山田詠美のレビュー一覧

  • A2Z
    めちゃめちゃ面白かった、初山田詠美なんだけどなんで今まで知らなかったんだろう
    逆に今出会えてよかったのかもしれない、年下が可愛く思えるこの年代、浮気は罪だ、不倫は悪だと大声で言う清廉潔白さが無くなりそしてそんなことを言う必要が無くなったこの価値観の今読めて良かったなー
    登場人物の中で一番言葉に関わっ...続きを読む
  • つみびと
    【大阪2児餓死事件】(Wikipedia)
    大阪2児餓死事件とは、2010年7月30日に発生した大阪府・大阪市西区のマンションで2児(3歳女児と1歳9カ月男児)が母親の育児放棄によって餓死した事件。

    本作品は、この事件を基に描かれたフィクションである。
    タイトルは『つみびと』
    表紙に大きくそう書か...続きを読む
  • つみびと
    もっと周りが手を差し伸べられていたら…。いや、その手に気付けなかっただけなのかもしれない。気付こうとしなかったのか。やっと気付けた母のように娘もいつか救われるかもしれない。生きていれば。小さき者たちにはその日はやってこないけど。こんな過去があったらそうなるか…と同情しそうになる度、小さき者たちの叫び...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    めちゃくちゃ素敵な作品に出会えました。
    時田秀美くんの考え方、とても好きです。
    大人にこそ読んで欲しい作品。
    好きな言葉がありすぎてメモとってしまったくらい。あざとい女子山野さんとの話が結構印象に残ってる。
    最後の三角定規と分度器の話、こうくるか、、と思って好き
  • 私のことだま漂流記
    作者の作品は今まで読んだことがなく、初めて読むのが最新作の自伝となってしまった。小説家に限らず、何らかの「表現」を志す人には是非手に取ってほしい。きっと心の支えになるはず。また、誰からも理解されず孤独を感じている人にも。
  • ファースト クラッシュ
    はじめての山田詠美さん。
    力強い文体と恐ろしく細かい描写に、江國香織さんが好きそうな感じだなぁと思った(泣かない子供の作中で紹介されていた作家さんが山田さん)。
    とっても女性らしい作品で、こんなに感情を分析でき、文章にできる力量に乾杯したい。文学の力を実感した。
    この作品は本当に「女」っぽい。

    ...続きを読む
  • 快楽の動詞
    文章を読むことを楽しませてくれた作品。
    小説か、批評文か。どちらとも取れる山田詠美氏らしさが爆発した一冊。

    言葉、文章、表現…に対するとても批評的な目線は痺れた。読んでいて刺激的であり、時にはその痛烈さに笑ってしまったほど。
    捻くれている、と言って仕舞えばそこまでだがここまで直球で清々しく、だけど...続きを読む
  • つみびと
    実際にあった大阪二児餓死事件を題材にした作品で、
    当時かなりセンセーショナルで忘れられない事件。

    山田詠美さんがこの事件を『つみびと』という作品にしていることを最近知り、読んでみた。
    亡くなった子供の視点、事件の犯人である母親の視点、そして犯人を育てた母親の視点の3つの立場が
    順番に繰り返される構...続きを読む
  • 私のことだま漂流記
    この本を手にするきっかけは、『私のことだま漂流記』出版記念のトークショーに参加したことにある。昨年の11月、まだ季節も冬になりきれていない頃、武田砂鉄が司会を務めたトークショーで本作についていろいろな質疑が交わされたが、もともと本作自体が山田詠美の幼少期からの生き様を描いた自伝のような話なので、トー...続きを読む
  • A2Z

    潔い

    世間一般的には、悪とされるドロドロの不倫を描いている作品。ではなく、綺麗で、潔い“不倫”が描かれた作品。不倫を肯定するわけではないが、自分の中でどこか「こういう夫婦の在り方も無しではないな、」と思ってしまった。読了後、今まで自分が知らなかった世界を覗く事ができたという高揚感が心に残った。
  • 私のことだま漂流記
    詠美先生の文章は職人技とも思えるほどの洗練さと都会の香りとちょっと危ういLoveで、ずっと私を感化して下さってました。
    その自伝というか、生の声を一冊の本で読めるのは今更だけど興奮モノ。
    積み重ねられた知識と経験があってこその数々の小説なのだと納得。
    かつて夢中になって読んでいた小説、また再読したく...続きを読む
  • つみびと
    傷つき続けた子どもたちの物語。

    誰か助けてと、
    読みながらずっと思った。



    学生時代以来、
    とても久しぶり読んだ山田詠美は、
    読みやすさと説得力を強化していた。

    専門家として日常的出会う、
    傷ついた心を、
    ここまで表現してくれてありがとうとさえ思った。

    だからこそ巻末の、
    対談の不思議な...続きを読む
  • 吉祥寺デイズ うまうま食べもの うしうしゴシップ
    前に読んだ「吉祥寺ドリーミン」が面白かったので、こちらも購入。
    週刊誌に連載されていたエッセイだけでも面白かったのに、文庫化にあたり新たに追加された村田沙耶香さんや武田砂鉄さんとの対談や、単行本には未収録のエッセイ、インタビューもさらに面白くて、お得な気分になりました。
    武田砂鉄さんとの対談では、こ...続きを読む
  • 晩年の子供
    短編8作。
    どれもちょっと大人びたというか、周りを少し達観したような醒めた目で見ている子ども視点の話。
    わたしもちょっと似たような子どもだったから共感できるところも多かった。本気でサンタさんを信じてたり、無邪気にウルトラマンになりたいとかプリキュアになりたいって思える気持ちがわからなさ過ぎて、「どう...続きを読む
  • ジェントルマン

    好き

    いつの間にか物語に夢中になってた。
    夢生の気持ちが解るとまでは言えないけど、興奮して楽しかった。
  • A2Z
    アラサー以上の年代に刺さる言葉が溢れているのではないだろうか。恐らく二十代の頃の私は冬ちゃん側の熱烈なひたむきさをまだ持っていた。
    三十代の今、夏美と一浩は理想の夫婦だ。すれたな自分と感じるが、余裕ができたな、とも感じる。
    実際問題こういう夫婦は意外といるんじゃないかと思ったりもする。ただ周りが必要...続きを読む
  • 賢者の愛
    なんか、怖い…と思いました。

    何がって、百合と真由子の執着…。
    百合の方は、生まれながらにあらゆるものを持っている真由子への執着。
    真由子の方は、諒一への執着(これは愛?)。

    真由子について怖いとはじめ思ったのは、
    真由子の直巳への態度でした。
    それは、百合への復讐でもあったようですが、
    最後に...続きを読む
  • トラッシュ
    こんな酒浸りの男とはさっさと別れないとダメだ、いやでもこの人を捨てていったらこの連れ子はどうなるのだ、いやでも自分の子じゃない、母親は別にいる、でもでも…ここまで単純ではないけれど、葛藤。
  • ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨
    デビュー作。

    初めて読んだ時に山田詠美ってかっこいいなーと思ったのだ。
    わたしが絶対見ることのない世界を見せてくれる。
    そして切ない。
  • 風味絶佳
    美味いねぇ。
    普段この手合いの作品を手にしないけど堪能させていただきました。ガテン系の男の世界を描きつつ、何とも微笑ましい短篇集だ。タイトルとカバーも絶品。