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人間が犬を選び、犬が人間を選ぶ。その先に生まれる信頼関係が“ソウルメイト”の証。長年寄り添った愛犬の最後の時。家族の決断とは──。(「フラットコーテッド・レトリーバー」)、自殺を踏みとどまらせてくれた一匹の犬の存在。(「フレンチ・ブルドッグ」)。心に空洞を抱えて生きる人々と、そこに寄り添う犬たち。犬と生きる喜びも、犬を失う悲しみも刻まれた、一つ一つの物語が胸を打つ全七編。
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Posted by ブクログ
馳星周さんによる「ソウルメイト」シリーズの続編である「陽だまりの天使たち ソウルメイトⅡ」を前作に引き続き読んだ。 犬や猫を飼うということはその最期を看取る覚悟を持って始める必要があると、愛猫達を飼い始めた際に教わった。ただ可愛いからという無責任な理由で飼われ、挙げ句に虐待されたり捨てられるペット...続きを読む達の多いことも知った。更には幼犬、幼猫のうちに親と引き離され、仔犬や仔猫のうちでないとペットショップで買い手がつかず、売れ残ると店によって処分されることもあったという残酷な業界の闇も知った。その経験や知識を踏まえて馳さんの犬と人間をテーマとした作品群を読むと、馳さんの愛犬マージ《ソウルメイト》への愛が作品の出発点となっていることを実感できる。だからこその魅力なのだ。 馳さんの犬と人間の関係を綴った作品群が他にも文庫化(電子書籍化)されていることを知り、また別の機会に読んでみたくなった。馳さんの愛犬マージへの思いがこもった「走ろうぜマージ」も是非とも読んでみたい。 『いつもそばにいるよ』 いつもそばにいるよ こんなに陽射しが強いのに、 そんなに遊んでばかりいたら熱中症になっちゃうよ。 よその子と取っ組み合って遊ぶなんて、 怪我でもしたらどうするの。 向かいから来たワンコ、この前、すれ違う時に唸ったのよね。 違う道を行きましょうね。 わいちいちうるさいんだよなあ。 そんなに心配ばかりしてたら、 楽しいことひとつもなくなっちゃうじゃないか。 ぼくたちはね、人間と違って今を生きてるんだ。 その瞬間、瞬間に、 楽しかったり嬉しかったり怖かったり悲しかったり。 昔はこうだったからとか、あのときこうだったからなんて 考えたりしないんだよ。 今がすべて。大切なのは今だけ。 せっかくぼくらと暮らしてるんだから、 あなたたちも今を楽しもうよ。 起こるかどうかもわからないことに怯えてないでさ。 どうしよう、どうしよう。 この子はもう助からないのかしら。 この子がいなくなったら、わたしたち、どうしたらいいの? この子のいない人生なんて考えられないわ。 どうしてそんなことばかり考えるのさ。 ぼくはまだここにいるよ。 自分の脚では立てなくなったけど、 尻尾も振れるし、ご飯も美味しいんだ。 そりゃぼく、いつかはいなくなるよ。 ぼくたちの一生は人間よりずっと短いんだから。 でも、今はまだその時じゃない。 今がすべて。大切なのは今だけ。 お願いだから、ぼくたちみたいに今を生きて。 いつか死んじゃうなんて考えるより、 今日は昨日より元気だとか、昨日より食欲があるみたいとか、 いいこと考えようよ。だって、ぼくはここにいるんだから。 ここにいて、みんなのこと愛してるんだから。 どうしていつまでも泣いてるの? 悲しんでるの? 確かにぼくはこっちの世界に旅立っちゃったけど、 あなたたちとの楽しかった日々を覚えてるよ。 ぼくは幸せだったんだよ。 なのにどうして泣くの? 今を生きようよ。一瞬、一瞬を大切に生きようよ。 そうしたら、寂しくはあっても悲しくはないと思うよ。覚えてるでしょう。 ぼくと暮らした日々。楽しかった一瞬、一瞬。 ぼくが幸せだとあなたたちも幸せだった。 あなたたちが幸せだったらぼくも幸せだった。 別れの時より、楽しかった時の方がずっと長かったんだから。 ぼくはずっとあなたたちのそばにいるんだよ。 ぼくとあなたたちは魂で繫がっているんだから。 魂の絆は永遠なんだから。 だから、約束してよ。 新しい子を迎えるって。その子に、ぼくにしてくれたのと同じことをしてあげて。 愛してあげて。幸せにしてあげて。 そしたら、その子はあなたがたのことを愛してくれるよ。 幸せにしてくれるよ。 その子との生活の一瞬、一瞬を楽しんでね。 だって、あなたたちが幸せなら、 ぼくの魂も幸せになれるから。 あなたたちの幸せがぼくの幸せなんだから。 だから、今を大切に生きてね。
大好きな本
友人に勧められ、犬を飼い始めてから読み直し、更に好きになった本です。何回も読んで、前向きに生きようという気持ちになります。
#癒やされる #泣ける #深い
号泣すると分かってて読みました。 号泣しました。 いい涙を流せました。 やっぱり犬が大好き。 それにしてもどうしてこんなに犬の描写が上手なのでしょう。 登場する犬達の息遣いまで、すぐ側で聞こえるような気がしました。 2016年4冊目。
獣医さんに、第2弾もお借りした。 1冊目よりこっちの方が好き!動物を飼うことの喜びと大変さと哀しさをバランスよく描き出していて、とても共感できた。うちにいる子達がますます愛おしくなっちゃうね。我が家にいるのは犬ではなく猫だけど。
犬は、その時その時を懸命に生き、過去の出来事やまだ起きていない未来に惑わされたりはしない。犬とは人間の言葉で話し合うことはできないが、人間同士以上に心を交わしあうことができる。馳星周 著「陽だまりの天使たち ソウルメイトⅡ」、2018.10発行(文庫)トイ・プードル、ミックス、ラブラドール・レトリー...続きを読むバー、バセット・ハウンド、フラット・コーテッド・レトリーバー、フレンチ・ブルドック、バーニーズ・マウンテン・ドッグの7話。フレンチ・ブルドック、最高でした(^-^)トイ・プードル、ミックスも良かったです。
ソウルメイトの続編。 犬を飼うということの重さを、ひしひしと感じた。 前作以上に、犬と生きること、魂の絆を訴えてくる作品だと思う。 本編から外れるが初めに、この本を捧げる犬たちの名前が出てくるのだが、そこに『雨降る森の犬』の犬の名前があった。 あの犬は作者のソウルメイトだったのだなと、改めて知っ...続きを読むた。 また、あの作品に登場する少女の名前が、今作の中にもあるのは、こちらも思い入れのある名前なのかも? …とここで解説を読んだら、この少女のモデルが作者の姪だと書かれていましたーーー! 私自身は、犬の物語が好きだが、現実に責任をもってここまで共に生きることは自信がない。 やはり本のなかで楽しませてもらおうと思う。
2022.01.22 ★4.8 1、2と続けて読んだ。 1で泣けた。 この作者は犬を飼い、心から愛した人なんだと思った。 2を読み、号泣した。 読み進められないかと思われるほど泣き、嗚咽した。 この作者は犬を愛し、何度も見送ったことがある人だと気付かされた。 私もこの物語に出てくる子たちの...続きを読むように『幸せだった』と言って貰えるだろうか。
トイプードル編: 白血病の少女と愛犬の話(涙) ・ミックス編: 妻に先立たれた男と愛犬の話 ・ラブラドールレトリバー編: 目が不自由な物書きと愛犬の話 ・バセットハウンド編: 仔犬時に親に顔を噛まれ容姿が悪いが周りを幸せにしセラピードッグを目指す話 ・フラットコーデットレトリバー編: 病魔に侵され前...続きを読む片足を無くした後、周りを暖かくした愛犬が再度病魔に見舞われ最後、安楽死を決断する買主の葛藤を描く話(涙) ・フレンチブルドッグ編: 仕事も家庭も無くし自殺場所で捨て犬と出会い立ち直る話(涙) ・バーニーズマウンテンドック編 同犬種を3代に渡り買い続け若く病死した3代目の死で打ちひしがれ「ソウルメイト(魂の伴侶)」の言葉に救われる。 全てが飼い主とワンコの感動物語。 馳星周の犬好きがでてて、良く勉強している。 素敵な小説でした。
犬と人との絆を描いた短編集、第2弾。 犬好きな人には何ともたまらないシリーズです。 前作同様、犬種ごとに様々な物語が展開されますが、その特徴を良く捉えているからこそ…という感じでした。 どの物語も、作者の犬への並々ならぬ深い愛情を感じます。 いつでも犬は懸命に純粋に今を生きている。家族と共に過ご...続きを読むす時間が何よりの幸せ。 すべての犬が幸せな一生を送れますように!と願わずにはいられません。
私は犬と暮らしたことがない… しかし、犬が大好きで一緒に暮らしたいと思っている… その心構えにちょうどいい一冊。 ただ、その内容には涙が止まらなかった… 星1つ減らしたのは、本当に犬の気持ちが作者の言うとおりなのか?それを確かめてから満点にしたい。
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