永瀬隼介のレビュー一覧

  • 19歳 一家四人惨殺犯の告白
    千葉県で起きた一家四人殺害事件の犯人である当時19歳だった少年を追ったノンフィクション。
    父親に暴力を振るわれ、小学4年生の時には夜逃げ同然で引越しを余儀無くされ、貧乏を理由に学校では馬鹿にされる…。
    その生い立ちをみれば、少年にも同情すべき点があるようにも思えるが、筆者も、また被告本人も述べている...続きを読む
  • 19歳 一家四人惨殺犯の告白
    当時19歳、一家四人を殺めた被疑者のノンフィクション。読後は暫くこの事件のことが頭から離れない。被害者とその家族のことを考えると「他人の命を奪う」という行為がいかに卑劣で罪深いことなのかを改めて思い知らされる。
    著者が公判中に被告へ差し入れたという、死刑を扱った小説で加賀乙彦著の『宣告』新潮文庫も読...続きを読む
  • 嘘と少年
    「ある目的のために森へ入っていく少年」という帯の言葉にひかれて手にとった。少年の、冒険譚なのかと思ったのだ。
    しかしそれは冒頭の部分で違うとわかった。最初から違和感のある描写だった。「わたし」のあり方がなんとなくおかしいのだ。
    読み進むと、森へ行ったのは子供の頃の話だったとわかる。

    この、少年時代...続きを読む
  • 閃光
    昭和の大事件である三億円事件。
    うっすらとしか三億円事件を知っていない自分にとっては、かなり面白かったです。

    単独犯説、複数犯説、警察の組織、隠蔽
    登場人物の背景も十分に書き込まれていて
    自然に惹き込まれてしまうミステリー

    実際に時効が成立してしまっている謎の事件
    真相がとっても、とっても気にな...続きを読む
  • 罪と罰の果てに
    5月-4。4.0点。
    千葉の田舎町。キリストさんと呼ばれる浮浪者。
    中学の同級生、野球部と不良と、新興宗教から逃げてきた兄妹。
    事件が起き、ばらばらに。
    大人になった中学生たち。運命のように再び絡み合う。

    何となく読み始めたら、重さにタジタジ。570頁一気読み。
    ご都合主義的な面もあるが、読ませる...続きを読む
  • 罪と罰の果てに
    途中で結末の予想がつてしまったが、分厚さの割に最後まで飽きずに読めた。久々にいい作家に出会えたかもしれない。
  • 灼夜
    母子家庭育ちで、どちらかといえばヘタレ気味の中学生が、ひょんなことから誘拐に端を発した激動の1日に巻き込まれる。
    これだけ全員が私利私欲のために仲間をためらいもなく裏切りると、むしろ潔く感じてしまうような感覚に陥った。
    暴力に満ちた作品なのに、少年の成長が好ましく、後味が決して悪くない不思議な作品で...続きを読む
  • 帝の毒薬
    満州七三一部隊、帝銀事件、地のメーデー事件といういまや歴史上の事実を題材に時代の大きな物語に巻き込まれながら、記録されることもない主人公の怯え、怒り、暗い情念、焦燥をくっきりと浮かびあがらせている。ここにはまぎれもなく大きな物語が生きていた時代があり、大きな物語に関わることで
    必然的に輝いていた人間...続きを読む
  • 帝の毒薬
    戦後日本の帝銀事件を題材とした骨太ミステリ。
    満州にある部隊に属していた羽生誠一は、ハルピンの華やかな闇の中で記者である梶や特務機関員である片岡、歩哨仲間の山下と出会う。敗戦の色が濃くなり、上層部は人体実験の暴露を恐れ証拠を隠滅し遁走する。
    刑事になった羽生は帝銀事件の応援をする事になるが、鑑札でも...続きを読む
  • 帝の毒薬
    永瀬隼介の作品で第二次世界大戦物という作品。

    そういえば3億円事件の作品もありましたね、ただコレはボリュウムがあるのでかなりオナカいっぱいになります。

    731部隊や帝銀事件とかはあんまり詳しくないので自分自身としては新鮮でした。

    ただ、悪人というかそうゆうひとはいつの時代でも存在して今も昔も変...続きを読む
  • 19歳 一家四人惨殺犯の告白
    筆者の主観にあまり興味はなかったので★4つにしましたが、内容はとても面白いものでした。
    興味深く、面白く、最後まで一息に読みました。
    ただ、これは好き嫌いはものすごく割れると思います。人によっては読んでもひたすら胸糞が悪いだけだと思います。
    私はひたすら犯人に感情移入して読みました。得難い体験だと思...続きを読む
  • 閃光
    玉川上水で見つかった男の死体は、三億円事件の容疑者のものだったが・・・
    この位ボリュームがあると、読んだなって気になる。
    虚実のバランスも絶妙だし、ウマッ。
  • 嘘と少年
    ふと手に取った本です。

    読んでる途中、何だか不思議な感じがして
    そわそわしながら読んでいました。

    成程。そう言う事か。

    悲しい事実があるのだけれど、何故だか私の中には
    キレイな印象が残っています。
  • 閃光
    内容(「BOOK」データベースより)
    玉川上水で男性の扼殺体が発見された。捜査陣に名乗りを上げた老刑事・滝口と相棒に選ばれた巡査部長の片桐。滝口はこの殺人事件に三十年以上前に起きた“三億円事件”との接点を見いだす。その頃、殺された男と三億円事件当時仲間だった連中がにわかに再会を果たしていた。昭和最大...続きを読む
  • 嘘と少年
    途中から、あれ?何かおかしいな?という感覚にとらわれて、段々その正体が解ってきた。ミステリーとは違うけど、不思議ながらも読みやすかった。ラストは、ちょっと予測できて残念だったけど、全体的には面白かった。
  • 去りゆく者への祈り
    元警官の探偵が依頼者の息子を捜しに東京来たところ、歌舞伎町の中国系マフィアと暴力団、警察の抗争に巻き込まれる。設定自体はハードボイルド小説で本当によくあるものですが、登場人物の個性と背景の設定うまくできており、読んでいて陳腐さを感じさせない作品に仕上がっています。
  • 19歳 一家四人惨殺犯の告白
    4歳の幼女を含む一家4人を惨殺し、高校生の長女をヒマつぶしに家族の死体の横で強姦する、19才鬼畜(現在死刑囚として、収監中)とのやりとりのノンフィクション。

    これだけの大事件なのに、あまり報道されてないのは何故なのかな?

    それはさておき、19才だから死刑は無いだろうと思ってた時点でこいつは馬鹿過...続きを読む
  • 誓いの夏から
    2011/7/30
    永瀬さん初読です。そもそもちょっとした手違いで読み始めましたが、ぐいぐい引き込まれて一気読みしてしまいました。それにしても19年は長すぎませんか。そして、この結末は悲しすぎます。
  • ノーマンズランド上 無人地帯<新装版>
    好きな作家さんで、最終的に読み終わってナットクはしたのだが、
    うーんどうもテンポがね。

    最後の畳み込むような緊張感はあったものの、それまでのシナリオが、
    長く長い伏線、にしては微妙な終焉、ということで中だるみもひどかった。

    永瀬作品に登場するカリスマも、短い登場のせいか
    イマイチその魅力が十分に...続きを読む
  • 去りゆく者への祈り
    前日に引き続き、たまたま日本を舞台にした中国と日本との歴史を考える切ない一冊。

    少しだけ救われる箇所が多かったのが、香納作品(孤独なき地)との違いか。
    組織からはみ出て、でも少しだけ自分に意地がある主人公と、
    誇りと祈りを胸に歯を食いしばって生きる中国人、
    組織のために狂ってゆく警察関係者、
    群が...続きを読む