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人を愛した記憶はごみ(トラッシュ)のようには捨てられない。それがどんなに苦しんだ記憶でも。黒人男性・リックに恋をし、彼の連れ子のジェシーとぶつかりながらも、三人で暮らす日本人のココ。しかし、ココから逃げるように、リックは毎晩酒びたりになる。献身的に彼に尽くすココ。だが、求めれば求めるほど彼は遠くなる……。愛し合っているのに、なぜお互いを傷つけてしまうのか? 人を愛することの奥深さと幸福を再確認させてくれる著者渾身の長篇。女流文学賞受賞。
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Posted by ブクログ
こんな酒浸りの男とはさっさと別れないとダメだ、いやでもこの人を捨てていったらこの連れ子はどうなるのだ、いやでも自分の子じゃない、母親は別にいる、でもでも…ここまで単純ではないけれど、葛藤。
愛の叫び。 ひしひしと叫びが伝わってくる作品です。 色々な種類の愛があり、 愛し合うのに、愛したはずなのに、 1つになれないもどかしさ、 諦めと、渇望の繰り返しのなかで、 傷付き傷付けられることを繰り返すなかで、 進み、変わり、学んでいく様子が描かれています。 身も心もくたくたのよれよれになって、 ...続きを読むそれでも死にきれない沸き上がる愛情は、 醜くもあり、浅ましくもあるけれど、 堪らなく愛しい想いを心の底から掬い上げてくれるはずです。 紛れもない現実が、この作品にはあります。 剥き出しの心が好きな方には特にオススメです。 ただし、 感傷的になりすぎないよう注意です。
人を愛する甘美さも切なさも味わえる本。どうしようもないことが、一番愛おしい。舞台のニューヨークの空気も、本当にシビれます。
折に触れ、何度も本棚から発掘しては読み返します。高校、大学、フリーター、社会人。ヒロインであるココを見上げていた私が、いつか追いつき、追い越していくこの不思議。 どうしようもない黒人の中年男に恋するオリエンタルのココ。男の息子や前妻との話、そして別れ、新しい恋。みんなみんな、どうしようもなく「生きて...続きを読む」います。結婚や愛や死や、そういう人生における重要なものの価値観を、私に問い直してくれる本です。読むたびに感動する部分が違う。そして、必ず泣いてしまう。 長さを感じさせない、ずっしりしっかりとした本です。出会えたことを誇りに思う。
山田詠美にはまるきっかけになった1冊。 これも100回以上は読んでいる。 この本を読んで、人はこんなにも人を愛せるのかと思った。 そして、その愛し方は人によってそんなに違うのかと。 ココのように全身全霊で人を愛することは素敵だ。 でも、人は大人になるにつれてそんな愛し方をしなくなる。 その思いが断...続きを読むち切られてしまったときに傷つかないように。 でも、ココは全身全霊で人を愛す。 いつまでもココのような愛し方が出来たら素敵だと思う。
助けてもらった本。答えがたくさんかいてある。ご本人にサインも頂いちゃいました。吉祥寺のkukuって高山みなみさんのいらっしゃったお店で。
すきですきでたまらない作品。 ココとジェシーの関係がなんだかこそばゆくてもどかしくて、 それからリックはとてもいたいけで、 一章の終わりは何度読んでも涙が止まりません。
愛の話。 アイノカタチ、愛の味、愛の種類はひとつではない。それこそが人類を人類をたらしめ、動物と一線を画す要因であるといっても過言ではない。「あのね、大好きだよ」と伝えるのもひとつの愛、君だけを傷つけないのも愛、見つめあうと素直におしゃべりできないのも愛かもしれない。 愛し方や愛され方が定まったも...続きを読むのでなかったり、人によって違うから苦しみが生まれる。自分と違うから惹きつけられたのに、自分と違うことで遠ざけるようになる。 古今東西遍く愛の衝突や諍いは絶えない。絶えることはないし、耐えられない。しかし、この営みが消えたら人類史はおしまいなのかもしれない。 この本は、二人の男と女のおしまいがはなから明示されているが、その過程に500ページ(この本が続編なのでそれ以上)も描かれている。破局という過程に対して注ぎ込まれた感情葛藤愛情友情心情が多過ぎる。愛のバクダン。
何年も前に読んで、時々恋愛で考え事する時に部分的に読んでた。甘美でおしゃれな恋愛モノの中に、時にぐっさりくることがある。ゲイのバッキーの恋愛に対する考え方がすき。 2015.12.13
恋人と同棲しながら、二人の冷え切った愛を見つめ直す日本人女性のココ。ただ見つめ合い、同じベッドで寝るだけでいいのに、決してココが望む愛を与えてくれない黒人男性である同棲相手のリックは、ココが与える愛を純粋に受け止められずに酒に逃げる毎日を送っていた。 恋人同士の愛、同性愛、家族愛等の多様な恋愛観...続きを読むを、主人公1人の目線からだけでなく、ココを取り巻く様々な人々を交えて語られている。私は愛情を求めるココの気持ちがよく分かったが、それを拒むリックの心情がよく分からなかった。そのリックからの目線でもココに対する愛が語られており、その気持ちは、ただ愛を与える事を求められ疎ましいという気持ちだけでない、歪な愛情があった。 この一冊で、恋愛に対し多種多様な目線で見つめられる。 【好きな小説内での言葉】 ・求めているように語りながら、実は、求められることを切望している ・愛の言葉を言い出した方が、その重みの分だけ不幸になる。 ・その瞬間、彼は初めて女の体の上で「愛している」と呟いた。 ・憎んで憎んで、そして愛し抜いてやる。 ・すべてを忘れることから始めなくては、どうしようもなかった。
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