馳星周のレビュー一覧

  • 少年と犬
    多聞を通じて色んな人生を見られる作品でした。読み始めは多聞に関わる人が死んでいくので、「犬が人の業を見抜いて裁く」的な話かと思いました笑
    ですが、多聞は人の心を察知する能力に長けていて、その人の最期(再起)に寄り添いながら旅をしていたのですね。
    最終章「少年と犬」では胸が熱くなりました。
    犬飼いたく...続きを読む
  • フェスタ
    いやぁ、良かった。

    競馬は全く知らないが充分楽しめた。
    競馬の前作「黄金旅程」も良かったが、私はこちらの方が好きかも…。
    何度か涙した。

    馬がとても繊細な生き物というコトを初めて知ったし、勝てなかった馬たちのその後の馬生が過酷なコトを辛く感じた。

    どこかの観光地などで、乗馬を体験してみたい。
    ...続きを読む
  • 少年と犬
    犬と人間、言葉という形で伝え合うことは出来ない。それでも、不思議な力で感じあって、心の目でお互いを見つめている。言葉をというツールを使わないからこそ、本質で通じ合えるのかもしれない
  • フェスタ
    映画にするなら誰を主役にもってくる?
    もちろんサラブレッドのカムナビが主役ではあるが、競走馬を巡る生産者、調教師、馬主、厩務員、馬主、そして騎手
    サラブレッドを愛する者たちの凱旋門賞という大きな夢を目指す物語。
    馬の血統というものの面白さや不可思議さに作者の想像力から生まれるカムナビの性格。
    全てが...続きを読む
  • 少年と犬
    直木三十五賞受賞作という情報のみで読書スタート。震災の事、あがく登場人物たち、どうなるのかドキドキしながら読み進めました。あまりにもしんどい登場人物たちに休憩を挟みながら…しかし多聞の静かな優しさと強さに、彼らと同じように慰められたように思います。ラストは号泣してしまいました。あくまで静かに寄り添う...続きを読む
  • 少年と犬
    『犬には言葉は重要ではないのだ。人間の心をちゃんと汲み取ってくれる。』
    犬と人の繋がりを感じられてすごく良かった。
    個人的に『娼婦と犬』が好き。人々の悩みに寄り添いながらも癒してくれる犬の存在がとても尊い生き物に感じる。
    私も犬を飼っていて、2ヶ月前に亡くなってしまったがずっと心の中で生き続けて見守...続きを読む
  • 走ろうぜ、マージ
    愛犬の看病記。
    1年3か月前に読むことができていたらと思います。
    ただ撫でてやることしかできなかったことが、悔しくて申しわけなくて。

    僕はまだペットロスの中にいる。
  • フェスタ
    常に楽しみにしている大好きな馳星周の新作ですが、競馬には大して興味が無いので、ワクワクも半減。
    舌打ちしながら読み始めたところ、
    予想に反し(失礼極まりない)、冒頭から、とても心地よく惹き込まれ、競馬の知識関係無く、あっという間に読み終えてしまいました。
    今後も競馬作品が増えそうな予感ですが、次の新...続きを読む
  • フェスタ
    競馬小説としては、早見和真氏の「ザ・ロイヤルファミリー」もそこそこ面白かったが、はるかに凌駕する競馬小説の傑作。ステイゴールド・ナカヤマフェスタという稀代の荒馬から誕生したカムナビの活躍を通して、馬を愛する日高の弱小生産牧場・居酒屋経営の弱小オーナー・預託を受けた二流調教師・定年間近な老練だが馬に恵...続きを読む
  • フェスタ
    勝てない馬ばかりだった生産牧場、厩舎、騎手、馬主に奇跡のような馬が誕生。スピードよりスタミナが持ち味。この馬で凱旋門賞に勝たせたい者たちの物語。

    めちゃくちゃ面白かった。一気読み。ナカヤマフェスタやステイゴールドというのが実在したのを知らなくても、十分に楽しめた。熱い!
  • 四神の旗
    スリリングな歴史群像ノワール。単行本で一度読んだものを、文庫化を機に再読。大傑作『比ぶ者なき』の続編。前作の主人公藤原不比等の息子四兄弟、武智麻呂・房前・宇合・麻呂と長屋王の政争を描く。前記の五人に加えてさらに、聖武天皇、光明皇后、橘三千代、元正上皇といった面々が歴史のプレイヤーとなる。血こそ流れる...続きを読む
  • 少年と犬
    犬が好きなので読みました。
    とても読みやすく素敵な作品でした。
    人と犬との出会いから話は進んでいきますが一匹の犬を通してそれぞれの話が繋がっておりそこが面白かったです。
    表紙の絵も本の内容がイメージしやすくなって好きです。
  • ソウルメイト
    どの子も本当に可愛くて愛おしくて、愛おしすぎて涙が出てくる。犬って最高の存在だね。
    特にカータの話は涙がボロボロ流れた。
  • 少年と犬
    久しぶりに号泣した。
    多聞の一途さ、強さ、優しさ、聡明さに夢中になった。
    読み終えたのがちょうど3.11だったのも何か運命的なものを感じてしまった。
  • 神の涙
    日本の政治にこっちを愚弄してる、なんてグロテスクなことをするのか、と憤りを抱えているが、カムイの考え方で生きていきたいという気持ちになった。すごく良かった。
  • 少年と犬
    多聞の旅を見ていると同時に、様々な人の人生を垣間見ることが出来る素敵な作品でした。昔飼っていた、心優しい愛犬を思い出し思わず涙。子どもの私が悲しんでいればいつでも慰めてくれる子でした。でも自分の体調不良はギリギリまで悟られないよう元気に振る舞っていましたね……。ようやく気づいた時には末期の癌で、随分...続きを読む
  • 月の王
    冒険活劇である。それもコテコテの昭和の……。

    舞台は太平洋戦争直前の上海。
    このところ現代作家が多くこの時代を描いていることから、背景にある世相はある程度知られているだろう。

    明治維新からの急激な文明促進による混沌のなか、熱病にうなされた日本
    清朝末期からの他国侵掠による威厳崩壊のなか、行く先を...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    犬と共に生活をしている自分からすると、こういった話にはとことん弱い!笑
    「人間は過去と未来に囚われて生きていて、犬は今、その瞬間を生きている。」
    「見返りなど求めず、家族を愛し、辛い時や苦しい時は余計な言葉をかけず、ただそばにいる。」
    「人が動物と暮らすのは別れの悲しみよりも一緒に暮らした幸せの方が...続きを読む
  • 雨降る森の犬
    こんなに本で泣いたのは南極物語以来のような気がする。ワルテルが雨音を妙子から守るところ、そしてワルテルが逝ってしまうところ。涙がとめどなく溢れて、視界がぼやけて鼻が詰まってもう苦しかった。雨音は絵を描くこと、道夫と正樹は写真を撮ること、それぞれの目で見た景色をカタチは違うけどモノとして残すことにやっ...続きを読む
  • 少年と犬
    こんな感動話とは思わなかった。
    今生きているのが辛い人たちが犬と出会って癒される話かなって思ってた。
    でも3章目で飼い主が死んで、あれ、今まで飼ってた人たちみんな死んでね?って思ってからこわかった。
    そー思ってたけど死んでも癒しがあって犬と出会えて幸せだったらいいんじゃないかなって。
    5章目読んでこ...続きを読む