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運命の出会い、というものがある。
夢生にとって漱太郎との出会いがそうだ。ハンサムで誰にでもやさしくてクラスの人気者──最初は、その「ジェントルマン」っぷりに違和感をおぼえていた夢生だが、漱太郎の秘密(彼は悪魔である!)を知ることで、激しい恋に落ちてしまう。漱太郎は誰のことも愛さないが、夢生だけは「特別だ」と言う。それは、愛ではなく呪縛である。
最低な、本当に最低な人間だと思うのに、いつの間にか漱太郎に惹かれている。人は相手が「善人」だから恋をするのではない。それをまざまざと思い知らされる。
男が男に命がけの恋をする…という意味では、BL好きの淑女方にもオススメだが、パステルカラーの甘い菓子ではなく、毒がたっぷり入ったブラックコーヒーだと認識したうえで読まれたし。
Posted by ブクログ 2016年05月02日
残酷なまでに美しい悪魔のような男と、その悪魔に魅せられて愛し従属した男の話。震えました。あの衝撃のラストは彼らにとったらメリーバッドエンドなのだろうか。漱太郎もユメなら仕方ないねって笑いそうな気もする。笑って犯した罪を告白する漱太郎と、それを許して受け入れるユメはある意味共犯者であり、そこで二人は唯...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月09日
大好きな山田詠美。
美しい文章。美しすぎて、溜め息が出る。
なのに、こんな終わり方はいやだ。
私は、このお話に出てくる人がきらい。圭子のことも、夢生のことも、路美のことも。
漱太郎のことは、もっときらい。
いやだ、いやだと思いつつ、私は多分、この本が好きだ。
好きよりも嫌いの方が、人を強く惹き付...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月26日
ラストの方は、なんだかホラー小説
からのメリバ、、、。
とはいえ、巧みな文章で、ぐーーーっと引き込まれての一気読み。
実際にだれからもジェントルマンと言われる友人がいるが、そういう彼もどうしようもなく弱いところや、醜い部分がある。
『紳士と呼ばれる奴もどこかにシミがあるものさ』と自論を持っているが...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月21日
ジェントルマンのタイトルと裏表紙の解説だけでは到底予想できない内容でした。
ジェントルマンと言う響きをどこか胡散臭く、違和感を覚える主人公たち。ジェントルマンは紳士を示すが、ジェントルとは確か優しいという意味もあったと思う。
そうちゃん、は表面上優しくて、誰にでも好かれる人気者だが、裏の顔はとても醜...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月20日
漱太郎の数々の卑劣な行為は女として到底受け入れがたく、嫌悪感だけが残った。彼を愛する男、夢生も翻弄され終には破綻してしまう。そして彼らに深くかかわる二人の女は一見脇役であるように思えたが、終盤クライマックスでその存在の凄みを知ることになる。哀しくて残酷で、滑稽で、まぎれもない悪夢なのだけど、沈美的で...続きを読む
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