って様々な事件を起こした伝説的な春の息子で、余命いくばくもない母からの殺人指令を得て実行する.最後が米大統領.NEOの久世、黒澤、堤は怜悧なキャリア宮本紀子の下に、元過激派の宇喜多修と接触.さらに収監中の甲斐宗太郎も巻き込んで、陽の動きを探るが、暗殺決行地がつかめない.春の言葉から武田次郎を割り出した宇喜多が強烈な拷問で次郎から場所を聞き出す.決行の場面はスリル満点で一気に読んだ.甲斐と宇喜多の信念には奥深いものがあるように感じた.
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Posted by ブクログ
現代のマスコミの状況に対し、「もはや新聞社に木鐸としての存在は期待できない」とか、「硬派のキャスターも反骨のコメンテーターも官邸の圧力に負けて次々に降板に追い込まれ」とか、あるいは現代日本の政治状況を暗喩し「中国韓国を挑発して強い日本をアピール」とか、作中人物に言わせ、ノンフィクションライターだった著者の本領が発揮されるサスペンスフルなエンタメ。
右傾化を隠そうともせず独裁者への道を歩む総理大臣。
経済的徴兵制を計画するその総理に一矢を報いんと、彼のスキャンダルを手にしたフリージャーナリストが立ち上がる。
婚約者にも逃げられた臆病者で弱気な彼を支援するのが、結成されたばかりの新橋署刑事課治安室 -
Posted by ブクログ
1992年3月に市川の一家四人が殺害されるという衝撃的な事件があり、本書は死刑判決の確定したその犯人に対する交流の記録である。どうしてそんなことになったのか、当然ながら筆者は犯人の生い立ちにも理由を求め、アルコールで身を持ち崩した父、1人で頑張って犯人と弟の生活を支えた母、その母子家庭に温かい目を注いだアパートの大家夫婦などのエピソードを重ねていく。少年時代の犯人の生い立ちを読むと、その過酷な試練に同情せざるを得ない。また、そんな中で少なくても小学校時代までは素直な、到底後に凄惨な殺人を引き起こすようには見えない。おかしな方向に転がっていくのは、身体的にも強くなった中学生時代に良い環境が周囲に
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ネタバレ評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
暴力団・東鬼会の構成員と、警視庁・浅草警察署の巡査。高校柔道部の同期生・香坂一と弓削慎二は卒業後、対極の道に進んだ。互いの仕事と一人の女性をめぐり危うく交錯しながらも、絆を保ち続ける二人。だが、それぞれの世界で伸し上がる果てに、決定的な局面が…警察小説、ノワール、青春小説の醍醐味満載の大熱作!
ここまで自分を犠牲にして友情を守る人が果たして極道などになるのか?との疑問は残るが・・・
納得いかないのは香里だね。旦那は警察官として懸命に働き、香坂君はヤクザとして不器用に生きているというのに高校時代の恨みで家庭を壊しちゃうなど、土岐じゃないが「とろい -
Posted by ブクログ
1992年におきた市川一家4人殺人事件の犯人である当時19際の少年やその関係者からの聞き取り等をまとめ、事件と犯人や関係者の心情などをまとめたノンフィクション。
内容を見るだけで気分が悪くなるくらい凄惨で恐ろしい事件だが、少年の当時の心情も普通では考えられない思考だが、少年なりに自己分析を行ったのだろうと感じた。自らが死刑を宣告されて初めて被害者の恐怖を知った、死ぬことは確定しており、目標もなくどうやって生きていけばよいのかという部分は、被害者や遺族からすれば怒りどころか言葉もないと思うが、とてもリアル。当然、人の命を奪っている以上、それも含めての罰であって、同情の余地もないのだが、感情として