馳星周のレビュー一覧

  • 不夜城
    20年以上前、映画になった頃に読み、このたび文庫本をもらったので再読。そう、初読の印象を思い出した。この主人公、大変自虐的なのだが、畳みかけるように各方面の動きを読んで手回しをする様からして、大変な賢さを持ち合わせており、実はこれにより辛いのではないかな、と。そして女はいたたまれない環境で愚かで哀し...続きを読む
  • 神の涙
    絵画を見ているかのように色彩豊かな大自然が広がった。人は大切な人のために変われる。強くなれるし優しくなれる。アイヌの情熱が教えてくれた。
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    愛犬との日々を過ごす7つの短編物語、其々の人と犬との繋がりを描き、飼い主/愛犬が先立つ話は私も過去2匹の愛犬を亡くした経験から心に沁みる。愛護団体の神が絡んで保護犬を譲り受けたり等々関係を持ち、ペットショップのなり初めが無いのは良い。全ての話が、保護犬が飼主の愛情を受け又、見返りなど無く純粋に飼主を...続きを読む
  • 殺しの許可証 アンタッチャブル2
    椿は過去バリバリのキャリア警視として活躍していたが、今は周りから煙たがれ公安の特別捜査係として窓際部署に追いやられた身、その部署に警視庁捜査一課から誤認追跡中の事故問題で宮澤が左遷され配属される。この事故で恋人の千紗の父親の浩介が植物人間となって負目を感じながら千紗と付き合う。
    椿家は、代々東大出の...続きを読む
  • 殺しの許可証 アンタッチャブル2
    椿は過去バリバリのキャリア警視として活躍していたが、今は周りから煙たがれ公安の特別捜査係として窓際部署に追いやられた身、その部署に警視庁捜査一課から誤認追跡中の事故問題で宮澤が左遷され配属される。この事故で恋人の千紗の父親の浩介が植物人間となって負目を感じながら千紗と付き合う。
    椿家は、代々東大出の...続きを読む
  • 暗手
    いゃ〜。あの馳君のノワール小説やんか。
    今後も原点復帰してくんないかなぁ。
    映画化もしてや。頼むわ。
  • 少年と犬

    Good

    最初のセクションは手に汗握る感じで、引き込まれて、その後も楽しめましたが、最後の章は期待していたより、おとなしめな印象でした。でも、直木賞だからすごいんですよね。
  • 【カラー口絵付】陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    犬好きは犬がもっと好きに、飼っていない人はすぐにでも家族に迎えたくなる。
    千尋ちゃんの最期の日々を素晴らしいものにしたトイプードル。シロが連れてきたヤマネコをたまと名付けて一緒に暮らした永勝。盲目作家の心を徐々にとかしていく盲導犬ジョーヌ。母犬に噛まれて見た目はかわいそうなのに、笑顔で周囲を魅了して...続きを読む
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    犬は、その時その時を懸命に生き、過去の出来事やまだ起きていない未来に惑わされたりはしない。犬とは人間の言葉で話し合うことはできないが、人間同士以上に心を交わしあうことができる。馳星周 著「陽だまりの天使たち ソウルメイトⅡ」、2018.10発行(文庫)トイ・プードル、ミックス、ラブラドール・レトリー...続きを読む
  • 不夜城

    至上最高のノワール

    何回読んでもヒリヒリします。
  • ソウルメイト
    犬好きにはたまらない。
    チワワ・ボルゾイ・柴・コーギー・シェパード・ラッセルテリア・バーニーズ
    読みながら。ついついうちの柴ワンコを撫でてしまう。
    可愛いワンコ、しっかり者の妻、しょーもない夫
    のパターンが多くて笑える。
  • 走ろうぜ、マージ
    いつの間にかありありとマージの姿を思い浮かべ、著者と共にマージを見つめ、呼びかけてしまう。夢中になって読み進めました。
  • ソウルメイト【電子特別版】
    馳星周 著「ソウルメイト」、2013.6発行。ソウルメイト=魂の伴侶 ①チワワ、末期癌の妻を癒やすルビイ ②ボルゾイ、悪い4人組から悠人を守る ③柴、3.11福島から野に放たれ9ヶ月、母の肌着の臭いで戻ってくる ④コーギー、虐待され続け捨てられたコーギーに「愛情」で心を開かせた真波 ⑤シェパード、リ...続きを読む
  • 暗手
    刮目せよ!
    これこそが馳星周だ。
    暴力と嘘に塗れただけのノワール小説ではない。
    嘘に嘘を重ねて築き上げた人間関係、愛を求める男と女の恋情。
    心を深く抉られる。
    決して気持ちの良い読後感では無いが、それがかえって気持ちを揺さぶる。
    デビュー当時のような作品だが、流石に年月を重ねて表現も重さを増した。
    ...続きを読む
  • 比ぶ者なき
    馳星周の北方謙三化といえば怒られるか。
    藤原不比等という、教科書では父である鎌足や子孫の道長よりマイナーな存在である人物が、実は古代史を塗り替えた張本人であるという説をベースに、物語を構成。とても面白かった。里中満智子「天上の虹」を読み返してみたくなる。
  • 比ぶ者なき
    然程、小説作品が多くはないかもしれない、古代史の世界を背景にした物語なのだが、巨大な野心を胸に大胆な活動を展開したという男の生き様という感である。
    『比ぶ者なき』(ならぶものなき)という題名であるが、これは本作の主人公の名に由来するものである。「藤原不比等」という、「日本史の教科書で、とりあえずその...続きを読む
  • 不夜城
    5回以上は読んでいる気がするが、何度読んでも面白い。この小説はハードボイルド小説の傑作と言われているがその通りだと思う。
  • 暗闇で踊れ
    2019.09.15~09.20
    闇、だよね。その中でしか生きられない悲しい人たち。

    私は、彼の作品にはこういうものを求めているんだと思う。
  • 神奈備
    飲んだくれの母親と二人で暮らす17歳の潤は書き置きを残して御嶽山へと登る。
    彼が山へ登る理由は神様に自分が生まれてきた理由を問いたかったから・・・

    一方、飲んだくれの母親から子供が山に登った事を伝えられる、探す羽目になった強力の孝

    潤と孝の場面が交互に語られる、果たして彼らは無事に山で出会えるの...続きを読む
  • 雪炎
    馳氏の綴る北海道の情景は、その冬に暮らしたことがある者でないと体感し難いであろう〝うら寂しさ〟を感じられる。その特有の描写が今作に冠された『炎』を際立たたせている。情景と筋の温度差にぞくぞくとする。