山田詠美のレビュー一覧

  • ファースト クラッシュ
    初恋という熱病におかされるのは一度しかないのは幸福であるのと同時に女であることからは逃れられないことだと
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    買っておいて良かった。

    特に『ジェシーの背骨』素晴らしい
    男と女。
    恋と愛。
    親と子。
    全てが詰まっている。
  • ぼくは勉強ができない
    学生時代に読まなくてよかったと思った。
    学生がテーマの話があまり好きじゃないからさらさら読んじゃったけど、さすが山田詠美さんだ〜という陳腐ですがストレートな感想を持ちました。
    賢者の愛より先にこちらを読みたかった…
  • タイニーストーリーズ
    微分積分
    深い孤独を覗き込んでいたら短刀で抉られるような。昼休み、生暖かい休憩室でしばし凍りついた。
    若い頃から詠美さんの短編、かっこよくて軽妙で大好きだった。これは鳩尾をサバイバルナイフでサクッとやられる痛さ。
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    言葉が流暢で小気味よい美しい文章。そこに描かれる世界は屈折した純度の高いプリミティブな女の愛の形。破壊され支配されることに一種の陶酔を覚えた自己犠牲の愛。堕落の美学といえばよいだろうか。山田詠美氏ならではの感性で描かれる惹き込まれる世界。
  • 血も涙もある(新潮文庫)
    不倫の三角形を形作る、愛人・妻・夫それぞれの視点からの日記風な文章で構成される小説。不倫もののドロドロや、どうなるんだろう?というハラハラ感で引っ張るお話ではなく、なんだか哲学的でエッセイっぽい淡々とした雰囲気の物語。
  • 肌馬の系譜
    山田詠美さんが描く人間はずるくともいやらしくとも、気高く品があって自分の本物を知っているのだ。あとがきに共感。これからも人間の事情を丁寧に描いて欲しいな。戦慄したりクスッとしたり、自分と重ねたり。最後のお話が好き。
  • 風味絶佳
    読後の後味は甘すぎるチョコレートやキャラメルを嚥下した後、喉に絡みついたり、ひりひりする感覚に似ている。
    どれだけ甘くて楽しい生活や恋をしていてもどろりとしたそういう感覚にふと陥ることは小説の中だけではなく、現実世界で恋愛に囚われずともあると思った。

    肉体労働に日々勤しむ男性に愛されるため、隠しご...続きを読む
  • 肌馬の系譜
    「肌馬」この言葉も初めて知った。種馬なら知っていたけど。子馬を産むために繁養されてる牝馬。種馬の対義語。
    なるほどね。
    けっこうブラックな短編集だった。
    できれば第一章の「わいせつなおねえさまたちへ」のその後の坊っちゃんの人生(小説では大学院生まで)も読みたかったわ。
    ラストの章の「時には母にない子...続きを読む
  • 肌馬の系譜
    ポリコレとPC(ポリコレ)は時々相容れない。
    だからこそ、文学には意味がある。
    わかりやすいくらいにそんなことをわからせてくれる短編集だと思った。

    ぐちゃぐちゃとした情愛というか、歪んだ愛というか、愛故に歪むというか、そんな話もけっこう収録されていて、
    また、PC(ポリコレ)に対して疑問を投げかけ...続きを読む
  • 私のことだま漂流記
    山田詠美の本を初めて読んだのは、放課後の音符。
    それ以来大好きな作家となり、エッセイでのポンちゃんもまた大好き。
    懐かしい本のタイトルが出てくるたびに、自分の過去も思い出した。
    忘れていた大事なことを思い出させてくれた。
  • 血も涙もある(新潮文庫)
    「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。
    少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。

    私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。

    同時に、「寝取られる側」にもプラ...続きを読む
  • つみびと
    珍しく文庫を待たずにハードカバーで購入したもの。山田詠美のファンだけど、これは良い意味で山田詠美らしくない作品。でも、山田詠美にしか書けなかったとも思う。

    それだけ大切に、出来るだけ事実に基づいて書かれたのかと推測した。女性として、母として生きることの難しさ、子育てが容易に女性を孤立させてしまう怖...続きを読む
  • 血も涙もある(新潮文庫)
    大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。

    山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。

    今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数だけ正解があるんだか...続きを読む
  • 血も涙もある(新潮文庫)
    読み始めは、これあんまり好きじゃないかも…と思ってたが、さすが山田詠美先生という感じ。あんまり書くとネタバレになるから言わないけど、非常によかった…
  • ファースト クラッシュ
    父の愛人の子に恋してしまった三姉妹の物語

    父の愛人が亡くなって引き取られてきた男の子、新堂力(リキ)

    裕福な家庭に暮らす高見澤家の三姉妹
    長女の麗子は「お嬢様気質」
    しかしその振る舞いは空回りしているように見える

    次女の咲也は読書家で斜に構えるひねくれ者

    三女の薫子は天真爛漫
    力とは犬仲間の...続きを読む
  • ジェントルマン
    ラストの方は、なんだかホラー小説
    からのメリバ、、、。
    とはいえ、巧みな文章で、ぐーーーっと引き込まれての一気読み。

    実際にだれからもジェントルマンと言われる友人がいるが、そういう彼もどうしようもなく弱いところや、醜い部分がある。
    『紳士と呼ばれる奴もどこかにシミがあるものさ』と自論を持っているが...続きを読む
  • 100万分の1回のねこ
    100万回生きたねこから、こんなふうにインスピレーションを受けるんだなぁと、どのお話も面白かった。一番面白かったのはゲームの中のネコの話。
  • A2Z
    アマプラで深キョンが主演でドラマをやる、という予告を見て気になっていた話。
    先にドラマを見て、何とも「小説的だな」と思ったことから、実際に小説を読みたくなり本を手にしてみた。

    ドラマを先に見ていたからか、小説の内容がかなりスムーズに入ってくる。
    もちろん登場人物は、深キョンはじめ他の俳優たちがドラ...続きを読む
  • A2Z
    登場人物たちの
    意外にくだけた言葉遣いが心地よく、
    テーマ性のわりにとんとん話が進んでいく感じが
    印象的だった。

    私には私の恋愛経験があり、
    そんなに物語性はないかもしれないけど、

    あの頃の心の内を
    山田詠美さんに言語化されたら、、、?(๑・̑◡・̑๑)
    あとがきの江國香織さんにもぜひ、、(๑・...続きを読む