井原忠政のレビュー一覧

  • 三河雑兵心得 : 10 馬廻役仁義
    地震の政治への影響や、米が主なタンパク質の元だったことや、大名の交渉ごとな、実態が見えることのおもしろさ。歴史小説ではなく、登場人物達が我々と同じ生身の人間と見えてくる。

    そうしたリアルさの中で、自分の分を知り転身する花井の存在や、家臣団をまとめる家康の苦悩などが、身に染みる。人は恐怖や欲得でころ...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 9 上田合戦仁義
    上に立つ者は愛嬌が必要
    台風も、下を向いてじっと耐えていたら、いつのまにか通り過ぎていく
    言葉一つで気持ちに火がつくか、つかないか
    部下の間の関係を読み解く家康

    家康をちゃんと読んでなかったので、時系列で起きたことと、徳川家が大きくなっていくことを、知る良い機会。
    そしてそれを、一雑兵からの視点で...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義
    他愛もないけど、気軽に読めて楽しい。名古屋に住んでいたことがあるので、話し言葉の名古屋弁に親しみを感じる。
  • 姉川忠義 北近江合戦心得〈一〉
    浅井家に仕える遠藤与一郎は小谷城落城に際し、浅井長政の嫡男万福丸を脱出させる密命を負う。
    弓の名手であり、美男、鎌倉時代から続く名門である遠藤家の嫡男の冒険が始まる。
  • 長島忠義 北近江合戦心得〈二〉
    浅井家の再興を目指し木下秀吉に仕えることになった遠藤与一郎は兜首10以上を上げれば士分として取り立てるという秀吉の言葉を胸に長島一向一揆へと向かう。
  • 三河雑兵心得 : 1 足軽仁義
    10冊を超え、100万部もの売り上げを誇るまでに成長した一大シリーズ作品の第一作。三河武士の家康の成長譚に沿って、百姓上がりの足軽がどこまで出世していくのか、という先の楽しみを持ちながら一作ずつ読んでいくことになるのかな。
    従来の時代小説では端役に過ぎなかった足軽を取り上げた慧眼はもちろんの...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義
    大河ドラマとほぼ同じ時期の「小田原攻め」の物語。
    俳優の見た目とはいささか違い、物語の登場人物たちは年齢も高い。

    北条一族の人柄も描かれ、大河とは一味違う仕上がりに。
  • 三河雑兵心得 : 11 百人組頭仁義
    戦国足軽物語も第11巻、百姓から成り上がった茂兵衛も今や100人の鉄砲隊を預かる立派な武将。

    大河ドラマでは家康と真田の縁組が進んでいるが、その家臣茂兵衛の世界もまさにその時期の話を進める。
    ドラマは世の流れの大筋を、本書ではその裏に在る細かな筋書きと現場武将の心情が書かれている。
    この時期に本書...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義
    植田茂兵衛が少しずつ成り上がっていくのが毎回面白いのだが、今巻でも腹黒い家康、秀吉に翻弄され、年下の福島正則にも上から命令、意地悪される。そんなに簡単には上手くいかない中間管理職。そんな辛い立場に共感できる。
    それでも上役の家康の思考を読もうとするやり取りも面白い。
    小田原攻めについてもあまり知らな...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 11 百人組頭仁義
    真田の暗躍と北条の進退、政治戦に翻弄される茂兵衛
    忠勝の娘と信之様の婚姻の裏事情に笑う

    状況や顔色、様子を見て判断発言できるようになってて茂兵衛も貫禄出てきた
    忠勝様と茂兵衛が仲良しで嬉しい今巻
  • 三河雑兵心得 : 4 弓組寄騎仁義
     シリーズ第4弾、舞台は長篠合戦。今回の見所は鳥居強右衛門との絡み。茂兵衛の将としての覚悟や判断力を鳥居を絡めながら素晴らしく描かれている。鳥居を魅力的なキャラとして描きつつ、疾走感のあるエピソードに引き込まれた。茂兵衛だけでなく、善四郎も鳥居の死に様を通じて一皮剥ける展開も良い。小者も増え、茂兵衛...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 12 小田原仁義
    前作から5ケ月、小田原合戦まできた。
    山中城、韮山城攻めは、両方の城を見に行ったことがあるので感慨深い。
    山中城は茂兵衛一族で潜入し、城の詳細を調査。秀吉の前で地図を下に説明するという大役。城を実際に見た時に、障子堀が印象的な大変な場所。何とか落城させるが、次は韮山城。こちらも険しい山城。家康の友人...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 2 旗指足軽仁義
    足軽茂兵衛の活躍は痛快だ。最下層の足軽からみた戦模様、視点が斬新で面白い。第2巻から本多平八郎という新たな役者を得て、ますます面白みが増した。
  • 三河雑兵心得 : 11 百人組頭仁義

    現場からの叩き上げ管理職

    現場からの叩き上げ管理職を彷彿とさせる我らが茂兵衛である。現場や現場監督ではその能力を発揮できた人間が、中間管理職になった途端にウロウロする という現代の会社生活でいくらでもある事例である。不得意な領域の仕事でもなんとかこなしてゆこうとする茂兵衛が健気である。ストーリーの大筋は史実のとおりだと思うが...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 1 足軽仁義
    面白い。戦国物で足軽を扱った作品は初めてだ。
    三河の一向一揆が舞台だが、一揆側の武将に身を預けた茂兵衛の活躍。以降も楽しみだ。
  • 三河雑兵心得 : 2 旗指足軽仁義
     旗指足軽となった茂兵衛。今回は鉄砲で撃たれ、大怪我をするが一命はとりとめた。
     足軽の身分の者が、いくさで戦う様が、詳細に書かれている。
     手柄をたて、二十四歳で徒侍となり、十名の足軽を手下に持つこととなった茂兵衛。
     北には武田信玄が控えていて、まだまだ、困難が待ち受けている。
     面白かった。次...続きを読む
  • 長島忠義 北近江合戦心得〈二〉
    この作家、今シリーズ化しているのは三河雑兵シリーズ、熊撃ちシリーズ、そしてこれ。他にも出しているのだろうか?すべて、実に臨場感あふれる面白みの濃い作品群。

    浅井長政の家臣だった弓の名手与一郎は、お市の方の子供の保護に失敗しながらも晒されていた首を奪取。

    今は秀吉の足軽となっている。

    秀吉側の情...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 6 鉄砲大将仁義
    シリーズ第六弾。

    国境の砦番から浜松城へ呼び戻された茂兵衛。
    百人余りを率いる立場になり、鉄砲頭として活躍する(こき使われる)ことになる。
    武田滅亡から本能寺まで、茂兵衛の目を通してみる戦国の世を今作でもたっぷり楽しめた。

    茂兵衛の家康への心の声も、とても面白い。
    百姓あがりの茂兵衛には、侍の義...続きを読む
  • 三河雑兵心得 : 5 砦番仁義
    シリーズ第五弾。

    徳川はこんな風に、武田と織田と国内の揉め事と、色々悩まされながら戦国の世を歩んでいたんだなと、茂兵衛の目を通して改めて感じることが出来る。
    今作では、信康切腹までの流れが描かれていて、現在のドラマとは違って腑に落ちる気がした。

    茂兵衛が猟師を道案内とし、山奥の城塞では足軽たちを...続きを読む
  • 人撃ち稼業
    ベストセラー「三河雑兵心得シリーズ」の作家。
    新しいシリーズ。

    丹沢の山奥で、腕利の漁師として家族と仲良く幸せに暮らしていた玄蔵だったが、知人が漏らした秘密、妻が隠れキリシタンという情報ゆえ、ある人物から家族を人質に人殺しを命じられる。

    家族を守るため、精一杯をするのだが。

    そんな状況でも人を...続きを読む