馳星周のレビュー一覧

  • 神の涙
    感想
    アイヌに誇りを持つ祖父、差別を嫌って街を出たい孫娘どちらの気持ちも分かる気がする。それぞれの立場での葛藤が描かれている。

    話の合間に出てくる北海道の自然の素晴らしさと失われていく文化や自然とのバランスなど学ぶべきことも多い。

    読んでいて、単純に北海道に行きたい!摩周湖の霧滝が見たい!つつじ...続きを読む
  • ソウルメイト
    犬の魅力を引き出す描写がうますぎるのは無論のこと、作者の犬への愛が伝わる。今作で紹介されている、ポップで有名で人気種のわんちゃんたち。犬種に詳しい人なら、飼育難易度が高いと判断できるんだよな。それぞれ保たれてきた血統には性格とライフスタイルがあり、人間との向き合い方付き合い方がみーんな違う。唯一同じ...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    ほんと、イヌ好きにはたまらない。
    あと、山好きにも……。

    雨のあとの北八ヶ岳の森の香りには、生命の息吹きが漂う。
    新芽を伸ばすコメツガやシラビソ。
    木漏れ日と水滴をたっぷりと蓄え、いっそう青さを増す苔たち。
    いく筋も、普段は枯れている沢からも流れ集り、森を潤す雪解け水。
    森の中で、その重量感のある...続きを読む
  • 比ぶ者なき
    ホントに馳さんの本⁈ってなるけど、面白い。
    人の名前が難しくって誰が誰か分からなくなるのは自分の頭のせいなのでしょうがない。
    不比等はホントに、名前をもらったとしたら他人がそう思ってしまうほど、自分でつけたのだったらそれだけ、怖い人だったんだろうなぁ

    「政とはなにかを成すためになにかを譲る。その繰...続きを読む
  • 煉獄の使徒 下
    人はここまで堕ちていく――未曾有の巨編が迎える衝撃のラスト。

    毒ガス・サリン撒布計画を実行に移す――。教祖・十文字の反社会的なエゴは肥大化し、やがて侍従長である幸田のコントロールが利かなくなってゆく。若き幹部・太田慎平は信仰のために自らが犯した罪に苛まれ、苦悩を深める。一方、金蔓と見定めて彼らと手...続きを読む
  • 走ろうぜ、マージ
    犬のエッセイです

    自分が14年ともに暮らしたミックスの愛犬を虹の橋の向こうに見送ってから、しばらくこの手の本を読み漁っていました

    うちの子は6キロ程度の子でしたが、それでもいなくなったあとのがらんとした感じはたまりませんでした
    ましてやマージはバーニーズマウンテンドッグ

    でかい

    精神的に占め...続きを読む
  • 煉獄の使徒 上
    “カリスマ教祖”十文字源皇率いる〈真マントラ言の法〉。弁護士の幸田敏一は十文字と共謀し、教団ナンバー2の侍従長として勢力拡大を推し進める。組織に切り捨てられ左遷された公安刑事の児玉弘樹は、金の匂いを嗅ぎつけ、この新興宗教に接近する。教団に不利な行動をとる弁護士の殺害計画が持ち上がったとき、男たちの欲...続きを読む
  • 黄金旅程
    競馬を見る視点が確実に変わり競馬を愛する人々の気持ちが凄く伝わった
    実力はあるのに気性が荒く人間の言う通りにはならないエゴンが引退して生き残るためにはGⅠで優勝し種牡馬になるしかない
    引退が決まっているラストランの香港GⅠの優勝は感動と興奮
    そしてエゴンの血は受け継がれてゆく
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    馳星周さんによる「ソウルメイト」シリーズの続編である「陽だまりの天使たち ソウルメイトⅡ」を前作に引き続き読んだ。

    犬や猫を飼うということはその最期を看取る覚悟を持って始める必要があると、愛猫達を飼い始めた際に教わった。ただ可愛いからという無責任な理由で飼われ、挙げ句に虐待されたり捨てられるペット...続きを読む
  • ソウルメイト
    7匹の犬と人間(飼い主やその家族など)との物語を描いた短編集。馳星周著「少年と犬 」を読み、同じ作者による他の犬と人間の物語を読んでみたくなり、「ソウルメイト」シリーズを見つけて読み始めた。
    子供の頃、犬を飼っていたもののその後はペットを飼えない環境に暮らしてきた。今も管理規約でペット禁止のマンショ...続きを読む
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII

    大好きな本

    友人に勧められ、犬を飼い始めてから読み直し、更に好きになった本です。何回も読んで、前向きに生きようという気持ちになります。
  • 雨降る森の犬
    とても温かくて、優しくて、最後は涙を流してしまいました。

    舞台は、信州、立科。
    中学生の雨音。
    雨音の伯父、山岳写真家の道夫。
    道夫の家の、隣の別荘に出入りする高校生の正樹。
    そして、愛犬ワルテル。
    ワルテルが可愛いくて、意地らしくて、愛らしい。そして、とっても温かくて賢い。

    そんな三人と一匹の...続きを読む
  • 少年と犬

    犬との出会い別れ

    過酷な生き方をする人達と犬との関わり
    いいお話でした
  • 神の涙
    頑固な祖父と反抗的な孫。
    あー先が読めるぞ。些細なことで孫が生意気なこと言って、爺ちゃんが怒鳴って、何日も口を聞かないとか…はいはい、幾度となく読みましたよこの展開…と思ってましたが大間違いでした。
    頑固ではあるけどいつも悠のことを想ってる敬造、アイヌや敬蔵を嫌いだといいながらも感謝の気持ちを忘れな...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    めっきり読んでいなかったが、最近妙に懐古的なので10~20代の頃ハマっていた馳作品を久しぶりに読みたくて、まだ未読の作品を。

    ページを捲って即没入。
    何も知らずに読み始めたのだけど、途中でやけにリアルな人間模様に「?」となって調べると
    どうやら馳さんご自身の自伝小説に近い作品なのだとか。

    新宿ゴ...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    雨音、ワルテル、おじさん、正樹

    この四者のお互いの関係性が時に繊細で危うく、時に強固であたたかい。

    雨音とワルテルをおじさんと正樹が写真におさめるシーンは、私の頭の中の想像ですら、なんて美しいのだろう、と感じました。

    そして、命あるものの生と死があります。
    見送ることができるのは幸せなことです...続きを読む
  • ソウルメイト
    犬にまつわる話。
    自分も犬を飼ってるから、感情移入しすぎてずっと泣いてた。
    柴とバーニーズが泣きすぎて…
    犬は家族なんだよ。
  • 黄金旅程
    一気に読まされて、やっぱりすごいな、と。競馬は興味ないし、モデルとなった馬も当然知らないんだけれど、サラブレッドが走っているところは美しいなと思う。お約束のようにヤクザとかチンピラとか出てきても、登場人物のほとんどが馬を愛するいい人たちで、そこがいいなと思った。ラスト近くエゴンウレアのレースシーンで...続きを読む
  • 月の王
    面白かった。馳星周の作品としては新境地だと思う。読み始めるまではこんな冒険活劇だとは思わなかった。分厚い一冊をすぐに読み切った。
  • 蒼き山嶺
    冬山縦走がこれほどリアルに、臨場感溢れる描写に圧倒されてしまう。圧倒的な自然の中で晒す人間の悲哀の対比が物語の明瞭なコントラストを生み出す。限界を何度も超えて、理性も吹きとび、人の素直な感情だけが残ったラスト、シンプルだけど色んな意味を考えさせてくれて涙。。