山田詠美のレビュー一覧

  • A2Z
    パートナー以外の人に恋することはある。
    結婚していてもそういうことは現実としてあると思う。
    相手を大切に思う気持ち、自分を大事にする気持ちを考えさせられた。
    不倫のお話だが素敵な小説だった。
    出てくる人たちの素の心が上手く書かれていて好きな本でした。
  • 風味絶佳
    恋愛小説はちょっと苦手だけど、これは比較的読みやすかった。印象に残ったのは「春眠」。章造の気持ちを考えると…だけど、こんな愛の形があってもいいんじゃないかな。
  • ぼくは勉強ができない
    主人公の時田秀美はもちろん、その家族にとても愛着が沸いた。彼らのようなダンディズムをもった大人に出会いたい。
    番外編の眠れる分度器の最後の秀美の発見すごくないですか?ぞくぞくしました。そんな考え方があるのか!
  • ぼくは勉強ができない
    山田詠美さんの思うかっこいいが丸く詰まってる。

    かっこいいが何か分からないとき、それは日々起きるけど、秀美が基準になる。

    あと、秀美のお父さん一回だけ出てきてよかった。
  • 賢者の愛
    真夜中、一気に読んでしまった。
    山田詠美の小説の中で「僕は勉強ができない」と同じくらい好きな小説になった。

    好きな人を取られ、敬愛する父をも取られ、精神が崩壊してもおかしくないような仕打ち。
    それでも彼女は強く生きていた。取る側になる、罪を犯さない復讐。これ以上美しい復讐はないと思う。できないけど...続きを読む
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    山田詠美2作目。
    前作よりエイミーエイミーしてなくて家族愛中心だけど相変わらずドロドロしてる。
    よくもまあこんな話と文章が書けるよな、近くにいても怖くてきっと友達になれない。そろそろ禁断症状でそう、次の作品読まなきゃ。
  • 4U ヨンユー
     慕い合う男女(稀には病的な女性も登場する)を描いて、穏やかで、心を衝く場面がある。
     我が儘そうな(と言って悪ければ異端者だった)彼女が、風格を帯びた1因は、恋愛短編小説のアンソロジー「せつない話」(1989年、光文社・刊、既読)、続編(1997年、光文社・刊)を編んだ事が大きいと思う。多くの小説...続きを読む
  • 100万分の1回のねこ
    個人的には楽しめたけれど、予想以上に毒が利いていた(笑)。
    確かに絵本も毒は利いているんだけれどさ。
    何ていうか大人向け『100万回生きたねこ』。
    それぞれの小説はおもしろいんだけれどもさ。
  • マグネット
     いきなりだが、性行為を中心とする、男女の性の有り様について、品格と機知を伴って、9編は描かれる。ただし1人称小説が多い。
     山田詠美を「短編小説の名手」と評価する、評論家が現れたことも肯ける。
     黒人男性との性行為を描いて出発したイメージの強い、山田詠美の作家としての成長を読む思いである。ネタバレ...続きを読む
  • 風味絶佳
    長男と二人で読む、息子に読ませる以前に何度も読んでいたので、安心して与える事が出来た。傷心した日には、思い出してほしい一冊。
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    数年ぶりに読み返したらあらすじボヤッとしか覚えてなく新鮮に読めて、すごく良かった
    うまいの一言に尽きる。小説って技術が要るけど、これ見よがしだったり、奇をてらいすぎるものが技術と評価されるのでは無い。無駄のない適切な言葉のチョイス、感情の機微に敏感な描写こそがそうなのだ、と再認識させられる
  • ジェントルマン

    ため息がでた。

    失恋の真っ只中に読んだからか、美しい話だと思った。
  • マグネット

    はじめて読んだ山田詠美さんの本。
    描かれているのは恋愛と罪の意識。
    どれも都会っぽいおしゃれさとロマンチックさが詰め込まれているかんじがして、なるほどこれが山田詠美かと思いました。笑
    歯が浮くようなセリフを堂々と言う登場人物にすこしドキドキしたり(外国っぽい!)泣きそうになる切ないお話もあったり。...続きを読む
  • 晩年の子供
    内容は作り物にしても、その中で情緒をこれほど豊かに表現できる著者の表現力に対して、惹かれた。幼い頃の情緒は、それが何ものなのかをまだ知らず表現も出来ない内に時間の経過を経て簡単に流れてしまう。大人になってからは意識したって立ち止まることさえできない類のもの。しかしそれは大人にとっては小さいが、子ども...続きを読む
  • 賢者の愛
    これでこそ、楽しみにしていた甲斐があるというものである。
    やっと文庫化された。やっと。WOWOWでドラマ化された際に見た、あの耽美的な世界に憧れて、もうこの何年も思い出すたびに文庫が出てはいやしないかとヤキモキしていたのだ。
    そして、その甲斐はあった。良作、名作である。そしてこの何かの理屈を掴みかけ...続きを読む
  • 晩年の子供
    子供の目で森羅万象をしっかりと捉えている。痛々しくも確かな作品。自分の幼少時代を振り返らずにはいられない作品。
  • 女性作家が選ぶ太宰治
    読んだことのある作品もそうでない作品もあったけれど全体を通して楽しかった。
    やっぱり太宰治が好きだなぁと。

    女生徒、恥は読んだことのあった作品。好きな作品は何度読んでも楽しめるし、何度だって読みたくなる。
    そのうちまた読みたい。

    古典風、秋風記。今回初めて読んだ作品の中ではこの2篇が私の中でベス...続きを読む
  • 色彩の息子
    小さなお盆の上には、鍋焼きうどんが乗っていた。化粧の匂いをぷんぷんさせてね。
    この女ときたら、親父が戻るまで、まったく隙のない化粧をして、待ってるんだ。本当に好きもんだよ。
    冗談じゃねえ。
    死んじまえばいいんだ。
    (陽ざしの刺青/声の血/顔色の悪い魚/高貴なしみ/病室の皮/草木の笑い/白熱電球の嘘/...続きを読む
  • 風味絶佳
    男と女はかくもままならぬものかな。ままならぬものだ、というのは話に出てきた女の子が言ってたんだけどもね、男女関係、あらゆる小説においてこれが語られることはほとんどなく、太古の昔から語らるにも関わらず、いつまでも誰もが学ばずに、そしてままならない。いやはや。
    でもそんなままならない話ばっかりだから読ん...続きを読む
  • 晩年の子供
    きりっとしまった短篇集。
    あとがきによると、子どものころ過ごした地方都市で感じたことを書いているらしいが、こんな当時の切ない気持ちを書けるなんて・・・。
    「桔梗」「花火」にグッときました。