山田詠美のレビュー一覧

  • ジェントルマン
    残酷なまでに美しい悪魔のような男と、その悪魔に魅せられて愛し従属した男の話。震えました。あの衝撃のラストは彼らにとったらメリーバッドエンドなのだろうか。漱太郎もユメなら仕方ないねって笑いそうな気もする。笑って犯した罪を告白する漱太郎と、それを許して受け入れるユメはある意味共犯者であり、そこで二人は唯...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    「勉強ができる=世間の常識を盲信する」と考えると、秀美の言動には耳の痛い思いをさせられたりもします。

    学校生活の場面が多いので、過去の自分を振り返って「アイタタタ…」と反省させられまくりでした。
  • ぼくは勉強ができない
    いわた書店の選書で入っていた本。

    タイトルからとても興味深い感じだった。
    とても冷静な高校生のお話だが、実際にこういう友達がいるので、友達が高校生だったころはこんな感じだったんだろうなと思いながら読んだ。

    主役は男子高校生、彼は母親と同じ歳ぐらいの恋人を持ち、祖父と母親との三人暮らし。

    母親は...続きを読む
  • 明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち
    それぞれが違う形で前のパートナーをなくした男女が再婚し、お互いの連れ子合わせて三人と、新しく出来た一人の子どもで、合計六人の家族が出来上がった。
    素敵な家に移り住み、家族仲も良好で、素晴らしいスタートを切る。それは幸せな人生づくりの完璧な再出発かと思われた。
    しかし落雷が原因の長男の死をきっかけに、...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    秀美くんみたいな子が同じクラスにいたらきっと親しくはしないだろうけどなんだか楽しそうだなぁと思った。

    私としては共感する部分が多くてうれしい気持ちになりました 笑

    自分も学年で一番モテる女の子をみて「隙がないなぁ~」と感心してしまいます・・・


    私は真理が一番好きなんですが、再読してみるとお母...続きを読む
  • 晩年の子供
    何年も前に読みかけて放置してたのを手にとった。たまたま夏に。夏に読んで良かった。山田詠美の幼少期から思春期を主人公・テーマにした本はとてもいい。子供のダークな部分がピリッと入ってるのがいい。女の子はこうして男の子よりも早くオトナになってゆくんだなぁ。「花火」「桔梗」「海の方の子」「迷子」「ひよこの眼...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    しぶとく続く(笑)
    「10代の頃に読んだ作家を再読しよう」企画の第四弾。

    山田詠美は村上春樹や村上龍と並んで
    学生時代からよく読んでた作家だけど、
    中でもいちばん好きで
    思春期に自分っていうものを作る上で最も影響を受けた作品が
    「ぼくは勉強ができない」でした。

    新装文庫本の綿矢りさの秀逸な解説の...続きを読む
  • ぼくは勉強ができない
    懐かしい。まだ本なんてあまり読まなかった高校生のときに影響を受けた本(歳がばれるな)。大人になった今読んでもやっぱりいい。

    高校生の頃は割とまじめな方だった私は、秀美くんみたいな男の子が周りにいたら友達になれなかったかもしれない。でもきっとほんとは憧れて、羨ましいとさえ思っていたはず。自分のことを...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • ぼくは勉強ができない
    素敵な少年?青年?の時田くん。高校生の彼と、ユニークで力強い養育者達。年上の素直で大人な恋人。 「でも、おまえ、女にもてないだろ」「セックスのどこが不純なんだ。」彼の素直でまっすぐな言葉たちが、大人を打った。高校生に近い気持ちなら、きっと彼の言動に羨ましさを覚える。 きらきら輝いて、自由に見えて。 ...続きを読む
  • ジェントルマン
    大好きな山田詠美。
    美しい文章。美しすぎて、溜め息が出る。

    なのに、こんな終わり方はいやだ。
    私は、このお話に出てくる人がきらい。圭子のことも、夢生のことも、路美のことも。
    漱太郎のことは、もっときらい。

    いやだ、いやだと思いつつ、私は多分、この本が好きだ。
    好きよりも嫌いの方が、人を強く惹き付...続きを読む
  • 晩年の子供
    なんと評価したらよいか。
    いろんな場面で衝撃的な小説。
    少女から見た男と女の世界、死に対する思い、客観的に見る自分。
    その時代の少女時代の山田詠美の感性は、通常の人の何十倍も研ぎ澄まされていた。
    普通では見過し忘れていくものまでもが記憶されていた。
    全ての短編が心に残るが、「花火」は、特に記憶に残る...続きを読む
  • 晩年の子供
    詠美さんの子供の話はよいなぁ。ほとんどが同級生よりも大人びた子供が主人公だけど、感情の無秩序な動きやら特有の感覚やらが、やっぱり子供なんだと感じさせて
    記憶ではなく感覚でなつかしさ切なさを思い出す。
  • 姫君
    [恋、奉り候]自ら「姫子」という源氏名を名乗りながらホームレス生活をし、拾った男の欲望の操縦に生きがいを見いだす女性の恋模様を描いた表題の「姫君」。欲望の視点から主人の女性を観察した「フィエスタ」を含む全5編の短編を収録した作品。理性とはとっくの昔に袂を分かった女性の内なる心情が描かれています。著者...続きを読む
  • 120%COOOL
    独特な雰囲気がある、大好きな短編集になりました。
    どれも好きですが、ガリレオの餌は終りが好きです。
    120%Coolの雰囲気も大好きです。
    最初にある作者の言葉「幸か不幸か、いまだに、私は20パーセントモアを求めて右往左往している」が、なぜかとても印象的でした。
  • 姫君
    人を想うことで生じてしまう、
    相手を失ってしまうのではないかという不安。
    ともすれば、己の現実的な判断など、
    微塵にも砕かれてしまうのではないのかという不安。
    愛を自覚すればするほどに、
    逃れられない不安が付き纏い、
    底知れぬ恐怖となる。
    ただし。
    その恐怖を失った瞬間には、
    もは...続きを読む
  • タイニーストーリーズ
    はー、言葉だけで匂いや味や風景を思い起こせるって凄い…。エイミーと村上龍は、何読んでも五感を刺激してくれる作家さんだわ。
    あしたは、浅利の酒蒸しカルピスバター添え作ろう!!
  • タイニーストーリーズ
    山田さんの作品を初めて読んだ時の作品。
    それがタイニーストーリーズでした。
    今では山田さんの作品を読み漁っています(笑)
  • タイニーストーリーズ
    何の縛りもない本当に色々な21編だが、どの話も印象深く、じんわりと余韻が残る。
    哀しさ、ニヤリとしてしまう可笑しさ。
    そして痛烈な皮肉が心地良い。
    また、さらりと描かれる心のドロドロした部分や黒い部分には、興奮でゾクゾクしてしまう。
    「宿り木」「モンブラン、ブルーブラック」「ガラスはわれるものです」...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか