馳星周のレビュー一覧

  • ソウルメイト
    今年の初めに15年間癒してくれた愛犬を亡くした私には、この作品を小説としてどうこうと評価することは難しいです。

    ただ、ただ、犬が好きな方、犬が側にいる方、犬が苦手な方、動物が好きな方に読んで欲しい一冊。

    私が飼っていた犬種の章はありませんでしたが、どの犬の描写も私が大事に思っていた、かけがえのな...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    じんわりと染みる作品。想像してたよりもずっと良かった。
    森林の静寂、雨の匂い、雨の音、季節の移ろい、ワルテルの息づかいを感じました。

    489頁となかなかの厚み。特別大きな事件があるわけでもないのに読ませる力がある。
    母親と確執のある中学生の雨音。父親と確執のある高校生の正樹。家が隣り合う二人は、雨...続きを読む
  • 蒼き山嶺
    久々に面白い山岳小説を読んだ。
    物語は序盤で本題に入りスリリングな展開をしていくが、その中で過去の記憶、出会い、思惑、矜持。。。そんなものが混ざりあって読んでいて全く飽きなかったし、山や自然が見せる様々な表情の描写がとても綺麗で、まるでそこに自分がいるかのような気分だ。
    その後を書いた続編を読みたい...続きを読む
  • 陽だまりの天使たち ソウルメイトII
    号泣すると分かってて読みました。
    号泣しました。

    いい涙を流せました。

    やっぱり犬が大好き。
    それにしてもどうしてこんなに犬の描写が上手なのでしょう。
    登場する犬達の息遣いまで、すぐ側で聞こえるような気がしました。

    2016年4冊目。
  • 神の涙
    アイヌの老若男女血縁者3人が夫々の経緯から一緒に生活をする中、個々の想い、罪の償いで離れ離れとなるもお互いの気持ちとアイヌ魂を深めて心を通じ合い最後は、一緒に暮らすハッピーエンドで親族の繋がりを描く

    北海道の屈斜路に住む無骨でアイヌ魂を継承する平野敬蔵は、若い頃酒に呑まれアイヌの生活スタイルから周...続きを読む
  • 黄金旅程
    間違わない、傷のない人なんて多分いないよ
    丁寧に真面目にもがくのが人間♪

    読み終えた時、この歌詞が浮かんだ。

    競馬産地で関係者のそれぞれの思いを乗せて、駆け抜けるサクセスストーリー
    みんなの馬を愛する気持ちとドキドキ感が伝わってきて、気がついたら一気読みしていた。
  • 黄金旅程
    自分が好きな馬たちも、最期まで馬生を全うできているのか分からない。競馬に複雑な思いもありながら、やっぱり人間とサラブレッドとの繋がりには胸を打たれてしまいます。

    中日新聞杯のレースのシーンはドキドキしながら読みました。実際にリアルタイムでレースを見ているようで…

    引退馬支援についてもっと知りたい...続きを読む
  • 黄金旅程
    元々、ステイゴールドの話自体はよく知っていた。勝てなければ殺処分という未来と向き合いながら、馬にかかわる人がどんな思いで競馬に携わっているのかがよくわかる。人にいつも反抗して、ギリギリで差されるシルバーコレクターで、愛さずにはいられない。この馬をどうしても勝たせてやりたい。勝つことで、馬だけでなく、...続きを読む
  • 雨降る森の犬
     自然豊かな信州立科で、まるで森林浴をしているような、そして犬との関わりの温かさ・素晴らしさを感じさせてくれる感動的な小説でした。
     主人公は女子中学生:雨音ですが、東京の母の元を離れ、立科で犬・伯父・隣人の男子高校生らと交流を深めることで成長し、真の父・兄を得たような感覚・幸福感をもつに至ります。...続きを読む
  • 黄金旅程
    かつて、サラブレッドの生産地として名を馳せた日高地方だが、近年は、胆振地方の大規模牧場に押され、中央で活躍する競走馬が少なくなっている。そんな中、日高・浦河で、装蹄師をしながら、引退した競走馬の養老牧場を営む平野敬、騎手として、GIレースで何度も勝ったが、覚醒剤で逮捕、出所後、浦河に帰ってきた和泉亮...続きを読む
  • 黄金旅程
    読物としても壮大だが、競馬会が抱える問題にも一石を投じている。ノンフィクションかと思うくらいリアル。飛行機で読んでいて窓から日高の牧場地帯が見えた時は運命的なものを感じた。
  • 暗手
    また同じように女で狂って殺しまくってしかも最後ばれて中指立てられるのにめちゃくちゃおもしろい。
    感情とか打算とか駆け引きとかイタリアのうまそうな飯とかを織り交ぜながら書き出す疾走感、不夜城のような没入感がある。これだよこれこれ。これが馳星周
  • 月の王
    小説ならではの世界観。舞台は中国上海。月の王・大神は狼に、火の王・杜龍は龍に姿を変えての最終決戦。壮大で壮絶な闘いに釘付け。人間そのものが武器になる伊那が打った注射の成分が気になった。
  • 黄金旅程
    競馬の世界をひとつも知らなかったけど、馬の性質、競馬と育成牧場のビジネス構造、馬主をはじめとする関係者の馬にかける思い、なによりサラブレッドについて知れた。
    競馬、馬術と、スポーツとして人間以外で競って広く成り立ってるのはおそらく馬だけ。勝つために交配され、調教され、ただし勝てなければ待ってるのは安...続きを読む
  • 黄金旅程
    競馬に関心は無いが、その魅力は充分伝わった。馬への興味も。最高のレース見せるため、多くの人たちが長い時間をかけて調教してるんだ。今度、府中競馬場に足を運んでみよう。「競馬はただの博打ではない。多くのファンが投じる金で人間が作り出したサラブレッドという生き物を生かし続けるという側面がある」浦河生まれの...続きを読む
  • 月の王
    色んな要素が絡み合った疾走バイオレンスアクション純愛小説とでもいおうか。第二次世界大戦前夜の魔都上海を舞台にした華族令嬢争奪戦を、人知を超えた太古の昔から不死身として生きる月の王たる大神(狼)明が縦横無尽に暴れ回る痛快さでもって描く。そこに前世で雪と約束した純愛という横糸を入れることで作品の深みも出...続きを読む
  • ゴールデン街コーリング
    爽やか、とはいえないけれど、ほろ苦くすてきな青春小説。登場する飲んだくれたち、どれもこれも愛おしくなる。関西の片隅の学生としては「深夜プラスワン」という名前を聞くしかなかったけれど、そうか、あの頃のゴールデン街てこんな街だったのか。それにしても馳星周、うまいわ。そして、新作の紹介の中で「大神明」なる...続きを読む
  • 黄金旅程

    競馬の表の部分しか見ていなかったが、確生産者・馬主や装蹄師等が携わっている業界の大変さを感じた。
    また栄光を浴びた馬の陰には多くのサラブレッドが消えていっている事も理解した。ある情報番組でスナネコの赤ちゃんのエサが馬肉である事が伝えられた時に、陰に散った馬の末路を想像し、人間の娯楽の為に生まれ、殺...続きを読む
  • 鎮魂歌 不夜城II
    不夜城シリーズⅡも凄かった。前作の一人称一視点の主人公だった劉健一は背後に回り、殺し屋秋生と元刑事滝沢の三人称二視点が節ごとに交替する構成。表だってぶつかるのが、上海の流氓、北京の流氓、日本のやくざ、そして秋生、滝沢なので物語がより複雑。初読の時にはちゃんと摑めていなかった模様。きちんとノートを取っ...続きを読む
  • 生誕祭(下)
    騙し騙され、追い詰められる感じは、こちらも具合が悪くなりそうですがwそこからの馳ワールド全開でラストに向けての加速感は読み出すと止まらなかった。
    上巻でも感じましたが、仕事で行き詰まってる方や仕事でのトラブルで落ち込んでしまってる方には是非読んでほしい。
    不思議と活力が湧いてきますよ。